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22 連れて逃げて

彼氏は私のお部屋に半同棲状態で、会社の寮と、私のお部屋の間を行ったり来たりしていました。

しかし私の妊娠が分かり、私が彼に決断を迫ってからは、私のお部屋に来る回数が明らかに減りました。

電話をしても留守電になることが多いので、やりとりは自然とメールになりました。

彼氏からのメールによると、私達の結婚には、ご両親、特にお母様が猛反対しているのだそうです。

それもそのはずです。彼氏のお母様は40代後半。私は彼氏よりもお母様の方に年齢が近いのです。

お母様の立場に立てば、息子が連れて来た女が、自分とさして年齢が違わないなんて、とても受け入れられないでしょう。

仮にご挨拶に伺ったとしても、厳しい言葉で罵倒されるか、あるいは暴力を振るってお腹の子が死んでしまうかもしれない。

彼氏からのメールからは、お母様から猛反対を受けている様子が読み取れました。

母親からすれば、我が子を守るのに必死。それは私も一緒です。

「だったら私を連れてどこかに逃げて」

私からのメールに、彼氏から返事が来ることはありませんでした。

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