見出し画像

週刊「ガールズケイリン分析」by半笑い(2024/2/1号・#10)

割引あり

①先週の結果分析(1/26~2/1決勝の開催が対象)

松阪(1/22~24ミッド)

【展望再掲】1周400m/見なし直線61.5m
競走得点は野本怜菜・渡部遥・松井優佳・高尾貴美歌・下条未悠の順。前場所31②着に終わった野本だが、この相手ならやはり信頼。強いて言えば過去10場所2日目は2着を外していないが、初日は3回も3・4着があるだけに、初日の取りこぼし(ここではそれでも2着有望だが)での穴目を狙うところか。自力型多く展開は流動的だが、敢えて直線長い方が得意な下条の一発大駆けに期待。5場所連続優出と急に本格化した渡部もこの相手ならチャンスだが、自力タイプの多さからは追い上げマーク巧みな高尾の浮上をマークすべきだろう。高尾は一応病気明けなのでデキには注意必要だが、それでもこの並びならば期待したい。野本-高尾の捲りが本線のレースでは、3番手に川嶋百香や枝光美奈が追走流れ込むパターンも警戒することになる。
【結果分析】開催レベル:B-
休場明けでも「野本を信頼」だが「初日取りこぼしで穴目狙い(それでも2着有望)」という見立て通り、野本怜菜は22①着で見事優勝。予選は2日とも早駆けで番手に差されるも決勝で修正、これは脚を測りながら勝負勘を取り戻して行った内容で流石は勝負師と言ったところか。この並びならば「病気明けでも期待」とした高尾貴美歌の11②は野本以上のサプライズで、初日は野本追走で差し切り、2日目は松井優佳追走から少し離され、かつ松井が止まってしまったのを大外から自力で伸びての1着。差した相手が加瀬加奈子なので一線級相手に再現できるとも言えないが、このタテ脚があるからこそのマーク巧者でもあり、充実期ではありそうだ。そして11月後半にいきなりブレイクした渡部遥は、それまで優出率2割程度だった選手がいきなり7連続の優出。ここは11③着、決勝でも堂々とバックを取っての3着粘りで、これは本格化したと見ても良さそうだ。対してちょっとデキ不安なのが松井優佳で、初日は下条の番手にハマる望外の好展開から、あまりに早い番手捲りで下条の抵抗に遭ったとはいえ一度も先頭に立てず、渡部-川嶋に捲られての3着。2日目も加瀬の逃げを捲れず、これも一度も先頭に立てずの3着で、連日長く踏んではいるのだがこれは調子落ちではないか。

川崎(1/26~28ナイター)

【展望再掲】1周400m/見なし直線58.0m
競走得点は久米詩・飯田風音・鈴木奈央・板根茜弥・小泉夢菜の順。久米はグランプリ4着から11②着なら当然の人気だが、前場所の決勝2着は長澤に差されたものだけに、不動のアタマとは言えないかもしれない。飯田・鈴木がしっかり好調なので、これらの逆転まで含め狙ってみたい。マーク型では板根が人気するだろうが、本線がしっかりした展開では小泉も同等以上に狙えていい。久米や飯田の捲りに板根が千切れるような展開ならば、山口優依の飛び付きからの一発もあって良いし、逆に板根がすんなり追走できる展開ならば渡邉栞奈の3番手流れ込みもあって良いが、この辺は安定感乏しく、基本は上位がある程度堅そう。
【結果分析】開催レベル:B+
「不動のアタマとは言えない」の久米詩が21①着と、想定通り完全優勝はできなかったが、しかし初日2着は打鐘で後方から大きく動いて1周以上駆け、終始マークの永禮美瑠にゴール前チョイ差しされたものなので、もはや完全復調近しと言って良いだろう。飯田風音は12②着だが、2着はすべて久米詩に負けたもので、これも変わらず好調維持と見る。2日目・決勝ともに前受けから久米の捲りに飛び付いて、ゴール前は差し返すかという勢いだっただけに、「グランプリ級がいなければ完全優勝」できるデキとも言って良い。33③着の板根茜弥は崩れないのは立派だが、恵まれてもキッチリ負けるし、恵まれなければ大きく離されるという内容で、常に「予選は2着まで、決勝は3着まで」という基本ラインを全く上回っては来ない。鈴木奈央は31⑤着、強い相手にはしっかり負けて物足りない内容ではあるが、決勝は高木佑真を目標にしてしまった展開のアヤもあり、「しっかり好調」とした事前評には沿った脚は見せたと判断。復調すれば狙えるはずの小泉夢菜・山口優依はまだまだ本調子には程遠く、ポテンシャルはあるがしばらくは狙い下げる。

