『狼くんを落としたい』 第8話
〇:「ん...」
窓からさす光で僕は目を覚まし、時計を確認する。
そして、僕の横に眠る美少女。
〇:「(早く起こさないと
みんなにこの状況がバレるよね。)」
一ノ瀬さんや彩を筆頭に何と詰められるか分からない。
〇:「桜さん。起きて。」
僕は桜さんの身体を揺らす。
桜:「なに…?」
桜さんは目をこすりながら起き上がる。
寝起きもかわいいです。
〇:「早く起きないと、
一緒に寝ていたことがみんなに知られるから。」
桜:「あ、そっか…」
〇:「今すぐにこの部屋を出ないと。」
桜:「そうだね。あ、忘れていた。」
桜さんは僕のほうに体を向ける。
桜:「○○君、おはよう♪」
桜さんは笑顔を僕に向ける。
〇:「桜さんもおはよう。」
僕たちはあいさつを交わして、部屋の外に出るが…
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冨:「あ、おはようございます。」
隣の部屋から奈央ちゃんが出てきた。
桜:「おはよう♪」
冨:「よく眠れましたか?」
〇:「え?」
普通に同じ部屋で寝ていたことを知られているけど。
なんで、桜は慌てないの?
桜:「奈央ちゃんには昨夜にも私が
○○君の部屋に入るところを見られているの。」
なんで、出入りの両方を見られているの?
冨:「他の人には○○さんと桜先輩が
一緒に寝ていたことは言いませんから。」
〇:「奈央ちゃんは起きるのが早いね。」
他の人はまだ寝ているみたい。
冨:「私は健康優良児ですから!」
奈央ちゃんは力こぶしを作る。
全然できていないけど。
桜:「二人とも今から散歩する?」
冨:「もしかして、この広い豪邸を?」
桜:「そうだよ♪」
冨:「行きたいです!」
桜:「○○君は?」
〇:「僕も行こうかな。」
眠い目を覚ますのに散歩はちょうどいい。
外の空気も美味しそう。
桜:「じゃあ、着替えてから
また、集まるということで!」
冨:「私はもう着替えましたよ。」
〇:「僕もこのままの格好でいいかな。」
着替えるのが面倒くさい上に
桜さんにもらった服は高級すぎて着づらい。
桜:「じゃあ、私の部屋の前で待っていて?」
冨:「了解です!○○さんが桜さんの部屋を
覗かないように見張っておきます。」
〇:「そんなことしないよ。」
いつから、僕を変態扱いするようになったの。
冨:「いや、既に昨夜にお互いの裸を見ているかも?」
○:「なっ!///」
桜:「そ、そんな、変なことはしてないから!///」
桜さんはそう言い残し、その場をダッシュで後にした。
冨:「あーあ。○○さんのせいだ。」
あんただよ。
〇:「早く、桜さんの部屋の前に行こう?」
冨:「まさか、本当に覗く気じゃ…。」
〇:「ち、違うよ。散歩の時間が無くなるから。」
冨:「ふーん。」
二やついて、こっちを見るな。
僕と奈央ちゃんは桜の部屋の前で数分待った。
桜さんの着替えが終わり、僕たちは散歩に出かけた。
もちろん、桜さんの着替えを覗いてはいません。
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桜:「疲れた~」
僕たちは一時間ほど庭を歩いたみたい。
この家は本当に広すぎる。
でも、おかげで眠気は完全に覚めた。
冨:「みんなはまだ起きていないみたいですね。」
桜:「起こしに行く?」
冨:「いいですね!寝起きドッキリ!」
〇:「怒られない?」
寝起きが不機嫌な人とかいるよね?
桜:「何とかなる!」
冨:「なる!」
根拠がなさすぎるよ。本当に不安でしかない。
ということで、スペアキーでみんなの部屋に入ることに。
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~和&咲月の部屋~
桜:「おはようございます…」
冨:「おはようございます…」
二人は小声になる。テレビ風の演出はいらないよ。
カメラもないのに。
彩:「眠いのに…」
この部屋に来る前に彩を無理やり起こしました。
もちろん、桜さんと奈央ちゃんが。
寝ている人に二人がかりでくすぐるのはヤバい。
おかげで彩は不機嫌です。
冨:「皆さん、いい寝顔をしていますね~。」
あなたが変態じゃないか。
それより、僕は五重奏の方たちの寝顔を見てもいいのか?
