占いとウラハラ
占いが好きだ。
よく見るのはテレビの「めざまし占い」で、いいことを言われたら一日中気分がいいし、悪いことを言われたらその日は慎重に過ごす。良くも悪くもない日は見た直後に内容を忘れる。毎日見たくなるのは「運勢がいい」と言われたときの浮き立つ気分を味わいたいからかもしれない。
めざまし占いで「今日は絶好調!」と言われて本当に絶好調だったことなどないのだが、一度だけ「当たった!」と思ったことがある。長男が一浪したあとの大学の受験日だった。星占いで「今日は今までの努力が実る日」と出ていたので、出がけに本人に伝えると「第一志望の日がそれだったらよかったのに」と言い残して家を出た。結局、彼はその日の試験に合格し、その大学に進学することになった。第一志望の大学に落ちたからだが。
ちなみに今日2/25は亡き母の誕生日なのだが、大昔の分類で2/25は水瓶座だった。なので母が生きていたとき、私はお節介にも水瓶座の運勢をチェックして、何かのついでに「今日の水瓶座の運勢は〇〇なんだって」と母に教えたりしていた。しかし母は本当は3月生まれだったようだ。祖父が役所に届け出るとき、2月生まれということにしたらしい。逆パターンはよく聞くが、こんなケースもあるのだろうか。だから母の本当の星座は「魚座」だったのだ。2/25のままだとしても、この日は随分前から「魚座」になっていたらしいし……。ああ、なんという勘違いか。
占い好きは男性より女性のほうが多い。女性のほうが自分の人生に物語を求めているからだろうか。誰かから「あなたの運命はこうなっています」と言われることが、イヤではないのだ。いいことを言われれば嬉しいし、悪いことを言われれば自虐ネタになり同情してもらえる。
男性の中にも占い好きな人はいると思うが、占いが嫌いだという男性がネットにこんなことを書いていた。朝、ニュースを見るためにテレビをつけていると、勝手に「あなたの今日の運勢」を流し始める。いいことを言うならまだしも、あなたの運勢はよくないと言われると気分が悪い。頼んでいないのに悪い運勢を教えるのは「ウラハラ(占いハラスメント)」ではないか、と。
確かに、ウラハラと感じる人がいてもおかしくないと思う。
自分の運は自分で上げていくものだから、自分の運勢を決めつけないでほしいのだろう。が、占いはルーレットと同じ。いい目が出たときだけ喜べばいいのではないかと思う。