取手(1/28~30デイ)

【展望再掲】1周400m/見なし直線54.8m
競走得点は小林莉子・荒牧聖未・太田美穂・岩崎ゆみこ・藤原春陽の順。得点通りの安定感を見せ続けている小林・荒牧はここも基本的に信頼。積極駆けで調子を取り戻して来た太田・岩崎は、調子からは狙えていいが、強力な差し・捲りタイプと毎回同乗する組み合わせからは、これらが2着も逃しての中穴が狙い目になる。代わりに浮上するのはマーク安定してきた藤原に加え、最近飛び付き・マークで進境を見せている渡口まりあ、そして復帰できれば自在性を増して成長中の熊谷芽緯ということになる。
【結果分析】開催レベル:A
「基本的に信頼」として小林莉子・荒牧聖未は、それぞれ12①着・11③着としっかり安定。より安定と見ていた荒牧が決勝で3着に終わったのは案外だが、ただ両者ともお互い以外に負けたのが太田美穂だけなので、単純に上位3人の力が拮抗していたということだろう。決勝は熊谷芽緯が強気に叩いて番手に太田美穂がハマったお陰で、前受けの荒牧が終始太田-小林の内に詰まって脚を余した形。熊谷も良く粘ったせいで荒牧が抜け出せなかった部分もあり、上位がハイレベルで拮抗していたという見立てになりそうだ。

松戸(1/28~30ミッド)

【展望再掲】1周333m/見なし直線38.2m
競走得点は柳原真緒・那須萌美・吉村早耶香・石井貴子(104期東京)・篠崎新純の順。直線短く捲り合戦になるとリスクある柳原に、やや好調期を過ぎた印象の那須。こうなると早捲り傾向の吉村がむしろハマりそうだし、33バンク得意の石井もしっかり狙えそうだし、切れ目から飛び付く篠崎も柳原を抑えて前を残す助けとなる動きをしつつ自分も好走できそう。これらの上位の細かい上げ下げで妙味を追いつつ、高橋美沙紀あたりが前々からハマるパターンも拾ってみたい。
【結果分析】開催レベル:B+
石井貴子(104期東京)は26②着。決勝では早駆けで後ろの田口が壁になってくれて、その後ろで柳原と吉村が競る形になったお陰で2着粘りと33バンク得意ぶりを存分に見せた。2日目は番手の吉村早耶香がバックから躊躇なく交わして行ったので大失速で6着に沈んだが、それに評価を下げずに33では展開次第で激走はあると最後まで狙い続けるべきなのだろう。逆にここで石井を捲って完勝だった吉村は初日も逃げ切っていたが、11⑥着と決勝では大敗。前述の通り柳原との競りが長引き、柳原の後ろにも那須という強いマーク型がいたので、外並走が続いた吉村は大きく下がってしまい、勝負にならなかった。淡白なタイプゆえにすんなり展開ならば強いが、自力型が多く捲りがバッティングする展開では大崩れもある、という吉村攻略のお手本のような結果だったが、こちらは予選連日の強さからは決勝でも消しづらく、実際石井を上げて吉村を下げるのは難しかったか。那須がようやく本調子に戻りつつある印象、そして42⑤着と3場所ぶり優出でほんのり復調の兆しを見せている佐伯智恵が、そろそろ上向くのを狙っても良さそうだ。

佐世保(1/28~30ミッド)

