18　世間知らず

人恋しさから、私は何人かの男性とお付き合いをしました。

20代も後半に差し掛かると、男性とのお付き合いには「結婚」という２文字が常に付きまといます。

しかし当時の私が出会う男性といえば、いつも遊び感覚で、結婚などとてもできそうにない相手ばかりでした。

私が結婚を真剣に考えた男性もいましたが、私の生い立ちを聞くとスッと離れてしまうのです。

水の表面に浮かんだ油。それは決して水に混ざり合うことはなく、それでいて消え去ることもない。

私にとっての結婚とはまさに、混ざり合うことのない水と油のようなものでした。

30代前半には「それでもいい」と言ってくれた男性が現れました。その男性は20代前半で、私の弟よりも若い方でした。

その男性は実際に私を実家まで連れて行き、ご両親にも紹介してくれました。

しかし「あの子はまだ若くて、世間知らずなの。年上のアナタから身を引くべきよね。」固い表情のお母様からそう言われ、私は顔を真っ赤にしながらご実家を後にしました。

その男性も世間知らずだったかもしれませんが、私はそれ以上の世間知らずでした。

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