「IBM i」 ってなんですか?①
Hao!ハオルチアにお水をあげたついでに、紅茶をいれてちょっと一息。
今日もここに立ち寄っていただき、ありがとうございます。
ここではIBM i に関するあらゆることを気ままにつぶやいてまいります。
・・・・で。
そもそも「IBM i ってなにさ!」って声が聞こえてきそうな気がしています。
頭に「IBM」ってついているんだからIBM社の製品なんでしょ?と思い浮かべる方は多いでしょう。
が!後ろにちょこんとついている「i」←これなに?
ですよねぇ…正直最初に見たときは私も「なにこれ?」と思ったのは内緒です(笑)
さてIBM i を語る前に「AS/400(エーエス・ヨンヒャク)」という製品の話をしましょう。
前説長いな、と思われると思いますが長い歴史をたどったマシンなので少しだけお付き合いください。
ちなみに名前の間にある「/」これ、とっても大事らしいので省略してはいけない代物です(と、新人時代に習いました)。
では改めてAS/400について。
IBMが1988年に発表したミッドレンジコンピューター(要するに銀行などで使われるホストコンピューター=メインフレームとパソコンの中間に位置するコンピュータ)のシリーズで、主に企業の業務システムにて使われてきました。
Bモデルからスタートして、Fモデルになったのち、CISCからRISCへの移行(マイクロプロセッサ(MPU、CPU)の設計思想のこと)というシステムの改良、それに伴う名称変更を経たのち現在では「IBM i」として知られています。
ここで1つ。
よく間違われるのですが、「IBM i 」とはOSのことです。
マシンとしてはIBMの「Power Systems」上で動作します。
しかし、古くからのユーザーは「AS/400」の名称に愛着を持っているため、現在もその名前で呼ぶことが多いです。場合によってはお客様社内で「AS/400」が自社のシステム名称となっているところもあります。
AS/400(IBM i にも共通)の大きな特徴は以下の通りです。
オペレーティングシステムとハードウェアがセット:OS/400(後に「IBM i」として改名)という独自のOSが搭載され、特にビジネスデータの処理に優れていました。ハードウェアとソフトウェアが密接に連携しているため、安定性が高くダウンタイムが少ないのが特徴です。これによってハードウェアからOSはもちろん、業務アプリケーションまでエラーの監視をOSが担うことができます。別途何かのオプションなどを必要とせずOSレベルですべてのコントロールが可能です。
堅牢性と高い信頼性:AS/400は非常に堅牢であり、OSのエラーやハードウェア的な故障も少ないことからほとんどメンテナンスなしに動作し続ける例も少なくありません。24時間365日稼働という過酷な環境でも年間2時間程度のメンテナンス用停止時間を設けるだけで動かしているお客様も多く存在し、この信頼性から銀行、製造業、小売業などの基幹システムで長年採用されています。
オブジェクト指向のファイル管理:他の多くのシステムがファイル単位でのデータ管理をするのに対し、AS/400は開発当初からオブジェクト指向の考え方を採用してきました。これにより、データの保全やセキュリティが強化されています。
RPGなどの独自プログラミング言語:AS/400で主に使用される「RPG(Report Program Generator)」というプログラミング言語は、ビジネスアプリケーションの開発に特化しており、特に業務データ処理がしやすくなっています。AS/400はRPGⅢからILEを経て、FFRPGへと進化しています。
新技術の積極的な取り込み:AS/400時代はRPGだけがプログラムの主流でしたが今ではビジネスロジックとしてはPHPやJavaはもちろん、画面周りもHTMLやJavaScript、CSSを使用することが可能となりました。さらにSQLを使ったデータベース処理も可能となり、旧来の物理ファイル(PF)・論理ファイル(LF)と並行で使用が可能となりました。IBM i は区画を切る(LPAR)ことでOpenShiftを動かすこともVBを動かすことも可能となりました。さらにHTTPサーバーになることはもちろん、REST-APIもOSレベルでサポートしますので他システムとの連携についてもまったく問題ありません。
資産の継承:AS/400の大きな特徴として、OSのバージョンが上がっても、マシンが最新アーキテクチャーに変わってもプログラム(オブジェクト)をリコンパイルすることもなく旧マシンから「保管→復元」だけで即動作が可能となることが挙げられます。一般的にOSのバージョン等が上がればプログラムは何らかの修正を行わないと動かないことも多いのですが、現在のIBM i に関しても当然のごとく36年前、なんならAS/400の前身であるS/36のRPGⅡ言語で書かれた36年以上前のプログラムでも復元したのち、そのままリコンパイルなしで動かすことが可能です。
と、ここまでざっと書きましたが長くなったので続きは②でお話します。
まったり更新なのでお気楽にお待ちくださいませ。
今日のハオルチアは…「橘×ブラッククーペリー錦」の交配種。
錦とは斑入りのことを言います。
交配させることで2つの種類の特徴が大きく出てくるので面白いですね。
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