【展望再掲】1周400m/見なし直線40.2m
競走得点は石井貴子(106期千葉)・尾方真生・高橋梨香・岡本二菜・當銘沙恵美の順。直線短い400は一応安定の石井貴子、昨秋の京王閣(直線短い400)で謎の逃げで番手の渡部に差されるというご乱心も見せたが、落ち着いて捌けばまず勝ち負けで信頼できる。同じく早駆けで素直に押し切れる尾方も基本は信頼できる舞台。緩んだところでカマす脚もある高橋・岡本は逆に早仕掛け合戦では武器が一つ減るイメージだが、そのぶんマーク戦でハマるパターンもあるので、捉えどころがないタイプ、これは都合よく妙味で上げ下げしたいところ。前々から飛び付いての番手恵まれがありそうなのは當銘沙恵美で、これがそこまで人気ないならば2着に塗っての妙味を狙えていい。
【結果分析】開催レベル:B
尾方真生が11①で楽に完全優勝、対して石井貴子(106期千葉)は11④着と前場所に続いて決勝では期待を裏切る形に。その決勝は前受けの石井を尾方がひと捲り、番手の當銘沙恵美が2着で、「そこまで人気ないならば2着に塗っての妙味を狙えていい」としたのが見事にハマって二車単でも13.6倍と跳ねてくれた。その番手流れ込みも決して楽な内容ではなく、尾方の後ろで高橋梨香との内並走が続いて番手を取り切ったものの、ラストは尾方から千切れてしまい、単独で石井貴子との外並走が続きながれも競り勝っており、実はかなり厳しいなかでの価値ある2着。當銘沙恵美は62②着と初日は失敗したが2日目も2着しており、岡本二菜と少し叩き合った後で番手に収まり、さらに捲って来た石井貴子の番手に飛び付いてラストは直線迫るという好内容、マークでの立ち回りと追走に進境が見える。

岸和田(1/29~31デイ)

【展望再掲】1周400m/見なし直線56.7m
競走得点は坂口楓華・奥井迪・松本詩乃・村田奈穂・永塚祐子の順。坂口はひとまず安定上位だが、奥井はケレンなく行けばアタマ信頼とはいかない状態になってきた。それこそ松本が無風番手ならば差し切る可能性も十分だし、隊列縦長になる直線長いここならば村田の捲りもハマっていい。内枠引ければ黒河内由実も2・3着激走が狙える。
【結果分析】開催レベル:A
安定上位とした坂口楓華が11①着と危なげなく完全優勝、そして奥井迪は11⑥着と決勝ではまさにケレンなく行っての大敗。松本詩乃は初日奥井の3番手からアタマまで迫る末脚を見せ、2日目は下条美悠の番手から坂口の番手に飛び付き、坂口には突き放されたが余裕をもって2着確保。さらに決勝では終始坂口の番手から2着と、完全に一皮むけて来た。村田奈穂もまだまだ全盛期には遠いが、それでも決勝では奥井を早めに捲って競り落として、坂口の捲りに併せて最後まで粘って3着、安定感はないが強敵相手にこそ先捲りで一発があっていい状態にはなって来ている。

【開催レベルメモ】

レベルA(高):取手(1/28~30デイ)、岸和田(1/29~31デイ)
レベルC(低):なし
他はレベルB(普通)

②いま注目の「飯のタネ」(得点と実力が乖離している選手)

※あくまでも直近の動きだけを根拠とした一時的かつ独断的な「実質得点」が、「競走得点」と乖離している選手を列記・説明しています。①のレースに出走していた選手が対象で、その後の調子や地力の変化により常に変動する可能性があります。

△△飯田風音(120期・埼玉):54点台だが実質55点台後半、自在性も組み立ても上位で常に完全優勝狙えるレベル
△△熊谷芽緯(124期・岩手):50点台だが実質52点台、まだ復調途上だが着にこだわれば優勝争いできるポテンシャルを先物買い

△當銘沙恵美(118期・愛知):52点台だが実質53点台、マークでの立ち回りにさらに進境
△松本詩乃(122期・東京):52点台前半だが実質53点台、マーク・飛び付きと自在にワンランク上へ
△村田奈穂(116期・熊本):52点台前半だが実質53点台、縦長の隊列でこそ先捲りで一発ある
△永禮美瑠(118期・愛知):51点台前半だが実質52点台、相変わらず安定はしないがマーク・捲りで一発浮上あり
△藤原春陽(122期・徳島):50点台だが実質51点台、マークで末脚安定、予選で2着も望める
△佐伯智恵(114期・愛媛):48点台だが実質49点台後半、マークハマれば予選2着もあるデキには戻っている

▼石井貴子(106期・千葉):56点台だが実質55点台、ここ10場所は予選初日[6,2,1,1]・決勝[3,5,1,1]と人気を裏切る度合いが高まっている(2日目は[8,2,0,0]と安定)
▼小泉夢菜(122期・埼玉)
:53点台後半だが実質52点台前半、まだ不調で強敵相手に追走も怪しい
▼松井優佳(124期・大阪)
:52点台後半だが実質51点台、逃げても捲っても勝ち切れない

