紙ストローを使ってみた
マイクロプラスティックの海洋汚染問題が深刻化して以降、あらゆるところでプラスティックゴミ軽減のための対策が行われている。私に何が出来るか…と考えたことはあまりなくて、かといってプラスティックゴミを増やそうとしているわけでもなく、それ以外の物事にずっと意識を取られているので、未だ時代に乗り遅れていると感じる。
出先で立ち寄るティールームで、この日は初めてアイスコーヒーを頼んだ。季節は春だったが、場所が地下なのと、暑い日でも冷房などで体が冷えて、冷たい物よりも温かいものを欲するので、今までずっと、ホットを頼んでいた。と書いておいて、よくよく考えたら、通い始めてまだ一年も経っていないばかりか、その前の夏は、コロナでティールーム自体がテイクアウト以外受け付けていなかったのではないかと思い当たる。夏にホットを飲むのは、冷房が寒い映画館くらいではなかったか?
何はともあれ、この日は冷房が必要になる季節にはまだ大分早いものの、急に上がった気温のせいで、ホットを飲むのは躊躇われた。迷いなくアイスを頼み、セルフコーナーでガムシロップやフレッシュを取って席に戻るときに、ストローも手にする。近年のマイクロプラスティック問題に配慮をしたのだろう。ストローは紙製であった。
そもそもストローなど無くても飲めるのだが、細かい氷がじゃんじゃか入ったカップに直接口を付けるのは躊躇われた。いつからか冷えは大敵になり、氷が苦手になった。冷たい方が美味しい飲み物がぬるければ、二つ三つ入れてほんのり冷やす程度にはするが、入れ物が汗をかくほどいれることはしない。冷たいものが欲しければ、冷蔵庫で冷やしておいて、氷なしで飲むというのが、私には適当であった。
店から出されたアイスコーヒーは、細かい氷がじゃんじゃか入っていて、直接口を付ければ唇から冷える。私にはストローが必要だった。
紙ストローというものを、初めて使った。
とても使いにくかった。
ストローがプラスティック製である意味は、充分あると思う。程よく撓ることで、飲みやすくなるのだ。紙製だとそうはいかない。ほぼ撓らないから飲むための角度に配慮が必要だし、素材のざらつきも気になる。
世の中には、様々な素材で出来た、“マイストロー”という選択肢も広がりつつある。しかし私は、どうせ使うなら程よく撓り、つるりと口当たりの良いプラスティック製のストローを使いたい。
唯、海洋汚染問題を無視してでも使い続けるかと問われれば、唸るしかない。
出来たら、ストローを使わないで済むような飲み物の提供法を配慮しても良いのではないか?と少し思う。
「氷、どうされますか?」と聞いて欲しい。
「氷いりません」と先に言えば、配慮してもらえるのだろうか?
今度、試してみようと思う。