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『狼くんを落としたい』 第16話



和と瑛紗が絵を描き始めてから数日が経過した。

瑛:「上手だね!」

2人は連絡先を交換して、仲良くなった。

和:「いやいや…///」



和は照れくさそうにする。

そして、和に新たな友達が出来た。

奥:「〜♪」

2人の横でギターを弾く少女。



和と同い年のいろはである。
彼女も乃木芸大を目指している。

※和や○○とは別の高校

いろはが目指すのは美術系ではなく音楽系。

いろはは瑛紗の知り合いで絵を描くときに
横で曲を弾いてほしいと瑛紗は頼んでいた

その代わりに瑛紗は音楽系の学科の
知り合いをいろはに紹介していた。

和と瑛紗が初めて会った時は
いろはは夏風邪で寝込んでいた。

瑛:「いろは〜帰るよ〜」

奥:「あ、うん!」

和も2人と同じように片付けをする

瑛:「じゃあ、和ちゃんまたね〜」

奥:「和、バイバイ!」

和:「うん!また、今度!」

2人は公園を後にする。

和:「よいしょ…」

和は画材などを入れたバッグを背負う

○:「毎朝、絵を描いているの?」

○○がサクラ公園に現れた
○○も早朝にサクラ公園に来ることがある

和:「瑛紗さんに教えてもらっているの。」

○:「そっか。頑張ってね。」

和:「○○のほうこそ。
いよいよ、今日だね。」

○○は乃木大の試験日

○:「ちょっと、緊張している…」

○○は不安そうな表情。

和:「○○なら大丈夫だから。」

和は拳を突き出す

○:「ありがとう。」

2人は拳を突き合わせる

○:「あと、握手会の感想を教えてね。」

○○が試験を受けている間に
和たちはNEGAの握手会に参加する

和:「一緒に課題をやる時に話すよ♪」

明日、○○と五重奏は小川家で
夏休みの課題をやる予定である。

○:「うん。じゃあ、行ってくるね。」

○○はリュックを背負い、公園を出ていく

和:「やっぱり、好きだな…//」



和はこの前の行為を思い出し、○○への好意を再確認する。

和:「握手会に行く準備しなきゃ…」

和も駆け足で公園を後にした。


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○:「80教室ってどこだ。」

乃木大に到着した○○
受験票に記された教室を探すが見つからない

○:「事前に下見に来るべきだった…」

僕はキャンパス内を彷徨う

○:「人に聞くしかないけど…
早朝すぎて人がいない…」

時刻は7:30

レ:「オールクイズ楽しかった〜♪」

松:「今日の特訓のおかげで
絶対、実力ついたよね。」

レ:「いつか、怜奈さんを超えるぞー!」



僕の視線の先に女子大生2人
しかも、超絶美女。

○:「(女の人に話しかけるのは緊張するけど…)」

試験に遅れてはまずいので
勇気を振り絞り、話しかけた。

○:「あの……80教室はどこですか…?」

レ:「80教室?どこだろ?」

え、この大学の人だよね?

松:「ごめんね。私たちは乃木大の学生じゃないの。」

乃木大の人じゃないのかい。
なんで、この時間にいるんだよ。

松:「でも、もうすぐ乃木大の人が来ると思うから。」

松:「あ、来た。怜奈さん!」

髪の長い人が椅子から立ち上がる

怜:「二人とも片付けを押しつけないでよ。
片付けは全員でやるの。いい?」

松・レ:「ごめんなさ~い。」

怜:「もう…」



え、待って。
彩が大好きなクイズ番組に出ている人だ。

○:「(たしか…怜奈ちゃんだよね。)」

怜:「っていうか…この男の子は?
まさか……レイと美佑…逆ナンした?」

僕は怜奈さんに指される。

レ:「違いますよ!」

松:「この子が80教室は
どこにあるのか聞いてきたので。」

怜:「80教室…?もしかして、飛び級の試験?」

なぜ、試験のことを知っているんだ。

レ:「試験?」

怜:「普段、使っている教室の階で
重要な試験があるから今日は
使用禁止と教授が言っていたでしょ?」

松:「そんなこと言っていました?」

こちらの2人は明らかに覚えていない様子。

怜:「もう…案内するからついてきて?」

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80教室に案内されました

試験官:「なんで、山崎がいる?」

試験官の人がいた。

怜:「この子が迷っていたので案内を。」

僕は荷物を椅子に置く。

怜:「本当に飛び級を受ける人がいるんですね。
前に教授たちが条件を厳しくしすぎたと
笑いながら言っていましたけど。」

試験官:「その証拠に受験者は彼だけだよ。」

ぼ、僕だけ⁈本当に?
 
試験官:「試験開始時間は少し先だけど始める?」

受験者が僕だけのため配慮してくれる。

○:「お願いします。あと、その前に
お手洗いに行かせてください。」

お手洗いを済ませると
化粧室の前に怜奈さんがいた。

怜:「君、名前は?」

○:「○○と言います…」

怜:「○○君。もし、飛び級に合格したら
私のクイズ研究会に来ない?」



〇:「え?」

クイズ研究会?