みんな、かわいい。
彩:「お兄ちゃん、じろじろ見ちゃだめだよ。」
〇:「分かっているよ。」
そういわれても、見ないほうが難しいでしょ。
全員、かわいいから。
ゴソゴソ・・・(物音)
桜さんと奈央ちゃんが物音を立ててしまい
和:「ん…?って、みんな⁈」
井上さんが最初に目を覚ました。
桜:「あ、起きちゃった…。」
桜さんは落胆した。
和:「○○君もいる…これはどういうこと?」
井上さんは困惑している様子。
にしても、寝起きも美しい。
〇:「奈央ちゃんと桜さんが
寝起きドッキリをしたかったみたいで。」
冨:「違います。○○さんが
みんなの寝顔を見たいと言ったので。」
おい。こら。勝手に擦り付けるな。
和:「え?そうなの…?」
冨:「そうです。」
和:「○○君…。」
〇:「違うよ!僕はそんなこと言っていない!」
否定するためについ大声を出してしまった。
菅:「…ん?」
五:「なに…?」
一:「○○君⁈」
全員、目を覚ましたようです。
〇:「あ…。」
冨:「ねぇ…。」
奈央ちゃんは僕を睨んでくる。
いや、あなたのせいだから。
後ほど、僕の誤解は何とか解けました。
一ノ瀬さんは
「襲ってもよかったのに」と言っていました。
本当にいつも通りですね。
そして、僕は今日も一ノ瀬さんの課題を手伝います。
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お泊り会 二日目 昼
一:「ふぅ~!」
○○君のおかげで
美空はすべての課題を終わらせた。
○○君の力が本当にすごすぎる。
一:「にゃぎ〜まだ終わっていないの〜?」
自分が終わったのをいいことに
さっきから、この子は私を煽ってきます。
和:「気が散るからやめて!」
ムカつく!○○君の力があったからでしょ!
菅:「○○君の助けを借りれば?」
和:「今、○○君はいないもん。」
○○君は美空の手伝いを終えて
庭でくつろいでいるらしい。
和:「それに私もあと少しで終わるから。」
美空に負けていられないという根性で
私の残りの課題はプリント一枚。
一:「早く♪遊ぼ♪」
美空は私の体を揺らしてくる。
私も早く遊びたいわ!
菅:「それより、茉央はどこ?」
茉央の姿が見当たらない。
桜:「“課題終わったから
散歩してくる”と言っていたよ。」
茉央も終わらせたの⁈ 私も課題頑張らないと…
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〇:「…」
僕は庭にあるサクラの木の前に座っている。
桜さん、奈央ちゃんと散歩をしていた時に見つけた。
〇:「はぁ…」
流石に人に教えるのは疲れる。
?:「ため息ついてどうしたの?」
僕は後ろから声を掛けられる。
〇:「五百城さん?」
五:「どうも♪」
〇:「課題終わったの?」
五:「うん。だから、○○君を
探しに行こうと思って、ここに来たの。」
彼女は僕の横に座る。
五:「サクラの木を眺めていたの?」
〇:「昔からサクラの木の前が落ち着く。」
五:「そっか。」
〇:「他のみんなは?」
五:「あと少しで課題が終わると思うよ。
美空に負けていられないと頑張ったから。」
みんな、すごいな。
〇:「じゃあ、今日の昼間から
明日はひたすら遊ぶことになりそうだね。」
一ノ瀬さんの希望通りになりそう。
僕が課題を教えている間も一ノ瀬さんは
“早くみんなと遊びたい“と嘆いていた。
五:「これも○○君のおかげだよ。」
〇:「いや、僕は何も。」
みんなが頑張ったから。
五:「私たちの仲もさらに深まったと思う。」
〇:「本当に僕は何もしてないよ。」
みんなの仲が元々いいだけだよ。
五:「本当に自己評価が低いね。
また、ネガティブが戻っちゃった?(笑)」
