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いちごには、夢がある。

宮城県地域マップより加工


はぴみんのずんだ党フードサミット いちご編 先取りトーク ②

2023年現在、宮城県の亘理町・山元町では、生産者191人が約52haでいちごを栽培。東北一の生産量を誇るいちご王国として名を馳せています。
(khb東日本放送「仙台いちご 今シーズン初出荷 宮城・亘理町と山元町」2023/10/10 より)

この地のいちご農家は、2011年の東日本大震災で壊滅的な被害を受けましたが、それを逆手に取った創造的な復興で新たな展開を実現してきました。
特に、山元町では、六次産業化で魅力的ないちご農園のブランドがいくつも誕生しています。




株式会社GRA “食べる宝石” ミガキイチゴ ICHIGO WORLD

株式会社GRA社長の岩佐大輝さんのご実家がある山元町では、東日本大震災で人口の4%が亡くなり、129軒あったいちご農家も、津波に流されてたった4軒になってしまいました。
東京でIT企業の経営者をしていた岩佐さんは、いちご栽培の経験はなかったのですが、復興ボランティアに通ううち、自然に故郷の名産だったいちごのハウスを復活させたいと思うようになったそうです。
大量の海水が農地に流れ込み、その塩害を除去するのには何年もかかるため、オランダのいちご農園の農法から学んで、地面より90cmの高さに設置したベンチのプランターにいちごの苗を植え、土の代わりに安くて保水能力に優れたヤシ殻を使って、小さな穴が空いたチューブから水と肥料を混ぜた溶液を流していちごを育てる方式を導入しました。
そして、ハウス内の光や温度をオフィスのパソコンから自動で制御することにより、高品質ないちごを安定的に生産することに成功しました。
(テレ東BIZ「1粒1000円!?被災地で生まれた“高級イチゴ”から広がるビジネス【ガイアの夜明け『あの主人公はいま』#43】2023年3月4日 より)

岩佐さんたちはセンサーを張り巡らせた農場を作り、いちご栽培歴40年の匠の技とテクノロジーの合せ技で、いちご作りを変えていきました。
2014年に「ジャパンベンチャーアワード」(経済産業省主催)で「東日本大震災復興賞」を受賞した岩佐さんは、いまや小学校6年生の教科書に載っているそうです。
画像解析で収穫量予想をし、肥料の量をコントロールしたら、面積当たりの収穫量が2.5倍になり、販売単価が2倍になって、一粒1,000円のミガキイチゴというものができました。
また、先端的な農場を見ながらいちご狩りができる ICHIGO WORLD を作ると、人口が1万2000人しかいない山元町に、世界中から年間5万人ぐらいが来るようになりました。
香港やタイなど、東南アジアを中心に、いちごの輸出もしています。
2015年からは、独立まで10年くらいかかると言われていたいちごの栽培を 1年で学べるように、研修システムと研修生専用のトレーニングハウスを作って教育をしています。
今まではわかりにくかった匠の技を、83項目の大項目に分類。さらに数千項目の小項目に分類してマニュアルを作り、24時間365日インターネットでも勉強できて、テストが受けられるようにしました。
2018年には、いちご専門スイーツカフェ ICHIBIKO いちびこ をスタート。
インドにも生産技術を持って行き、「いちご栽培は、絶対人に教えない」と言っていた橋本さんという匠も、現地ではストロベリーレジェンドと呼ばれて、楽しそうにいちご栽培を教えています。
その後、東南アジアのマーケットに向けて、マレーシアで栽培をスタート。現地ではカフェの需要もあるので、日本と同じことをやっています。
中東のマーケットに向けて、ヨルダンでの栽培も始めました。
「いちごで世界を元気に甘酸っぱくしていきたい」「甘酸っぱいとか、ちょっとふわっとした感覚を大事にして、頑張っていきたい」と岩佐さんは言います。
(Industry Co-Creation「1粒1,000円の高級イチゴ『ミガキイチゴ』で世界を元気に!農業生産法人GRAの夢と挑戦 ICC FUKUOKA 2019」より)

ICHIBIKO いちびこ HP より

ミガキイチゴとは、いちごの品種ではなく、色や形やツヤなど、(株)GRA独自の基準をクリアしたいちごのブランドです。

撮影:はぴみん
撮影:はぴみん

ICHIGO WORLD の敷地全体の面積は3万平方メートルで、サッカーコート4面分の広さがあります。9棟のハウスで年間450トンのいちごを出荷していますが、収穫以外の一連の作業は、いちごが成長しやすい環境をプログラミングして自動制御しています。
コントロールルームのパソコン1つでハウス内の様々な機械を制御し、その日の天候に合わせてハウスの天窓や遮光カーテンを開け閉めし、ミストを噴出することで、ハウス内の湿度を調整します。寒い季節には、自動で暖房を炊いてハウス内に送ります。
さらに美味しいいちごを作るために、苗にLEDを当てたり、廃ガラスを利用した培地でいちごの収穫量が上がったという研究結果も出ているそうです。
ICHIGO WORLD では、ハチの中でも働き者のマルハナバナが300匹いて受粉を行っています。
ミガキイチゴには、レギュラー、シルバー、ゴールド、プラチナの 4つの ランクがあり、最高ランクの一粒1,000円のプラチナは、収穫量の500粒から600粒に1粒しか取れない貴重ないちごです。
(ミヤテレ「OH! バンデス」ch 【外賀SCOPE】X‘MASには欠かせない!IT技術×熟練のワザで「食べる宝石」づくりのウラガワへ♪ 2022/12/15 より)


