自営型雇用の未来──メンバーシップから契約ベースへ

　従来のメンバーシップ型・ジョブ型雇用が崩れつつある今、フリーランスや個人事業主と企業雇用の中間的な形態である「自営型雇用」が注目されています。

欧州ではすでに企業と個人が契約ベースで働く流れが定着しつつあり、日本でもその兆候が見え始めました。

　本記事では、短期・中期・長期の視点から「自営型雇用」へのシフトを考察します。堀江貴文氏らが提唱する “契約ベース就労” の現状や、AI時代との相乗効果、そして社会的課題について解き明かしていきます。

メンバーシップ雇用の崩壊と自営型雇用の台頭

　2020年～2023年にかけてコロナ禍でリモートワークが一時的に普及しましたが、一部先進的な企業を除いて、元の対面業務に戻す動きも多く見られます。

さらに、日本特有の終身雇用や年功序列が名ばかり崩壊しているとはいえ、まだ根強く残っています。副業も形式上は解禁されているものの、ネガティブな印象を持つ企業・個人が一定数存在するのが現状です。

一方で、企業の人件費削減や人材確保のニーズが高まる中、メンバーシップ型・ジョブ型雇用に綻びが生じ始めています。海外のように企業と個人が契約ベースで仕事を進める形へ、ゆるやかにシフトする兆しが見え始めたと言えるでしょう。

　欧州では、企業と個人が雇用契約ではなく “業務契約”で結びつく働き方が進んでおり、ジョブディスクリプションを明確化したうえで、専門家をプロジェクトごとに集めるスタイルが定着しつつあります。

日本でも、そうした自営型雇用の動きが緩やかに広がっており、堀江貴文氏などが将来は「企業と個人が契約して働く形が主流になる」と唱えています。

フリーランス保護法が成立し、不当な契約破棄からフリーランスを守る動きが加速していることも追い風となっている状況です。

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