占いに行った ④ ①

 先日オープンしたばかりのショッピングモールに占いの店を見つけ、ワンコインで診てもらえるメニューがあると知ってから、試しに行ってみようと思っていた。時間拘束が殆どない現状なので、行きたいと思えばすぐに行ける。有難いことに、そのビル自体も徒歩で行ける距離に出来てくれたので、運動不足対策の一環として出かけて行った。
 この年に入って4回目の占い。全て別のところだが、自分で考えても病気ではないかと思う。お金を払って占いに行くなど、その年に入るまでは、過去の経験では僅か2回だった。数十年のうちの2回が、1年も経たないうちに4回なんて、我ながら病んでいると考えざるを得ない状況だが、世情と人生の休眠期間が合致してしまった今、私の興味の対象は、これから自分がどうなるのか…という、先の心配以外ない。占いが全て解決してくれるわけではないことは、過去3回でしっかり自覚したうえで、お金を払って診てもらい、見ず知らずの他人からアドバイスをもらう…という行為は、安心にも脅威にもなると理解した。
 3回中の1回が、悪いことだけ当たった…という悲惨な現実を突きつけたが、当たったからといって、再び診てもらおうとは思わない。当たった今でも、あれは悪徳だったと思うからである。お金をとるために時間を引き延ばし、結果、悪いことだけを伝えて、回避するためのアドバイスは一切なかった。回避できないことだったとしても、更に突っ込んで聞きたければ、時間を延長し、更にお金を積まなければ何も教えてくれそうになかったため、私は引き上げることを選んだのだ。
 後の2回は、当たってはいないが当たっているのではないかと思えるところもある。いずれも良心的だったので、しっかり当たっていればまた診てもらっても良い気がしているが、確信が持てるまではもう少し時間が必要だと感じる項目もあるので、以後、行っていない。と書きながら、実は覗きに行ったことはある。覗きに行っただけで診てもらわなかったのは、その2回のいずれも、覗いた先に先客がいたからだ。結果、今は診てもらう時ではない…と判断して引き上げるに至った。
 今回の新店舗も、“空いていれば診てもらおう”くらいの気持ちで立ち寄った。オープンしたてで店内は何処も彼処も人でごった返しているし、平日にいつでも行けるのに、他の用事のついでに立ち寄ったその日は祝日だった。機会は別日かな…と思っていたら、一席空いていたので、ワンコインでどれくらいのことを見てもらえるのか尋ねたのだった。
 ワンコイン=手相であった。時間にして、7、8分。手相はずっと気になっているジャンルなので、それで一先ず試そうと思ったら、今後のことをもう少し知りたければ、現在キャンペーン中なので、四柱推命を含めて約15分、本来の金額より25%引きで診てくれると言われ、思わず唸った。この手のパターンは3回目なので、騙されている気分になったが、気になっているのは今後のことなので、財布の紐が緩む。

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