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Photo by
kotoba_tanosii
[ショートショート】むかしばなし
むかしむかし、あるところに、とても大きなロケットを作っている、月郎という男がおった。この男は月に住みたくて、何度も何度もロケットを空へ飛ばしておった。
ある日、そのロケットから飛び散った破片が、飛行機にぶつかった。
その飛行機は墜落し、バラバラになってしまった。
村の者たちはみな怒った。一番怒ったのは、パイロットの十兵衛だった。
十兵衛は急いで庄屋のもとへいった。庄屋は物知りで、みな困ったときにはこの人に相談していた。
庄屋の家に十兵衛と月郎がやってきた。
「よしよしよく集まった。君が月郎か。月へ行くのは結構だが、破片を飛ばしては人命が奪われる。どうにかならぬのか。」
「どうにもならぬ。今回は成功したくらいだ。俺はもうこの村にはいたくないのだ」
「いいかげんにしろ。人の命をなんだと思っているのだ。」
「人の命を考えているのは私だ。このままでは、村にいるもの皆が死ぬ。」
庄屋は腕組みをして考えた。
「そうかそうか。よくわかった。君たち、ここで待っていてくれたまえ」
そうして庄屋は席をたつと、使用人に耳打ちした
「ワシじゃどうにもならん。大岡さんを連れてきておくれ」
そうして、大岡越前守忠の出番となったのです。
つづく
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