見出し画像

アースデイ勉強会①様々な人権

ハッピーアースデイ大阪では、学生勉強会を毎月行っています。

今回は、「様々な人権」についての発表をお送りします。

引きこもり 2回生 広報チームしおりちゃん

引きこもりは深刻な社会問題となっています。

引きこもり状態にある人は、およそ100万人存在すると言われています。


引きこもりとは、家族以外の人とほとんど交流をもたずに、仕事や学校にも行かない人のことです

引きこもりには4つの定義があります。

一つ目は、準ひきこもりと言われるものです。
これは、普段は家にいるが自分の趣味に関する時だけ外出をする人です。

次の3つは狭義の引きこもりと言われています。

1つは、近所のコンビニなどには出かける人。
次に、自室からは出るが、家からはほぼ出ない人。
最後に、自室からもほぼ出ない人です。
これらの状態が6ヶ月以上継続すると引きこもりになります。

精神障害等が原因の人もいますが、様々な社会的要因があります。
一つは、職場に馴染めない・就職活動が上手くいかなかったことです。
就労経験がある引きこもりは以前は珍しかったのですが、近年は退職をして引きこもる人が増加傾向にあります。

2つ目は、不登校です。人間関係が上手くいかなかったり、いじめで不登校になる人は多いです。
学校=社会というイメージをもつ人は多いのでしょう。他の選択肢があることを忘れてはいけません。

この他にも、ゲームに依存しすぎた・理由も分からず引きこもるという人もいます。

どの家庭でも、また誰にでもなる可能性はあります。



1980年代頃は、引きこもりは若者の問題として捉えられていました。
これは、不登校問題と同一視されていて、その延長線上として考えられていたからです。

しかし、2015年頃に内閣が中高年の調査を行いました。その結果、15~39歳の引きこもりは約54万人。対して、40~64歳の引きこもりが約61万人いました。また、期間が約7年以上が43.7%でした。

年齢が高くなるにつれて再就職は困難であり、非正規労働者等が増加したことも原因として挙げられます。

高齢化・長期化問題と関連して、8050問題があります。
これは、70~80代の親が40~50代の親の面倒を見ることで起こる様々な問題です。

一体どういった問題が起こるのでしょう?

例として、生活保護の受給・年金の不正受給・孤立死・無理心中の増加が挙げられます。
親子ともに社会から孤立して共倒れになるリスク。
また、親が亡くなり子供が経済的に困るケースもあります。

引きこもっている人たちのなかには、外の世界に出たくても出れないという人たちが多いです。
また、職場や学校で傷つけられた経験が多い人に無理に外出させたりはできません。
引きこもり=甘え、怠け、自己責任といった言葉で片付けないことが大事です。
状態を否定するのではなく、当事者に寄り添う姿勢は欠かせないです。

LGBT 3回生 企画チーム まゆさん

今回は、特に日本が置かれている現状に着目しました。

LGBTとは、L(レズビアン=女性同性愛者)、G(ゲイ=男性同性愛者)、B(バイセクシュアル=両性愛者)、T(トランスジェンダー=生まれたときの法的(生物学的)・社会的性別とは一致しない)の総称です。

LGBTは人口の約8%で、13人の一人の割合でいることになります。この数字は日本にいる佐藤さん鈴木さん高橋さん田中さんの割合よりも多いのです。

ハラスメント、偏見、暴力、自殺…日常のあらゆる場面に差別による問題が存在し、多くの当事者が生きづらさを抱えています。

このような問題に対して、最近はLGBTを自社サービスへ適応させている企業も増えつつあります。

さらに、2015年に東京都渋谷区議会で、同性カップルに対し結婚に準じる関係と認める「パートナーシップ証明」の発行が可決されたことを皮切りに、いくつかの市区町村で実施されるようになりました。
2017年3月、日本政府はいじめ防止基本方針の改訂を行い、LGBT生徒の保護の項目がはじめて盛り込まれました。


しかし、実際はいまだにLGBTに対する差別やいじめがあるのが現状です。

国際人権機関は、日本の現状に対して、「差別の被害者に実効的かつ適切な救済を与えるべきである」と指摘しています。
さらに2017年の勧告では、具体的に包括的差別禁止法を制定すること、、性同一性障害者特例法の改正をすることなどの対応を日本政府に求めました。

そうした勧告を受け、日本政府もLGBTをはじめとするセクシュアルマイノリティの差別解消に向けてゆっくりと動き始めています。

法整備に関しては、現在、主に野党と与党、LGBT法連合会の主に3つの団体が異なる差別禁止・理解促進制度を推奨しています。

しかし、なかなか進展していないのが現状です…。

差別を無くすためには、「差別を禁止する制度」と「多様性に関する人々の意識」どちらかのみを変えるのではなく、どちらも同じように再構築していく必要があります。
むしろ、「制度」の整った社会に「人々の意識」は生まれ、また「人々の意識」の変化から「整った制度」が生まれるとも言えます。

難民問題 3回生 出店リーダー あすかさん

難民も移民もよく聞くと思います。他のところに移るという点ではどちらも同じなのですが何が違うのでしょうか?

