占いに行った ④ ②
過去の失敗から学んで、「悪いことがあったとしても、どうしたら良いのかアドバイスが欲しい」と事前に伝えておいたら、悪いことは殆ど言われなかった。しかも今回は良心的で、15分どころか、30分近く診てもらえたように思う。
ちょっと期待外れかな…と思ったのは、適職のひとつに、〝会計士〟という言葉が出たからだ。私は昔から数字とは仲が悪い。唯、「資格を使ってする仕事が合っている」「誰かのためになる仕事」というのは当たっていた。私の過去の職業は、90%が資格職である。経験したいずれも、適職として合っていたというのは、自分でも実感していたことだったので、やっぱりね…と思った。
一番心配している〝仕事〟については、今後、安定すると言われた。何の目処も立っていないにも関わらず、その一言にホッとする。唯、この年は新たな資格所得や勉強などに適した時期だったらしいのに、そういったことを私は一切やらなかった。再来年、その経験が開花するというのだが、今年といっても残り1ヶ月。取りたいと思う資格もしたい勉強も、今のところ思いつかない。働いてお金を手に入れることしか考えていないからだ。
就職より独立する方が良いというアドバイスには、ちょっと悩んでしまう。月々ちゃんと給料をもらえる生活が、私は恋しい。自分がしたいことは山のようにあっても、それを実現するには基礎がまだまだぬかるんでいる。定職に就いたうえで基盤を固めたいというのが本音だ。すべてはそこからだと思っているから、今は独立より就職が目標なのである。
海外へ行けば仕事でも成功するし、結婚も現実になる可能性があるという。犬と親を放棄する気が無いので、あまりにも非現実的だが、おひとりさまになりがちな星の下に生まれているらしく、そこは当たっている。また、結婚の可能性がある相手が外国人ということなので、日本人男性にウケないわけだと妙に合点がいった。
犬の話をしていて、占い師は、突然気付いたように冊子を捲り始めた。海外…ではなく、ペットではないか…と言い出す。見せてもらえば私に当て嵌まる漢字の欄に、まさにペット関係の文字が並んでいた。
やりたいことのひとつは、ペットに関わることでもある。過去にペットシッターの資格を所得し、一時期看板を上げてはいたが、留守中、自宅に入って世話をして欲しい…と考える人は、私が生計を立てられるほど多いわけではないという現実を悟った。また、家に最も一緒に過ごしたいかわいこちゃんがいるのに、他所の子の世話のために出掛けて行くということや、お金をいただいて世話をするということにも違和感があった。以後、私が資格を持っていることを知っている人はいるが、看板は下ろしている。
左手の開運線が、ここ数ヶ月、少しずつ伸びているのは気になっていた。最初に気付いた時、何の線だろうと思って調べたのだが、丁度色々としんどい時期だったので、それが開運線だと気付いた後は、予測検索で出て来た【開運線 しんどい】というキーワードのコラムばかり繰り返し読んでは、自分を落ち着かせていた。その時の倍くらいの長さになっている今、それはほぼ知能線まで届いてる。ここを越せば、目的が達成されると言うから、期待が膨らんだ。
その他、印象に残ったのは、誰にでもある12年周期でしんどくなる時期というのが5年後で、生命線上気を付けた方が良いのは60歳頃、ラッキーナンバーは2と9で9の方が強く、ラッキーカラーはグリーンやブルーとのことである。
また、打たれ強い性格で、ゾンビみたいな人だと言われたので大笑いした。長生きするらしい。仕事をしていない身としては、長生き=お金がかかるということなので、手放しで喜んで良いものなのかちょっと悩むが、ゾンビと言われて悪い気はしなかった。殺されても生き返るのである。
右手の知能線を横切って、生命線から伸びているのは、根深い障害線だと思っていたら、それも知能線なのだと言われた。私…多才らしい。好きなことが特技と言えるかは怪しく、そのどれも仕事になれば嬉しいのに、何一つそうなっていないことを思えば、才能の持ち腐れか、凡人の域を出ていないだけだと思うのだが、才能と呼ばれて嬉しくないわけはない。才能に昇華させられるだけの才能が無いだけで、【全て中途半端で終わる】…と、昔何かで読んでその通りだと思った記憶があるので、私はそのタイプかも知れない。
生命線と運命線が添っているので親の近くで生きる…とか、夢見る夢子だとか、他にも色々言われたが、手相と四柱推命では診断結果が逆を示しているとも取れる内容も多々あった。いずれにせよ、今回の占い師は良心的だったと思う。
適職については、占い師という職業も適職だという。何かで見た時、確かにそのような記載があったのを覚えている。手相はやはり興味深いので、これから始めるとしたら、それを勉強とするのも良いのかも知れない。そう言ったら、講座の勧誘をされ、わざわざ他府県から数時間かけてこの店舗に来ていると言った彼女は、名刺の裏に携帯番号を書いて渡してくれた。現在独立するために、経験を積んでいるのだという。占い師も頑張っているのだ。
目的は講座の受講ではないので今回はお断りしたが、勉強って、山のようにあるやりたいことについて、どうやったらそれを実現することが出来るのか方法を探ることも〝勉強〟に値するのではないか…と、今書きながらふと気付いた。
今回は全面的にピンと来たわけではないものの、当たっても当たらなくても結果として、希望を持って気分良く帰ることには繋がった。行って良かった占いだから、そんな場所が近くに出来たということが、今は純粋に嬉しい。