五百城さんは僕の顔を覗き込む。
五:「大丈夫。○○君は自分が思っている以上に
私たちにいい影響を与えているから。」
彼女は僕の目を見つめる。
見つめられると緊張するよ…
和:「おーい!○○君!茉央!」
一:「全員、課題が終わったよ!」
二人が遠くから呼んでくる。
五:「呼ばれちゃったね。
二人で話せる貴重な機会だったのに。」
〇:「話せる機会はいくらでもあるよ(笑)」
僕たちは同じ委員会だから。
僕がほとんどの業務を一人でやるけど。
五:「また、一緒に話そうね。」
五百城さんはそう言うと
二人のもとに向かおうとする。
僕も彼女のあとを追いかけようとするが
五:「あ…」
彼女は急に立ち止まり、微笑みながら、こう言った。
五:「やっぱり、○○君はサクラが似合うね!」
〇:「…え?」
そして、五百城さんは駆け足で二人の元に。
この感じ…どこかで…
一:「○○君も早く!」
〇:「う、うん。」
聞き覚えのあるフレーズだったが
今は気にしないようにした。
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菅:「今から、何する?」
全員、課題が終わったけど
何をして遊ぶのかをまだ決めていなかった。
一:「プールは?」
桜:「昨日、使ったからダメ。」
桜は手でバツ印を作る。
和:「いい案、ある人!挙手!」
私は委員長だからまとめなければ
○:「はい。」
○○君がダルそうに手を挙げる。
普段、学校で○○君が手を挙げる
ことはないのでこのシーンは貴重です。
和:「○○君、どうぞ!」
○:「帰る。」
遊ぶ案と言っているでしょ?
一:「え~、○○君も一緒に遊ぼうよ。」
○:「疲れた。」
五:「美空のせいだよね?」
おい。えぐるな。
一:「えっ…私のせいなの…?」
美空は涙目になる。
○:「い、いや…違うけど。」
○○君は俯き、目を泳がせる。
たぶん、美空のせいだろうな。
本人には言えないけど。
一:「膝枕してあげるから、ゆっくり休んで…?」
美空は膝をポンポンと手でたたき
○○君を招こうとする。
休む=膝枕の発想がよく分からない。
○:「いいの?」
○○君、どうしたの⁈これは罠かもしれないよ⁈
一:「遠慮しないでいいから!
私の課題を手伝ってくれたお礼だから。」
○:「じ、じゃあ、お言葉に甘えて…///」
○○君は美空に近づく。
彩:「むむむむむ。」
彩ちゃんは超睨んでいます。
○:「よいしょ。」
そして、彼は美空の膝枕に頭を乗せた。
桜:「むぅ…」
桜も嫉妬しております。
○:「眠れる気がしない。」
あなたは一か月前まで
私たちと話せなかったから当然です。
一:「目を瞑って?///」
○○君は美空の言う通りにする。
一:「眠れる魔法をかけてあげる♡」
そう言うと、美空は○○君の両頬に手を当てる
○:「えっ?」
一:「○○君、目を瞑って?」
○:「う、うん。」
○○君は目を瞑る。
一:「はぁ…いただきます///」
いただきます?
美空も目を瞑り、○○君の顔に近づく。
え?ちょっと、待って。何しようとしているの?
桜&彩:「ダメ!!!」
桜と彩ちゃんは美空を突き飛ばす。
○:「いった…」
当然、○○君も膝枕から落ちる
一:「二人とも何するの!」
桜:「今、何しようとしたの(怒)」
桜は激オコ。
一:「ま、魔法をかけようと…。」
彩:「魔法の名前を教えてください(怒)」
もちろん、彩ちゃんも激オコ。
一:「……くぅちゃんの口づけ。」
普通にキスじゃねぇか。
彩:「お兄ちゃんもこんなのに
引っかかるのはダメだよ。」
こんなのって(笑)
○:「もう、普通に寝たい。」
○○君はこの流れでさらに疲れた様子。
”くぅちゃんの口づけ”はデバフだったようです。
桜:「じゃあ、こういうのはどう?
