見出し画像

『狼くんを落としたい』 第5話



私たちは○○くんの家に着きました。

彩:「ふぅ...お兄ちゃん!!!」

彩は家中に響き渡る大声を出す

彩:「起きろ!このヤロー!」


○○くんは体調悪いはずだよね?
呼び方が乱暴すぎます

彩:「女とイチャイチャすんな!」

口が悪すぎるよ...

菅:「あっ、彩ちゃん。それにみんなも。」



五:「やっほ~」

2階から咲月が降りてきました。

彩:「お兄ちゃんはいますか ? 」

彩は咲月を睨む

菅:「○○くんなら...」

○:「なに ? 」

おでこに冷えピタを貼った
○○くんが降りてきました。

彩:「何もしてないよね ! 」

真っ先に心配するのはそこですか ?
まずは体調ですよね?

○:「何もしてないし...
こんなに大人数でどうしたの ? 」

和:「真夏先生から、重要な書類を...」

○:「ありがとう。」

私は○○くんに封筒を渡す

彩:「そこの一ノ瀬二世さんが届け忘れたから。」

彩ちゃん激おこじゃん。

五:「一ノ瀬二世(笑)」

○:「やっぱり、そうだった。」

和:「やっぱり ? 」

○:「今日、渡すと先生が前に言っていたから。
っていうか、この封筒...曲がってる?」

真夏先生がうちわの代わりにしてたからね...

○:「まあ、問題ないけど...」

彩:「咲月先輩はお兄ちゃんに
何もしてないですよね。」

めっちゃ疑ってるじゃん

菅:「○○くんの部屋で私は
今日の課題をやっていただけだよ。

彩:「お、お兄ちゃんの部屋 ⁉︎
せ、聖域に踏み入れたんですか ⁉︎ 」

彩ちゃんと美空にとっては聖域だよね

○:「誰でも入れるんだけど...」

彩:「私の特権だったのに ! 」

冨:「私も入ったことあります。」

それじゃあ、彩ちゃんの特権じゃないじゃん

○:「もし、よかったら入る ? 」

彩:「はぁ⁉︎ 」


___________________________________


○○くんの部屋

彩:「私だけの特権...」

五:「綺麗で広い部屋だね。」

和:「アイドルのグッズだ。」

アイドルのグッズも整頓されていた。

和:「さくちゃんのグッズが多いね。」



○:「推しだから...」

桜と美空に『さくちゃんだけは覚えろ』
と言われたのでさくちゃんは覚えました。

和:「直筆サインじゃん ! 」

直筆サインの色紙が何枚もありました。

彩:「何回もお兄ちゃんは行ってますよ。」

自分のことのように彩は自慢する

和:「すごいね!」

○:「"これ"があるから。」

指でお金のポーズをするのは辞めてください。
夢が壊れるから!

五:「○○くんへ。いつも来てくれてありがと ! 
○○くんと話すのは楽しいよ !
応援してくれて、本当にありがと♪大好きだよ ! 」

茉央は色紙に書かれたメッセージを読む。

和:「覚えてもらってるんだ ! 」

○○くんはかっこいいから、覚えられるよね

五:「っていうか、会話できてるんだ。」

たしかに。
私たちと会話できなかった人が
何でアイドルと普通に会話してるのよ

五:「えーっと..
○○くんの顔が本当に好きで。」

はい?

五:「いつもキュンキュンしちゃいます。」

ちょっと、待ってください。

五:「いつか一緒に住もうね。さくより。」

はぁ ⁉︎

彩:「これ、どういうこと⁉︎ 」

○:「ファン全員にやってるよ。」

絶対、違うよ。勘違いするファンが続出するよ。

彩:「そんなわけない!
サービスでもこんな事は書かないよ!」

和:「茉央、嘘ついてない?」

茉央が読んでいるふりをしている可能性もある。

五:「本当に書いてあるもん。ほら。」

私も額縁に飾られた色紙を確認する。

和:「本当だ。」

・子どもは男女1人ずつほしい♪
・○○くんとお風呂に入りたい
・○○くんと一緒に料理を作りたい

ヤバいことが書いてありました。
これは止められないの?

