40 両親の愛
「俺はな、普段は出張ばっかでな、事務所を不在にしていることが多いんだわ。でもなぜか今日はキャンセルが出てな、何をするわけでもなく、事務所にいたんだよ。」
「アナタが来るなんて全然予想していなかったし、来ると分かっていても何もしてやれん。できることと言えば、話しを聞くだけなんだな。」
「でもさ、来た時のどんよりした目が、今はキラキラ輝いているから不思議だよね。」
私は亡くなった両親が、いとこのお兄ちゃんの口を借りて、私にアドバイスをしてくれた。そんな気がしてきました。
母も、父も不幸な死に方で、それが原因で私はこれまで、沢山の嫌な思いをしてきました。
でもその一つ一つが私を透明なワインにしてくれた。
そして両親は今、目には見えない存在となって私を見守ってくれている。
私は今でも両親から愛されている。
そう思うと、胸の奥がジンワリと温かくなってきました。
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