私たちでゲームをやって、勝った人が
○○君と一緒に夕食を作る。」
○:「え?」
それは○○君の負担を増やすよね?
桜:「”○○君の料理は美味しい”と
美空がさんざん自慢してきたから
私も食べたいなと思って。」
そういえば、桜は食べてなかったね。
※第5話参照
○:「食べたいなら、僕一人で料理するけど。」
桜:「うーん…それだと面白くないの。」
面白くない?
桜:「○○君と一緒に料理って
なんか、萌えるよね?」
・・・そうですか?
一:「萌えます!」
菅:「萌える。」
賛同者が2名。この人たちの感覚が理解できません。
桜:「決定だね♡」
○:「よく分からないけど…
みんながゲームをしている間は
僕は寝ていてもいいよね?」
桜:「それはご自由に♪」
○:「じゃあ、寝てきます。時間になったら呼んでね。」
○○君はリビングから離脱した。
一:「全員で大富豪だ!」
美空はそう言って
トランプをテーブルの上に置いた。
戦いのゴングが鳴り響く。
私は鳴り響いてないけど。
勝者は・・・・・・
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~数時間後~
夕食の作る時間になりました。
○:「井上さんって料理得意なほう?」
和:「どうだろ?分からない。」
私が勝ってしまいました。
大富豪は運ゲーだから仕方ないでしょ!
勝負には負けたくなかったし。
一:「にゃぎめ…」
桜:「むっ…」
菅:「絶対、イチャイチャしないでよ。」
彩ちゃん、奈央ちゃん、茉央はテレビを観ているが
この3人はずっと近くで見てくる。
和:「気が散るよ。」
○:「今は離れていてくれるかな?」
一:「○○君は和とイチャイチャしない?」
ストレートに聞かないでよ。
○:「絶対、しないから。」
そんなに強く否定されると逆に悲しい。
○○君の言葉で3人もテレビを観にいった。
〇:「…」
○○君は黙々と手を動かす。
横顔もやっぱりかっこいい。
美空たちが好きになる理由も分かる気がする。
〇:「井上さん…って僕の顔に何かついている?」
思わず、見とれていました。
和:「真面目だなと思って。」
〇:「昔から料理は真剣になっちゃうからね。」
和:「昔から?」
〇:「うん。」
料理男子ってかっこいい!
って、何を考えているの⁈私は美空じゃないのに。
和:「痛っ!」
変なことを考えていたせいで
包丁で指を切ってしまった。
〇:「大丈夫⁈」
和:「大丈夫だよ。これくらい…」
〇:「ちょっと、指貸して。」
○○君はそう言うと、私の人差し指を手に取り
和:「え⁈///」
私の指の傷口を舐めてきた。
一:「あー!!」
桜:「何しているの!!!」
案の定、この光景を全員に見られました。
和:「違う!/// ○○君、もういいから!///」
顔から火が出そうです。
〇:「これでよしっと。あとは水で洗い流して。」
なんで、平然としているの?無意識ですか?
和:「う、うん///」
〇:「それとケガしても困るから
あとは僕が一人でやるよ。」
と言われたので、
私はエプロンを片付けて
みんなのところに戻る。
当然、桜、美空、咲月の三人に問い詰められた。
“○○君の口の中、温かかったなぁ…///”
頭の中が○○君でいっぱいになっていた。
桜:「美味しい!」
桜は○○君の手料理を食べて感激の様子。
桜:「ここに住んで、毎日料理作ってほしいなぁ♡」
〇:「流石にそれは無理だよ。」
一:「だよね!私の家に住むからね!」
違うわ。
〇:「えー…無理。」
一:「そうだよね!今は無理だよね!」
言葉をポジティブに変換しすぎです。
何がどうなったら、美空の家に○○君が住むのよ。
いい加減、現実を見てください。
ポジティブはいいことだけど……
五:「彩ちゃん、どうしたの?」
彩:「この時間はテレビを見たくて。」
彩ちゃんはリモコンを操作する。
彩:「間に合った!」
彩ちゃんがつけたチャンネルはクイズ番組を放送していた。
桜:「怜奈ちゃんだ!」
怜奈ちゃん?
