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社会人学校に通ってみてわかった4つの良さと、できなかったこと

こんにちは、乗馬と寿司が趣味の男です。

私は2022年度に、Xデザイン学校という社会人学校で10ヶ月間のオンラインコースに通学しました。学習内容はビジネスとUXで、課題企業への新規事業企画を題材に方法論を実践しました。
そこでは多くの挑戦と失敗を経験でき、一緒に切磋琢磨したチームメンバーとは修了後も連絡を取り合っています。

総じてとても学びの深い時間を過ごすことができたのですが、その中でも特に「社会人学校に通うとはどういうことか?」という観点で、よかったなと思ったこと4つと、できなかったことを1つ、まとめてみます。

これから社会人学校に通うことを検討している方の参考になればと思います。


👍 会社の同僚とは異なる、多様な目線を吸収できた

多様なバックグラウンドを持つチームメンバーたち

ベーシックコースでは5人1組のチームでサービス企画を行ったのですが、メンバーが職種がバラけるよう組まれており、会社の同僚とは異なる目線を吸収できました

例えば、近年の技術動向について意見を出し合ってみようというワークをすると、

行政経験のあるメンバー→「i-construction(土木テック)」
Webエンジニアのメンバー→「セマンティックウェブ」
記者や番組ディレクターの経験があるメンバー→「TVer」

と、自分や周辺からはパッと出てこない、多様な意見を聞くことができました。

とはいえソフトウェア系に寄る傾向はあったので、もし化学系や農業系といった異なる業界の方がいらしたら、さらに別の角度からの意見が聞けたかもしれませんね。

講師の一歩引いた意見

講師は経験豊富かつ課題企業に加担しないフラットな立場でいらっしゃるので、客観的な意見をいただけました。

例えば、「〇〇社(自分の勤め先)は現金をたくさん持っているのだから、金融サービスに力を入れるのも手だと思う」

なるほどと思うと同時に、社内にいると社内事情(この場合は、「金融業は〇〇社(関連企業)の領域なので、自社ではやらない」など)を知っている分、無意識に外すことをしているのだなと気づきました。

👍学校の講評では、
”その企業にとって意義があるのか”と
”ビジネスモデルそのものの良し悪し”を
フラットに切り分けた講評を受けられた

”その企業にとって意義があるか”
→企業のアセットやステークホルダーについての理解ができているかという観点
「どうして〇〇社がそれをやるのか?」
「〇〇社の方が参入障壁が低いので、工夫しないと勝てない。」

”ビジネスモデルそのものの良し悪し”
→どの企業のビジネスと考えても同様に言える

「インフラをゼロから作ろうとしてはいけない、初期コストがかかる」
「ボランティアがいる前提は基本よくない、ステークホルダーと倫理的な関係を築けていない。」
「人海戦術は良くない、コストがずっとかかり続ける。」
「高齢者の決済データをとっても意味がない。数年先には使えなくなるのだから。」

この2つが混ざらずに切り分けて教授いただけるのは、外部機関ならではの良さだなと思いました。

👍未経験の役割を実践でき、知見の幅が広がった

実務では実績やスキルセットを見てアサインがされるのが一般的かと思いますが、それに対して学校では、未経験であったり、明らかに実力が伴っていない役割でも挑戦できます。これはとても良い機会だなぁと思いました。

私が今回のコース内で実践できたことは、

  • 事業企画

  • ユーザーリサーチ

    • 半構造化インタビュー

    • 脳内マップ

    • 上位下位分析

    • ペルソナ/シナリオ

  • 年次が大きく異なるチームのリーダー

  • ストーリーボード映像ディレクション

    • 声優とのコラボ(友人を召喚)

などですが、全てが未経験でした。経験の一部は、その後の実務でも活用できています。

👍思い切り挑戦・失敗でき、その教訓は心に刻まれた

学校(フェイク)なので、周囲への影響を気にせず思い切り失敗ができました。強烈に失敗をし続けると、失敗で訓練された人格と自問自答するようになりました。

講評「人海戦術はダメだ。」
→スケールするほどコストが重むモデルになっていないか?

講評「初期投資にいくらかかると思っているのか。」
→初期投資や運用費を賄えるほどの収益が見込めるのか?

講評「なんでもAIが教えてくれる世界で子供を育てたいと思うのか」
→このサービスが世界中に広がったとき、何が起こるだろうか?

こうして訓練された人格はその後、新規事業関連のことをするたびに問いかけてくるので、似たような失敗を避ける助けになっています。

そりゃあ、”とりあえず実践してみる人”と”勉強で終わっていて実践しない人”では差がつきますよね。

これからもたくさん失敗していきたいと思います。


🤔 "効率よく進める"は最後までできなかった

結果的には、このコース(10ヶ月)に300時間以上を費やすことになりました。一番時間を使ったのはメンバーとの合意形成です。

オンライン学校という環境では、チームメンバー全員が

  • プライベートの時間に集まっている

  • 完全にフラットな関係で、指示系統がはっきりしていない

  • スキルが伴っていない(だから学びにきた)

  • 互いに付き合いが浅い

が前提になります。なので、目の前のアイデアや考え方に、自信を持って意見を言える人は基本誰もいません

しかし議論を重ねればアイデアが良くなるというものでもありませんから、どこかでチームとして意思決定をし、前に進むしかありません。頭ではそうわかっていても、強引に進めて納得ができていないメンバーと亀裂が生じると、後から修復できなくなりそうで怖かったです。

この課題感にどう向き合ったかと言いますと、結局、ワークの目的を「チームメンバーが1つでも多くの学びを得て帰ること」とし、丁寧に話し合うことを続けました。自分を含め、メンバーの誰かに懸念点、疑問点、講義に対する理解の違いなどを感じれば、できるだけ一つ一つ対話するよう心がけました。

全員の協力のおかげで最後までやり切ることができましたが、その分多くの時間と体力を費やしていました。

どうすれば効率よく進められたのかはいまだにわからないのですが、こうなった原因は明らかで、判断基準やアウトプットのイメージが人によって違う・わからないという状態だったからです。
そして学校という環境では、それらが統一できないことを覚悟する必要があるのだとわかりました。


最後に

Xデザイン学校で大きく成長できたと感じるのですが、その理由の1つは、”すぐ実践して、うまくいかなくて、どうすればよかったのかを振り返る”という進め方だったことだと思います。

強烈に転び続けたおかげで、もはや「失敗できたらラッキー!」くらいに思えています。

情報収集が簡単になった今の時代では、下積み<実践 だなぁと日々感じます。やったことがない・作ったことがないものでも、インターネットや情報系サービスを駆使すれば、時間さえあれば大概なんとかなる気がしますし、うまくいかったとしても、その経験をもってもう一度学ぶとさらに理解が深まって、きっといつか達成できる。

現代でさえそう思えるのに、これから生成AIが発展していくと思うとわくわくしますね!

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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