【序章 救急搬送】
マグロの僕が158日間の入院生活を生き抜く術。
本音で伝えるリアル体験記。2023年後半は、漫画のような不幸を体験中。
入院中に思いもよらないことが起き被害者となる。
退院して2か月ちょっと経ち、やっとここでの環境にも慣れてきた。
ここでの環境・・・は、いずれ話したいと思う。
現在も相変わらずの独居での生活。だけど皆の助けがあっての生活。1人では生きていけない感謝を忘れずにと思う。が、僕も人間、イヤなことがあればムカつくし。自分らしく生きたいと思う。
2023年9月17日(日)の夜10時半風呂から出て洗面所でヘルパーに身体を拭いてもらってる時に、事件が起きた。
シャワーチェアに座っていて背中を拭くのに、背もたれから背中を離さなくてはいけない。その為、肩を押して前かがみの姿勢になる。その押す時の体勢が悪い状態で離された。
離したらダメだよ!
って言ってる途中で離され、そのまま椅子から落とされた。
普段から、こいつ大丈夫か?
と思う所のあるヘルパー(ここではヌケ作と言っておこう)にやられた。
僕が落ちるのに気づいたヌケ作は、僕をかばおうとして一緒に狭い洗面所に転がった。
たまに落とされることがあったが、酷くても捻挫で事なきを得た。
が、今回は違った。
膝がやばいぐらいの激痛で悶絶。
とりあえず、このバカ・・・
失礼、ヌケ作君を何とかせねばと思った。
このバカとの絡まりを取りたいのだが、右と言えば左、左と言えば右に動く、どうしょうもないぐらいのとんちんかんぶり。
結局は、2人で狭い隙間に埋もれて何もできない状態。
次第に脂汗とも冷汗ともとれる嫌な汗が噴き出てきた。マジでヤバイ!
どうしよう・・・
うちには、優秀なお風呂担当ヘルパー(ここではイケメン君とする)がいる。彼を呼ぼうと、とっさに思った。
しかし、お風呂の換気扇はうるさいし、スマホは仕事机のキーボードトレイの上で、洗面所から7メートルぐらい離れている。
スマホまで声が届くか?なんて考える余裕もなく行動に移した。
悲痛な声で「Hey Siri!イケメンヘルパーに電話!」と叫んだ。
なんで?イケメンヘルパーと思うかも知れないが、僕の電話帳に登録する時に、イケメン君自身が「イケメンヘルパー」と登録したからだ。
でもこれが良かった。
Siriが聞き間違いしないワードだったからである。
普段から緊急対応で来てもらう場合に電話するのだが、誤発信なくかけられたからだ。
話を戻すと・・・
1回目の電話は、繋がったが留守番電話になった。切れるまで待つことに。切れるまでの時間が長く感じる。
切れたところで再度、でかい声で「Hey Siri!イケメンヘルパーに電話!」。
直ぐに切れた。
どうやら同時にかけていて繋がらなかったようだ。
再度叫んだ!
やっとのことで繋がり「どうしましたか?」の声に安堵。
助けに来てもらうことになった。
彼が到着した時は、11時半をまわっていた。
そこから車椅子に乗せてもらうのもひと苦労。
膝がヤバイ音を発しながら激痛に耐えた。それから2人がかりで、なんとか着替えを済ませた。
その間にも膝から上が腫れてきた。
どうするか・・・?
救急車を呼ぶか?
でも一度も利用したことがないから勝手がわからない。
そうだ、往診先で緊急対応しているのを思い出した。電話をして更に待つこと30分以上やっと往診の先生とナースがやって来た。
時は12時半をまわっていた。
来た先生は、内科医。きっとアルバイト先生だ。ナースの指示通りに先生が動く。何とも頼りない。
ナースが手際よく救急車を手配する。
ナースに何処の病院にするかと聞かれ、○○区に来た時から黒い噂しか聞かない某病院は止めてくれと頼んだ。
それでは、系列病院の西武病院(仮名)で良いですか?
と聞かれ、確か往診で良く来てくれた師長代理ナースがその病院に異動したのを覚えており、その人に会えると思って良いですよと安易な気持ちから返事をしてしまった。そのナースは、親切で優しく元気な人で好感を持っていた。
これが地獄の始まりだとその時は気づかなかった。
往診のナースに深夜で近所迷惑になるので救急車のサイレンを消すように頼んでもらった。
しかし、本当の理由は、自分がこっ恥ずかしかったからだ。
その電話をしてもらっている最中に、サイレンが近づき赤色灯が回り、3階の自宅窓からでもわかった。
電話も虚しく、その登場は、ド派手のように感じた。。。
自宅に、かっこいいマッチョな救急隊員が2人入ってきた。
自宅にストレッチャーを持ってくるか相談されたが、マンションのエレベーター内にある壁の鍵がないと乗れないことを知っていたので車椅子で1階に降り、そこで乗り移ることにした。
エレベーターの話をするとエレベーター内の奥の壁に観音扉がありその扉を解錠するとストレッチャーが入るようになる。
鍵探しに深夜、住人訪問は面倒だし迷惑だと思ったのでやめた。
1階のエントランスでストレッチャーに乗り移る時も尋常じゃない痛みを伴った。
体幹がしっかりしている人と違って、僕は筋疾患の為、蒟蒻のようにぐにゃぐにゃしている。
肩も引っ張られると抜けそうなのだ。
この身体を抱えるのに救急隊員4人がかりで何とか乗り移らせる。慎重に連携を取り、一糸乱れぬ連帯感を感じた。救急隊員も大変な仕事だと感じた。
まるで他人事である。
人生初の救急車に乗ったのだが、往診ナースと打合せでなかなか出発しない。
救急車の天井を見ながら思う。どんな人達を今まで乗せたのだろうか?このストレッチャー上で息絶えた人がいたのかとか脳裏を駆け巡り恐怖心さえ覚えた。
そうこうしているうちに車内の掛け時計が深夜1時をまわっていた。
サイレンと共に、走り出す救急車に乗って移動しているが、何処を走ってるかわからない。天井しか見えない閉塞感に心が締め付けられた。
自宅から10分もしないうちに病院に到着した。
一度、下ろされたが救急外来が混雑しているのか、ちょっと待つようだ。とマッチョ隊員に言われた。
再度、救急車の車内に戻された。初乗車の時の違和感に再度襲われる。救急車内は良いもんじゃない。
つづく