移民は、自ら他の国に移ろうとする人たちのことです。
仕事を探すためとか教育を受けるためなど直接的に命の危険がない理由で移ります。


難民は、自分の意思は関係なく、移動せざるを得なくなった人たちのことです。
経済困難や貧困、紛争など、命に関わる出来事が起きてしまい避難します。


難民の現状ですが、2017年のデータでは、日本の人口の約半分である、6850万人の人が難民となっています。

解決方法としては3つ挙げられます。

1つ目は「平和になった母国へ帰る」です。これが難民の人たちにとっては1番良いことだと思うのですが、なかなかそうは行きません。なぜなら、紛争が終わらなかったり、紛争が終わったとしてもライフラインなど、生活できるまで整備されるのに時間がかかるからです。

2つ目は「一時的に避難した周辺国での居住」です。しかし周辺国だけで受け入れるのには限界があります。

3つ目に「別の国での移住」があります。これは第三国定住とも呼ばれます。
逃げて来たのでお金も仕事もその国の言語能力もなくて、つらいことを経験しているので、心に傷を負っている可能性があります。だから、受け入れる側は心のケアや教育・就労の場を設ける必要があり、多くの人材やお金、時間が必要とされます。


難民は受け入れる側の国にとって負担だと思いますか?

実は、難民の受け入れはその国の経済にとって利益があります。

難民が定着するまでのコストはかかりますが、いったん定着すると、彼らはその際のコストやその後に受け取る社会福祉を上回る税を支払っていることがアメリカでの研究より明らかになってます。

例えば、1年に26万人の難民を受け入れると50年後にはイギリスの公債を半減させることができるというイギリスのデータが出ています。

前提として難民を生み出さない社会を構築することが必要で、難民が出たとしても難民受け入れを負担ではなく、活力にするという視点の転換も必要なのです。

外国人労働者 4回生 企画チーム はっちょりさん


外国人労働者を様々なデータからみていきます。


外国人労働者の数は平成30年時点で1,460,463人でした。2012年から比べて2倍以上に増えてます。

日本における外国人労働者として一番多い国はどこ?

1位は中国は389,119人、二位のベトナムも多く、316,840人です。これは国別ランキングのグラフです。中国とベトナムで全体の約半数を占めていることがわかります。

日本人から見た外国人と一緒に働く上での問題。

まず、一番大きな問題がコミュニケーションです。育成や仕事中の指示に支障が出ます。
つぎに、労働への価値観の違いです。僕自身も体感したことなのですが、遅刻など時間にルーズというのは外国人には多いと感じています。
最後は社会的な問題として、文化の違いからくるマナーの問題です。外国人による犯罪が増えているとの声もありますが、明確なデータはありません。

最後は、外国人労働者からみた日本の労働環境の実態と問題点を挙げていきます。

1つ目は契約書がないということです。
首都圏移住労働者ユニオンにくる相談者はこのパターンが多く、6~7割は契約書がありません。給料は「1時間○○円ね」「一ヶ月△△万円ね」労働開始時間は初日に「○時にきて」退社は「今日は帰っていいよ」と言われるまで働くということが当たり前に続いています。

二つ目は契約書があっても守られないことがあるということです。
必要事項が不十分であったり、欠勤や遅刻の減額規定が異常に多かったり、契約書とは別に口頭で本当の金額を伝えるということもあります。

3つ目と4つ目は待遇面で、長時間労働であったり、給料の未払いや各種の手当(有給や残業手当など)をそもそも知らせてあげないということもあります。

最後はいじめ・パワハラです。偏見や悪口をいったり、悪質なものでは移住者の弱みであるVISA更新(更新には雇用主の協力が必要であり、これをしないと最悪の場合強制送還となる)を利用して給料の引き下げや脅しをされるということもあります。

ここまでみんな真剣に聞いていましたよ!

ディスカッションタイム

ここまで勉強した内容でみんなでディスカッション!

制度を整えることはとても重要だけど、本当にそれだけでいいの?
制度だけ整えても、人々の意識が変わらなければ今の状況は変わらない。
「人々の意識をどのように変えていくのか」というところがキーになると考えました。

難民を受け入れることによってその国の人の職が奪われる問題があると思いましたが、難民の受け入れによって経済に良い影響を与えていることを知って驚きました。

まだまだ「外国人だから…」という理由で、労働問題が起きていると感じています。
相手のことを理解すると言いますが、相手を一方的に理解するのではなく、互いを理解する姿勢が大事だと思います。

発表してくれた4人、お疲れ様でした!

ハッピーアースデイ大阪の情報は各SNSで発信しています

ハッピーアースデイ大阪ホームページ

ハッピーアースデイ大阪Twitter

ハッピーアースデイ大阪Facebook

ハッピーアースデイ大阪Instagram

#ハッピーアースデイ大阪 #アースデイ #大阪 #環境 #イベント #地球 #人権 #LGBT #引きこもり #外国人 #ブログ #コラム

いいなと思ったら応援しよう!