和:「さくたんにはこれを見せてないよね?」

※桜はさくちゃんが好き

○:「見せてないよ。」

永遠に見せないほうがいい
もちろん、美空にも。
美空が見たら、本当に昇天します。

彩:「私、さくちゃんのイベント行こうかな。」

絶対、この事について問い詰めるよね

五:「会話を出来ていたのは本当なの?」

○:「僕は何とか頑張っていたんだけど...」


___________________________________


とある握手会

○:「さ、さくちゃん、
この前の番組は...よ、よかったよ!」

遠:「ほ、ほ...んと?あ、あり...がとね!///」




お時間でーす

___________________________________


五:「ロボットの会話じゃん。」

私もそう思いました。

和:「完全にさくちゃんが恋してるよね。」

○:「サービスだよ。」

アイドルがロボットでサービスするメリットありますか?

○:「今後も僕はイベントに行くので。」

彩:「私も行く。」

あなたは辞めてください。何かしそうで怖いです。

○:「それより、一ノ瀬さんと桜さんはどこ?」

和:「桜は習い事。」

スケートをやっているみたいです。

五:「美空は居残り課題。」

○:「あー...なんか...昨日の夜にメールきてたなぁ...」

○○くんは携帯を触る

和:「なんて ? 」

○:「これ。」

○○くんはメールの履歴を私に見せる

[数学の課題が終わっていないので教えてください♡]

和:「♡マーク...」

メールでも全開じゃん。

五:「それになんて返信したの ? 」

○:「明日、一緒にやりましょうって。」

菅:「でも、今日は欠席。」

○○くんは発熱で欠席。

○:「だから、明日はお詫びをしないと。」

五:「何されるか分からないよ ? 」

多分、デートなんだろうなぁ...

○:「どうせ、デートだよね。」

あの子の考えを読まれとる

~♪(着信音)

○○くんの携帯が鳴る

○:「うわ...」

○○くんは嫌そうな顔をする

和:「誰から ? 」

○:「一ノ瀬さんから電話...」

悪魔から電話きたみたいな顔してるじゃん

○:「で、出たほうがいい ? 」

お化けじゃないんだから。

五:「貸して。私が出る。」

茉央が電話に出た。

そして、スピーカーにする

一:「○○くん ! 大丈夫 ? 」

五:「もしもし。こちら、いおちゃん。」

一:「その声、茉央 ⁉︎ 」

五:「そうだよ。今、○○くんの家。」

一:「みんな、居るってこと ⁉︎」

和:「いるよ。」

一:「あっ ! にゃぎ ! 」

五:「それで今、あなたはどこにいるの ? 」

一:「お店で風邪薬や胃薬を買ったの ! 
それで○○くんのお見舞いにいこうかなって。」

行動が早いなぁ。

五:「私たちは○○くんの手料理を食べてるから。」

○:「え?」

○○くんは料理を作っていません

一:「ズルい ! 私もすぐに行く !!」

そう言い、電話は切れた。

五:「これでよし。」

いや、よしじゃないでしょ。

○:「なんで、嘘ついたの...」

○○くんは絶望の淵に立たされたような表情。

五:「こうでもしないとお詫びをさせられるでしょ ? 」

○:「あ、そういうこと...」

たしかにお詫びを要求されるもんね。
茉央、ナイスです。

五:「それにこの部屋の色紙を見られたらヤバいと思う。」

彩:「524%あの人は崩壊しますね。」

五:「ということでこの部屋から出よう。」

__________________________________

そして、数分後

一:「はぁ...はぁ...」

息切れを起こしながら
美空は駆け込んできました。
○○くんは料理を作っている。

和:「なんで、風邪薬と胃薬でビニール袋が2つになるの。」

美空は袋二つ分の買い物をしてきたみたい。

菅:「じゃあ、開封しよう。」

一:「ダメダメ ! 私が開封するから ! 」

⚪︎1つ目

一:「風邪薬,飲料水,補助食,胃薬。」

そんなにいらないでしょ。しかも、コーラ2Lって。

和:「それが一つ目?」

一:「うん。」

⚪︎2つ目

一:「髭剃り,除毛クリーム,シャンプー,リンス。」

なんで、全て毛に関係するものなの?
お見舞いと関係ないよね?

