39 見えない存在
本家の伯父さんの会社を継いだいとこのお兄ちゃん。お兄ちゃんのお話はまるで、袈裟を着たお坊さんの説法のようでした。
それは不思議と心に響くお話でした。
「神様仏様には、手足とか、口がないんだな。だから神様仏様がこの世で何かを実現したいと思ったら、生きている人間に頼むしかないんだな。」
「でも神様仏様とお話しできる人はいないから、言いたいことが書かれている本をさりげなく置いておいたり、テレビに出ている出演者にしゃべらせるようにするとか、色んな手を使って伝えてくるんだな。」
確かに、何気なく手に取った雑誌のインタビュー記事の、たった一行にものすごく目を奪われたことがありましたが、あれもそうだったのかもしれません。
見えない存在。
今までそれを信じたことはありませんでしたが、もしかするといるのかもしれない、そう思うようになりました。
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