彩:「桜先輩もこの番組観ているのですか?」
桜:「大好きな番組だよ!」
二人で盛り上がっている様子。
私は全く知らない…。
和:「○○君はこの人のことを知っているの?」
〇:「乃木大の人だって。
毎週、彩に言われるから覚えちゃったよ。」
一:「乃木大って一番賢いところじゃん!」
私でも乃木大は知っている。
この国で一番レベルの高い大学。
彩:「怜奈ちゃんは才色兼備だから!」
確かに美人。
桜:「待って!悠理ちゃんもいる!」
また、知らない名前が出てきた。
五:「この人も乃木大なんだ。」
桜:「最近、悠理ちゃんは番組に出始めたの。」
この人もかわいい。
っていうか、さくたん詳しいね。
一:「私は乃木大に絶対入れないなぁ(笑)」
五:「私も。」
私もいけないと思う
菅:「○○君なら、いけそうだよね?」
※○○は学年トップの成績。
〇:「まあ、頑張ってみる。」
一:「○○君なら絶対に行けるよ。」
和:「私もそう思う。」
〇:「ありがとう。」
彩:「お兄ちゃん、怜奈ちゃんと
悠理ちゃんのサイン貰ってきてよ。」
〇:「人をパシリに使うな。」
みんなで番組を見ながら、夕食を楽しみました。
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夕食後、僕は自分の部屋にいた。
コンコン(ノック音)
誰かが扉をノックしたため
僕は扉を開けて、応答する。
〇:「桜さん?」
桜:「ねぇ、今夜もこの部屋に泊まりに来てもいい?」
桜さんは小声で僕に話しかけた。
桜:「昨日はよく眠れたから
今日も一緒に寝たいなと思って///」
桜さんは頬を赤くしながら、声を発する。
〇:「別にいいけど。」
僕はあまり眠れなかったけど。
桜さんはすごいな。
二人で話しているとそこに…
和:「二人とも何話しているの?」
井上さんが現れる。
〇:「明日の朝食は何がいいっていう話。」
もちろん、噓をつきます。
和:「ふーん。それより、
今からみんなで恋バナするけど、二人は参加する?」
〇:「僕はパスで。」
女子の色恋を聞くのはタブーな気がする。
桜:「私もパスで。」
和:「二人ともそう言うと思った(笑)
じゃあ、美空に伝えておくね!」
井上さんはその場を後にした。
〇:「危なかった。」
桜:「じゃあ、昨日と同じように
また、連絡するね///」
〇:「うん。」
____________________________________
24:00
桜:「よいしょ///」
昨日と同じように枕を持って
桜さんは僕の部屋に来た。
そして、同じベッドに僕たちは入る。
〇:「じゃあ、おやすみ。」
僕は昨日と同じように
桜さんに背中を向けて寝ようとするが
桜:「待って。」
〇:「どうしたの?」
桜:「今日は○○君の顔を見て寝たいな///」
はぁ⁈
〇:「そ、それは恥ずかしいよ……。」
僕たちはもう高校生。
桜:「お願い!///」
桜さんは手を合わせて頼んでくる。
〇:「分かったよ……」
断る理由もそこまでない。
恥ずかしいだけかな?
僕は桜さんのほうを向く。
顔が近い。
今すぐにキスをしてしまいそうな距離。
※キスはしません。
桜:「昔もこうやって寝たことあるのかな?//」
〇:「さぁ…」
桜さんのいい匂いのせいで
まともに会話ができない。
桜:「おやすみ//」
僕たちはお互い向き合って眠りについた。
昨日と同じように眠るまでに
時間がかかるかと思っていたが
意外とすぐに眠りにつくことができた。
しかし、○○がよく眠れたことが原因で
翌朝、二人はとんでもない事態を引き起こしてしまう。
【第9話に続く】