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14 成人
二十歳になり、私は成人になりました。
普通の女の子なら、晴れ着を着て、同級生と会って、昔話に花を咲かせる、そんな普通の成人式を迎えるはずでしたが、私には晴れ着を用意してくれる人も、会いたい友達もいませんでした。
両親が私達に遺してくれたものは、生命保険と土地。これまでは、本家の伯父さんが管理してくれていましたが、成人となった以上、これからは私が財産の管理をすることになります。
とは言え、私は成人したばかりで、弟と妹は未成年です。今多額の現金を手にしても、どう扱っていいのか困ることは目に見えています。
なので一番下の妹が成人するまでは、両親の遺してくれたものには手を付けず、自分たちの力で生きていくことになりました。
伯父さんは私を車に乗せて、行政書士さんとお会いしたり、公証役場に行ったりして、一緒に必要な手続きをしてくれました。
伯父さんは運転しながら「俺の仕事だからな・・・だけどそれもこれで終わりだ」そうつぶやきました。
色々な手続きを無事終えて、私達3人は、ようやく一緒に暮らせることになりました。