怜:「じゃあ、期待しているからね!」

怜:「あ、試験頑張ってね!」



そう言い残し、怜奈さんは去っていった。

○:「よく分からないけど…今は試験に集中と…」

入った後のことはまだ考えない。
今は受かることだけ。自分の実力を出すことだけ。

僕は全集中して、試験に臨んだ。

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同時刻 麻衣の車内

一:「さくちゃんは私のほうが!」

桜:「いや、私!!」



美空と桜が何やら言い争っている模様

私は2人に挟まれて座っているから
言い争いが直に響く。

うるせぇ!

菅:「順番くらいどうでもいいでしょ。」

さくちゃんのレーンで
どちらが先に並ぶかで揉めているみたい。

五:「大差ないから。」

アイドルファンではない2人が収めようとする。

彩:「変わらないですよ。」

冨:「それにお二人ともかわいいから覚えられますよ。」

後輩二人にも言われている

一:「かわいい…///」

桜:「はぁ…///」

この二人は何なんだ。

五:「っていうか、NEGAのメンバーは
元々、芸能活動をしていたんだね。」

茉央が情報をスマホで確認する。

一:「ちょっと違う!
さくちゃんとかっきーは一般応募だよ!」

桜:「一般応募の二枠を勝ち取ったのが
さくちゃんとかっきーだよ!」



相変わらず、詳しいな。

麻:「そろそろ、着くよ〜。」

会場の駐車場に着くが…

和:「こんなに人がいるの⁈」

溢れんばかりの女性ファン
女性限定日でもこんなに並んでいるということは

普段はこれ以上の人混み…

麻:「みんな、降りてね~」

一:「着弾!」

桜:「早く行かないと!」

さくみくがダッシュで会場に向かう

和:「私たちも行こう。」

麻:「私は後で向かうね。
ここで少しやらないといけないことがあるから。」

ということで麻衣さん以外の面子は会場に向かいました。

 


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麻:「…」

ガチャ(車のドアの開閉音)

麻:「悪いわね。握手会前なのに。」

筒:「メイクを終えているので大丈夫です♪」

あやめは後部座席に乗る

筒:「5周年ライブの関係者席のチケットです。」



あやめは運転席にいる麻衣にチケットを渡す。

麻:「ありがとう。彩の頼みなのに。」

筒:「彩ちゃんが私に頼まなくても
麻衣さんが私に頼みましたよね?」

麻:「まあね(笑) それと
あやめに頼みたいことがあって…」

麻衣は五重奏と奈央の写真を見せる

麻:「彩とこの子たちの写真を撮ってほしいの。」

筒:「分かりました。普段からファンの
写真を撮っていますから、簡単ですね。」

麻:「色々と頼んでごめんね。」

筒:「全然、気にしないでください♪
それでは私は戻りますね。」

あやめは会場に戻っていく

麻:「あやめ、ありがとう…」

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握手会 会場内

一:「うぅ…先がよかったのに…」

桜:「〜♪」

二人はさくらのレーンに
並ぶ順番をじゃんけんで決めた。

彩:「変わらないですよ。」



彩は美空の後ろに並ぶ

一:「そういえば、和たちは?」

彩:「茉央先輩は美月、咲月先輩は真佑、
奈央ちゃんは柚菜、和先輩はかっきーです。」

一:「みんな、バラバラだね。」

彩:「私たちはお二人ほど
ガチファンじゃないので満遍なく行きますよ。」

桜:「あ、列が動くよ!」

開始時刻となり徐々に列が動き始める

そして、桜の番に…

遠:「あ、桜ちゃんだ♪」

桜:「覚えていてくれたの…?///」



遠:「当たり前だよ!
お渡し会に来てくれた女の子の中で
一番かわいいと思っていたから!」

桜:「あ、ありがとう…///」

遠:「これからもよろしくね!」

“お時間でーす”

美空の番

一:「初めて来ました!」

遠:「ありがとう〜♪」

一:「あ、あの…好きな人に
アピールするにはどうすればいいですか?」

遠:「うーん…ボディタッチをしてみるとか?
私は好きな人にアピールしたことが
ないから参考にならないと思うけど…」

一:「いえ!参考にします!」

美空も剥がされ、彩の番

彩:「本当に演技が上手いですね。」

遠:「ありがとう(笑)」

彩:「さっきの2人はお兄ちゃんのことが大好きです。」

遠:「そっか…強敵だね。」

”お時間でーす”

