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「自民党憲法改正草案(平成24年)を読む」 ④

自民党は、現憲法の三つの原則は変えないと発表しています。
それは本当でしょうか?

第三章「国民の権利及び義務」
自民党憲法改正草案を読むためには、
ここを読む必要があります。(左端)

現憲法の第十三条
すべて国民は、個人として尊重される

これに対し
自民党憲法改正草案(人としての尊重等)

第十三条
全て国民は、人として尊重される

個人→人 に変換されます。
この一字の変換は、「破壊的」である。
という事を認識しなければ、その他の改正部分の意味を知る事はできません。

個人とは唯一無二の個々の存在であり、
その身体、意思、価値観、個々の選択、個性と呼ばれるものであり、

人種、性別、生まれ、年齢、職業などあらゆる
カテゴリーに関係なく、その個人の存在、その価値観、その意思決定を尊重することが、
基本的人権の尊重と呼ばれるものです。

現憲法の示す基本的人権の尊重は、
この「個人」としての人権を示しています。

対して、自民党の示す基本的人権とは、
国民はすべて、
「人」として
尊重すると書かれています。

「人」とは、生物学的分類でしょうか?
確かに私は「人」であり、犬や、魚ではありません。
しかし、私も「人」ですが、この記事を読む貴方も、「人」という大きなカテゴリーで、
一括りにされてしまったらどうでしょう?

「人」はドッグフードを食べません。
しかし、私の好物の「しめ鯖」を貴方が好きかどうかは分かりません。

もし、「私」は「君が代」を好きではない。
として、
「私」以外の「人」は全員「君が代」が好きで毎朝、並んで歌うとしたら、果たして、
「私」の基本的人権は尊重されるでしょうか?

すべての国民は、それぞれの価値観や個性、意思を持っているのであり、「個人」として尊重されないのであれば、
「私」は「私」として尊重されているとは言えないのです。

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