山元いちご農園株式会社 Berry Very Labo

山元いちご農園には10棟の大型ハウスがあり、総面積3万2千平方メートルの敷地にいちご23万本が生い茂る、東北最大級のいちご農園です。
いちごをたっぷり使用した手作りバームクーヘンの工房や、いちごワイナリー、カフェ「Berry Very Labo」も併設しています。
栽培しているいちごの種類は、もういっこ、にこにこベリー、とちおとめの3種類で、12月から6月まで行われるいちご狩りには、県内外からたくさんのお客さんが訪れます。
(山元いちご農園 HP より)

お得ないちご狩りセットプランもいろいろあります。(^o^)

山元いちご農園 HP より
山元いちご農園 HP より
山元いちご農園 HP より
山元いちご農園 HP より
山元いちご農園 HP より
山元いちご農園 HP より


株式会社ベリープラネット 燦燦園 

ベリープラネット 燦燦園 HP より

東日本大震災の津波で自宅もいちごも流され、ハウスも1棟だけになった農園を、3代目の深沼陽一さん(43)が直後に継承。災害ボランティアや再建を断念した農家、ITの力を借りて、完熟いちごをよみがえらせました。スイーツ開発を軸に6次産業化を進め、冷凍いちごを削った「いち氷」をヒットさせて、直営店を開くなど、震災前と比べて飛躍的な成長を遂げています。

丸井汐里「津波からよみがえった完熟いちご 燦燦園3代目がスイーツで描く成長戦略」より
いちご屋 燦燦園 HP より

いち氷は、宮城の夏の新名物!お取り寄せや通販で大人気! 

いち氷は甘~く完熟させた「いちご」を凍らせて、スライス!そこに自慢の自家製いちごジャム&コンデンスミルクを たっぷりかけて食べる燦燦園の代表的な商標登録商品です。水や氷は使っていない贅沢なスイーツです!

いち氷やジャムに使用しているいちごはITI(国際味覚審査機構)にて、最高評価である三ツ星(優秀味覚賞)を受賞した燦燦園のいちごを使っており、着色料や添加物などは一切使っていない体にも嬉しい一品となっております。

宮城スタジアムで開催されたコンサート(ARASHI BLAST)では、用意した2,000食分が4時間で完売した人気商品!

山元町のブランド認証商品でもあり仙台の新しい夏の風物詩です。発送も承っておりますので、気軽にお問合せください。

いちご屋 燦燦園 HP より

 いちごは通常、60〜70%熟した状態で収穫しますが、燦燦園では完熟したものを穫り、翌日までに届くエリアにのみ流通させています。取引先は仙台三越、高島屋などの百貨店、銀座ウエストといった有名菓子店など約50社にのぼります。従業員は約30人、年商は2億円弱です。

丸井汐里「津波からよみがえった完熟いちご 燦燦園3代目がスイーツで描く成長戦略」より

燦燦園は、いちご栽培歴50年以上の職人の技とITによる自動化を掛け合わせることにより、温度・湿度・光量・CO₂ 濃度などを管理し、国内外に高品質のいちごを年間約100t出荷しています。
東日本大震災後、土耕栽培から高設の養液栽培に転換しましたが、土耕栽培と変わらない味を出すため、ミネラルが豊富なココナツの皮を混ぜた独自の培養土を使い、水は活水器を通し塩素を除去するなど、より美味しいいちごを作るため日々研究を重ねているそうです。
低農薬で新鮮な朝摘みいちごにこだわり、国内の洋菓子店や量販店のほか、シンガポール・タイ・マレーシアといった海外にも輸出しています。
2019年には、世界最高峰のシェフとソムリエで構成する ITI(国際味覚審査機構)で、最高ランクの三ツ星を獲得しました。
(khb東日本放送 #チャージ!「潜入!カンパニー」20240122『株式会社燦燦園』より)

ベリープラネット 燦燦園 HP より

2024年の春には、地産地消をテーマにした商業施設である仙台ハーベストビレッジに、「楽しい農業」を具現化した「ベリープラネット 燦燦園」を開始しました。
通常の栽培と出荷作業を行いながら、直売所、カフェ、1年を通していちご狩りができる専用ハウスを運営。
いちご狩り専用ハウスでは、摘み取りしやすいように業界の常識を覆す3段の高設栽培を行い、家族連れが楽しめるように通路の幅も広くしました。
深沼さん「いちごって、どちらかと言うと、上からしか見ないと思うんですね。3段式にすることによって、下段は上から見下ろす、中段は目線の高さ、上段は見上げる形になるので、1つのいちごの苗でも全然見え方が違って、ハウスに入った時に今までにない驚きを感じてもらえると思います。」
これまでも行ってきた「いちごの食育体験」にも注力し、ハウス内に設けたオープンスペースでは、いちごを活用した様々なアクティビティを計画中とのことです。
(khb東日本放送 #チャージ!「潜入!カンパニー」20240122『株式会社燦燦園』より)


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