彩:「じゃあ、また今度。」

遠:「うん。またね。」

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昼食休憩

私たちは麻衣さんの車の中で
サンドウィッチを食べている

和:「疲れる…」

並ぶのが本当に大変
アイドルって本当に大変な仕事ですね。

冨:「彩ちゃんは誰のところに行ったの?」

彩:「さくちゃんとあやめん。」

一:「私はさくちゃんと美月!」

菅:「私はまゆたん、璃果ちゃん、しーちゃん。」

みんな、色んな子のレーンに行っている。
私はかっきーと美月でした♪

和:「っていうか、これは今日中に全部回れるの?」

桜:「多分、無理。今日は人が多すぎる。」

やっぱり、そうだよね…

一:「NEGAは本当に人気になってきたからね。
回れないのも無理はない。」

大晦日の歌番組にも内定しているみたい。
ファンの数も急速に伸びている

和:「残りは誰に行こうかな…」

昼食休憩を終えて、私たちは再び会場に戻った。

そして、終了時刻直前
私はさくちゃんのレーンに並んでいる

和:「(あの色紙について聞かなきゃ…)」



○○の部屋にあった
狂気じみたメッセージ入りの直筆サインの色紙

○○のことが好きなのか

彩ちゃんは聞くのを
忘れてしまったみたいだから
私が聞かなければならない。

私の番が来た。

遠:「あ、はじめまして〜♪」

和:「○○のことが好きですか?」

私はストレートに聞いた。

和:「彼に宛てた色紙を見ました。
明らかにあなたは○○のことが…」

遠:「その質問には答えないけど
一つだけ言っておくね。」

遠:「○○君はあなたたちに渡さないから。」


さくちゃんは笑顔でそう言った。

しかし、純粋な笑顔ではなかった。

どこか闇があるように思えた。

時間が来てしまい、私は剥がされた。

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握手会後のNEGAの楽屋

遠:「疲れた〜!」

山:「ファンの子が急に増えたよね。」



田:「本当にそれ!ありがたい!」

握手会が終わった後は
楽屋でくつろぐことがNEGAの恒例となっている

遥:「今月末の5周年ライブも頑張らないとね。」

5周年ライブの倍率は10倍を超えた。

久:「あやめ!今日、来てくれた
ファンの子たちの写真は撮った?」

筒:「撮ってあるけど…」

久:「見せて〜!」

筒:「はいはい…」

あやめは怠そうにスマホの写真アルバムを開く

遥:「あやめは加入直後から
ファンの人の写真を撮っているよね。」



筒:「顔を覚えたいからね〜。」

あやめは写真をスクロールしていると

久:「あー!この子たちだ!」

史緒里が画面を指す

遥:「ん?どれどれ?」

久:「めちゃめちゃかわいい子たちが来たの!」

遥:「…たしかにかわいい。
あ、でも…私のところにも来たかも。」

田:「あー!この子は私のところに来た!」

柴:「私のところにも来た。」

璃:「私も。」

全員があやめの周りに集まる

山:「みんなも覚えているの?(笑)」

久:「当たり前でしょ!
こんなに可愛い子は忘れるわけがない!」

遥:「さくのところにも行った?」

遠:「来たよ…」

“○○のことが好きですか?”

和に言われた言葉がさくらの頭の中を巡る

筒:「みんな離れて。私、スマホゲームしたいの。」

あやめの一言でメンバーが離れる

久:「あやめ!後でその写真送って!」

筒:「なんで?」

久:「決まっているでしょ!NEGAに勧誘するのよ!」



筒:「絶対、上の許可が降りないよ。」

久:「私はやってやるんだから!」

璃:「私も協力する。」



柴:「私も!」



田:「新しいメンバーも欲しいからね!」



この3人も勧誘に燃えている模様

山:「変なことしないでよ。」

遥:「本当にそれ。」

遥香と美月は呆れた目で4人を見る

遠:「あやめ〜。お手洗い行こ〜。」

筒:「はいはい…」



今日もNEGAの楽屋は賑やかです




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握手会終了後の車内

一:「美月とかっきーがかわいかった〜!」

桜:「え!かっきー行けたの⁈
列が長すぎて私は諦めたけど…」

一:「本当にギリギリだった(笑) ねぇー?彩ちゃん!」

彩:「ですね♪」

彩ちゃんと美空は一緒に
かっきーのレーンに行ったみたい。

冨:「たくさんのメンバーと話せました!」

五:「私も~。みんな可愛かったなぁ~。」



なおまおは一緒に回っていたみたいです。

皆は本当に楽しい時間だったみたいだから

和:「(さくちゃんが言っていたことは内緒にしよう…)」

あれは今、話すべきではないと思う。

麻:「皆、ちょっといい?
○○が迎えを要請しているから
乗せていってもいい?」

あれ?試験が終わったの?
彼に聞いていた終了時間よりも二時間前だけど。

一:「どうぞ!私の隣に座らせます!」

桜:「いや、私!」

2人はまた言い争いを始める

うるせぇ!

麻:「助手席に座るから大丈夫だよ。」

一・桜:「…」

その言葉によりさくみくの
言い争いは一瞬で終わりました。

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○○は助手席に座りました。

〇:「しんどかった…」

彼は非常に疲れている様子。
受験をしていたのだから当然だよね。

麻:「明日、みんなは私たちの家で
課題をやることになっていたよね?」

和:「そうですね。」

麻:「私たちの家じゃなくて
私たちの別荘でやらない?一泊二日で!」

別荘⁈ 

一:「賛成です!!!」

桜:「わ~い!」



さくみくの大声が耳元で響く

うるせえ!!!!

他のみんなも大賛成です。

もちろん、私も大大賛成。

麻:「○○もいいわね?」

〇:「勝手にして…」

ということで小川家の別荘での
お泊りが決定しました。

【第17話に続く】

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