五:「ねぇ、このシャンプーとリンスって
美空が使っているものと同じだよね?」

おい。まさか。

和:「どさくさに紛れて、
お揃いにしようとしてるのね。」

一:「だって、お揃いのほうが...」

あなたたちはカップルじゃないですよ。

彩:「まだ、入ってますよね。」

彩ちゃんは袋の中を漁る。

彩:「⁉︎」

小箱を見て、彩ちゃんは目を見開く。

一:「あー!ちょっと!」

彩:「...バカ‼︎  」

小箱を美空に投げつけ、
彩ちゃんはリビングを出ていく。

○:「彩?」

和:「何があったの?」

茉央は床に落ちた箱を拾う。

五:「えっと、0.0...」

一:「しーっ!!」



美空がすぐに茉央から取り返し、自分のバッグに隠した。

一:「セーフ...///」

和:「茉央...あの箱はなに...?」

私は茉央に小声で尋ねる

五:「男の子がつけるやつ...//」

あ...それね...

そういう状況は絶対ならないから。

うん。絶対にしません。

___________________________________

数分後

一:「○○くんの料理美味しい.../// 」

和:「私たちの分までありがとね。」

私たちの分まで作ってくれました。とても美味しいです。

彩:「...///」

彩ちゃんも戻ってきました。

○:「彩、どうしたの?」

彩ちゃんは○○くんにくっついています。

彩:「な、なんでもない...」

あれを見たら、そうなりますよね。

○:「(本当にどうしたの?)」

菅:「それより、GWは何する?」

あと数日でGWでした。忘れておりました。

一:「○○くんはどこに行きたい?」

○:「え、僕も参加するの?」

それは正しい反応です。

一:「一緒に行こうよ♪」

○:「良いけど。遠出は嫌だよ。」

一:「そ、そっかぁ...」

絶対、遠出にしようとしてたな。

菅:「遠出が嫌なら、さくたんの家はどう?」

○:「桜さんの家?」

五:「さくたんの家は豪邸だよ。」

何回行っても迷うくらい広い敷地です。

菅:「さくたんの家でお泊まり会。」

○:「...僕も参加するの?男一人だよ。」

完全にハーレムだよね?

菅:「うん。もちろん、彩ちゃんと奈央ちゃんも。」

彩:「私は行ってみたいです。」

冨:「私も!」

○○くんの心配をしてるからね。
美空が何をするか分からないし。

○:「じゃあ、僕も参加しようかな...」

菅:「決定だね。」

家主はいないけど

一:「たくさん、遊ぶぞ!」

五:「当たり前だけど、GWの課題を持ってきてね。」

一:「えっ...」

当たり前だよ。全員で居残りは勘弁。

五:「みんなでやれば、終わるでしょ?」

一:「遊びたい...」

子どもかよ。

和:「去年のGW課題はどうだったの?」

一:「最終日に徹夜しました。」

和:「だから、一緒にやるの。」

五:「○○くんも手伝ってくれるから。」

○:「えっ?」

無茶振りが酷いです

五:「くれるよね?」

○:「うん。手伝う。」

今の茉央、少し怖かったよ。

一:「ありがと‼︎ 」

○○くんも美空の扱いに慣れてきたかな。

彩:「それより、家主の許可は
とらなくていいんですか?」

※桜は習い事のため、この場にいません。

五:「大丈夫!
今、『OK!』と連絡あったから。」

和:「何しようかな。」

一:「私は屋外プールに入りたい。」

季節を考えなさい。風邪をひきます。

まさか、風邪をひいて
看病してもらいたいとか...

流石に考えすぎか


___________________________________


桜の家

桜:「お泊まり会♪」

桜母:「やっと、○○くんが来るのね。
楽しみにしてるわよ。」

桜:「ねぇ~!」

【第6話に続く】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?