占いに行った part3

 気鬱が酷く、発狂しそうで、これ以上前に進める気がしないので、またもや占いに行った。
 初めて行った場所と同じだが、曜日別に占い師が違うため、初回に診てくれた人はいなかった。
 前回同じ曜日に覗いた時は二人居て、信頼関係もないのに“選ぶ”ということが出来なかった私は、そそくさとその場を後にしたのであった。今回も、二人体制で人待ちをしていたり、他に来客があれば帰ろうと思ったのだが、覗いた時には一人だったので、1テーマで占ってもらうことにした。勿論仕事についてである。
 今回もタイマーをセットされる。6~7分という目安の〝7分〟でセットしてくれた時点で気持ちが上がった。
 決まった仕事にどうしても就きたくないと、心が悲鳴を上げていた。
「仕事をしない、という選択肢はないのですか?」と尋ねられ、身の上を話したが、実はこの質問、私の中では未だに尾を引いている。働くこと自体、良策ではないのだろうかと錯覚するのだ。
 決まった仕事は、職業ジャンルとしては向いているらしく、私自身、自覚しているところではあった。しかし過去のトラウマが根深いせいで、同じことで思い悩み、生活自体を犠牲にするパターンに陥るのが想像できたため、私の中での拒否反応が強い。
 宿曜占星術で、私がどんな人でどんな状況にいるのか診てもらう。思い悩んでも仕方ないことを考えたがる性質があり、今年は気力も体力も落ちている時期で、したくないことをしたところで続かない…そう言われた。また、無理して働いたところで経歴に傷がつくだけだとも…。来年は運気が上がるので、今回は非正規や繋ぎにしておいて、来年正規で働くことを本命にした方が良いらしい。
 転職活動を、もう終わりにしたいのだと話すと、タロットで更に診てくれた。
 カードの山を選ぶとき、一瞬迷った。選んだ後、変えようかと思ったが、黙ってそのままにした。
 今年一年、十二ヶ月分のカードを並べ、最後、真ん中に一枚のカードを置く。
 現状の4月は、物事がすべてひっくり返される暗示が出ているらしい。心当たりを感じるのは、多少気にはなって受けた三件の面接の、どれにも違和感しか感じなかったことだ。いずれかで仕事をするとも思えなかった。時間の無駄…ではなく、どれも違ったということを、労力を使って確認した…という気分だったので、受けなければもっと気持ち悪いだけだっただろうが、それでは私の道は何処にあるのだろうと、新たに悩む結果となった。
 5月に〝情報〟”のカードが出ており、望む仕事の情報が出て来る可能性があるので期待して良いと言われる。涙が出そうになった。したくない仕事は断ろう。はっきりそう思った。
 既にタイマーのブザーは鳴っていたが、占いは続いていた。初回のように、延長はしなかった。タイムオーバーも理由かと思うが、6月以降の解説はなく、中には不吉な絵柄が二枚ほどあって脅威したものの、最後にセンターに置かれたカードについてこう言われた。
「結果的に、この一年で“豊かになる”って出てますよ」
 思わず口に出た。
「え?仕事もないのに?」
 占い師は頷いた。
 初回の時もそうだったが、私はタロットカードとの相性が良いらしい。初回と今回ではカードの種類も見方も違うようではあったが、いずれもカードに救われた。
「良かったらまた、結果報告に来てください」
 少し前向きになれた私を見て、占い師は言った。
 当たるか当たらぬかはわからないが、見ず知らずの人に擁護され、背中を押された気になる。私が求めているのはこういう場所で、多くの人がそうなのではないかと思った。
 ポジティブが、良き人生を歩む後押しになるなら、それを助ける存在こそが、今はこのような場所である気がする。

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