07 本家
私達は本家に引き取られる事になりました。当時私は高校生、弟は中学生、妹に至ってはまだ小学生でした。
いとこのお兄ちゃん、お姉ちゃんはそれぞれ家を出ていたので、空いたお部屋を使わせてもらうことになりました。
本家の学区は、私達の学区ではなかったのですが、隣の学区ということもあり、弟も妹も転校せず、これまで通っていた学校に、卒業まで通うことができました。必要な手続きはすべて、本家の伯父さんがしてくれました。
大正生まれの、本家のおばあちゃんは当時、まだまだ元気でした。
私達の両親が亡くなる前まではとても優しいおばあちゃんだったのですが、両親、特に父が亡くなった後は、私達を目の敵にするようになりました。
おばあちゃんから見れば、可愛い息子(父)が死んだのは嫁(母)のせい。私達3人は母にとてもよく似ているから目の敵。そんな気持ちだったようです。
本家のおばあちゃんから箸の上げ下ろし、入浴時間、言葉遣い、服装など、ちょっとしたことでガミガミ怒られるのがとても苦痛でした。
特に妹は、家の中でも短いスカートに当時流行りのルーズソックスという、かなり大胆な服装だったので、それが余計に癪に障るようでした。
本家にも私達の居場所はなく、私達は自然と与えられた部屋に引きこもるようになりました。
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