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今世紀最大の悪夢Special

お昼間、前の家の引越しお掃除を家族みんなでしている最中に南海トラフレベルの地震がきた。家が崩れる前に、1番高低差が無い窓から飛び降りることを私が提案して、ママとパパに褒められながら家同士の通路を駆け抜けてその家から逃げた。怖かったけど褒められるのは好きだから嬉しかった。あんまり家族の前で感情を顔に出すことはないけど。
逃げた先には噂の未来電車が見える。ままとぱぱは当たり前かのように私たちをそこまで案内した。終点まで行けば30年後に、途中で降りれば10年後に行けるらしい。ふつうにこの地震の中道路を走ってる電車がいるなんて?って思ったけど結構乗客はいるから怪しさとかデメリットを知る由もなかった。なにせ私たちは未来に何が起こるかよく考えもせずにいた。考えるべきだったのに。時間を飛ばすデメリットなんて普通に考えれば分かることだったのに。今この地震で街中が混乱していることを、打破することしか頭になかったから。そして30年後に行くにも10年後に行くにも切符は一つしかないから家族みんなで同じ緑色の古い切符を購入して私はすぐカバンに入れ、お姉ちゃんはスマホの裏にしまった。
ママとぱぱは10年後で降りるらしい。でも確かに年齢のこともあるし「30年後は行きすぎ笑」って思ったから良い判断だと思った。思っちゃった。そして軽く、未来に着いたら連絡して、という別れ際の挨拶だけ済ませてままとぱぱは降りた。私たちは30年後へ電車に揺れた。私たちはよくわからないまま電車に乗ってた。でもよく考えてみてお姉ちゃん。30年後なんてどうなってるかわからないし私たち50歳とかになってるんだよ?突然30年後に行くとして第三次世界大戦の最中だったらこの電車に乗った意味がない。まだ地震の方がマシだし。それにお姉ちゃん子供ほしいって言ってたよね、そんな時代に子どもも居たら大変だよ。って説得するように愚痴をこぼして、「たしかになあ、じゃあままたちと合流しよっか」という案になんだかんだ落ち着く。合流するためにとりあえず降りてスマホのLINEを開く。

「あれママのLINEがない。」

一瞬なんでだろう?未来電車のバグかな?純粋にそう思うと同時にもう一つの選択肢が頭に浮かんで一気に不安のモヤがかかる。多分1番の嫌な予感ってこれだと思った。全身が冷たい水をかけられたみたいに脳が冷えてしまって無言の時間が私たちを襲う。ぜったい私たちは同じ予想をしてた。でもお互い口から出すことはなかった。
「あ、パパのラインはあるね」
パパに電話をかけることに。そしたら電話に出てくれた!良かった。でもずーーーっと沈黙。何も喋ってくれない。これはもう私たちのさっきの嫌な予感の答えでもあった。
「ねえ、何黙ってんの!笑やめてよそういうのしゃらくさいって。おい!」最初は笑ってたけど途中から泣きながらパパに怒るお姉ちゃん。だってこの気持ちをどこにぶつけたら良いかわかんないんだもんね。私はお姉ちゃんに言ったよ怖かったし言いたくなかったけど。口に出したら現実なんだってわからされる気がして。でも
「亡くなったってこと!もう辞めよう」って言った。
その後落ち着いて、詳しくパパに聞いたら、10年後に着いた瞬間にママが何も音も無くパッと消えたらしい。パパの目の前で。私たちは電車に乗る前から、10年後にはママが死ぬって運命に決まってたんだって事がゆるせなかったし、別れの挨拶もないまま消えたのが理不尽でぜんぶを恨んだしたくさん泣いた
そのあとはなぜかわからないけどパパと違う道を行ってまた後でねー!って言って夢終わった


普通に最悪の目覚めでヤバい

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