身内の縁を切るということ ①
諸事情から、春の彼岸を過ぎ、月を跨いでの帰省となった時の話である。4月に出向くのは初めてではないかと思う。毎年満開の菜の花は既に無く、桜は見頃を僅かに越していた。
二泊三日の初日は、宿泊地までの距離半ばで、一つ目の目的を達成する。父方の先祖の墓参りだ。父の両親から上の先祖に顔見知りがいないのは、私が生まれるずっと以前に、皆鬼籍に入っているからだ。一番近いのは父の兄で、こちらは私が中学生の時に亡くなっている。
祖父母がいないせいで、父の実家に滞在することはほぼなく、父の兄