③今週の狙い目(2/2~2/8初日の開催が対象、出場選手は配信時点での想定)

松山(2/3~5ナイター)1周400m/見なし直線58.6m

競走得点は山原さくら・日野未来・山口真未・宇野紅音・梶田舞の順。予選9連勝かつ直近4場所で3回完全優勝の山原は信頼、日野も「2強」と目して差し支えなさそうなデキ。日野が3着だった岐阜の決勝(1着児玉碧衣・2着石井寛子という超ハイレベル)で、山口・宇野は6・7着に終わっており、直近でややデキが落ちているのは気になるところ。ただ宇野は病気欠場明けだったので、ここからは持ち直して今回上位争いの可能性は低くない。梶田もここ5場所予選で[0,6,3,1]と派手さはないが安定、ここでは2着候補になるのだが、この間2回謎のカマシ逃げ(2・3着)も見せており、マークと決め打てない部分も。高木佑真は前場所22④着と好調で人気を上げそうだが、ここでは宇野・梶田以外にも長澤彩・安東莉奈らマーク型がそれなりのデキで来るので、相対的に狙いはやや下がる。

西武園(2/4~6ナイター)1周400m/見なし直線47.6m

競走得点は荒牧聖未・飯田風音・鈴木奈央・當銘直美・小坂知子の順。例によって荒牧が安定、飯田・當銘もトップレベルに迫る状態なので、「3強」開催の見立て。ただ當銘直美は前場所不幸な巻き込まれ落車の負傷明けなので、状態面の見極めは必要か。鈴木奈央も好調なのだが、しかしここ5場所は決勝で[1,1,1,2]と平均着順「3.0」に対して予選も[2,3,4,1]と平均着順「2.5」とあまり変わらないので、予選で2番人気でも3着以下に狙い下げて、決勝でこそ3着に塗るのは定石だろう。予選で1着は無理でも2・3着激走があるのは熊谷芽緯で、引き続き狙い目。そして佐々木恵理も、過去5場所の予選10走で3着は1回のみだが4着が5回と、地味に地力強化しており、組み合わせ次第では穴目演出の可能性はある。

京王閣(2/6~8)1週400m/見なし直線51.5m

競走得点は石井寛子・鈴木美教・野口諭実可・吉岡詩織・松本詩乃の順。12月以降12戦11勝で児玉碧衣にしか負けていない石井寛子は、ここではしっかり信頼できそう。鈴木は昨年夏~初秋の大不調をすっかり脱してはいるが、それでも直近5場所の決勝では2・1・1・3・3着とまだ全盛期のデキにはない。野口は予選10連勝で止まったが、立て直した前場所では完全優勝しており、打倒石井候補の筆頭になりそうだが、この間の1着14回のうち7回はバックを取っているだけに、石井と捲りがバッティングする場合は自分のレースにはなりづらいか。そうなると、マーク・飛び付きで自在に立ち回る松本詩乃の一発に期待、決勝は石井-松本で妙味を追うイメ-ジ。

向日町(2/8~10デイ)1周400m/見なし直線47.3m

競走得点は吉川美穂・太田瑛美・細田愛未・高尾貴美歌・永禮美瑠の順。まだ本調子には遠いが吉川は一定のデキまでは戻ってきており、太田瑛美・細田・高尾・永禮もそれなりに好調の見立て。結局上位が得点順のまま期待できそうだが、そのなかで上げ下げするならば、吉川と同乗時にマークで浮上がある高尾・永禮を2着に塗っての妙味狙いだろう。吉川が自力型をスイープするような展開ならば、金田舞夏あたりまでマークで3着流れ込みがあっていい。

玉野(2/8~10ナイター)1周400m/見なし直線47.9m

競走得点は尾方真生・太田美穂・戸田瑞姫・當銘沙恵美・田中まいの順。尾方・太田美穂が得点通りに順調、戸田も欠場明けの前場所しっかり結果を出して好調が続いている見立て、そして當銘沙恵美・田中まいは絶好調。さらに得点6・7位の藤原春陽・蛯原杏奈も好調なので、ここまでが車券圏内を塗りつぶしてしまいそう。本来ならば東美月・吉村美有紀らがマークで浮上して良いコースだが、上位がこれだけ好調揃いではなかなか得点下位勢の下克上は難しそう。

ここから先は

0字

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?