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プロ野球戦力分析(ヤクルト編)


 6月19日に開幕が迫った日本プロ野球。今日は昨年度セ・リーグ6位、東京ヤクルトスワローズ(ヤクルト)について分析する。

•投手陣の入れ替わり


 功労者、館山昌平が引退。楽天の二軍投手コーチに就任している。また、寺原隼人、村中恭兵、沼田拓巳の三投手は琉球に加入している。そして、D.ブキャナン、D.ハフも退団。その他二投手が引退している。
 今季からの新加入投手は、外国人はG.イノーア(米 /オリオールズ)、M.クック(米 /ダイヤモンドバックス)の二人。共に先発として期待されている。また、楽天から今野龍太、ソフトバンク育成から長谷川宙輝を支配下で獲得。
 ドラフトでは夏の甲子園準優勝右腕投手奥川恭伸(星稜高)を抽選の末1位で獲得。高津監督は7月以降の一軍起用を視野に入れている為、一年目から活躍出来るか。また、2位で吉田大喜(日本体育大)、3位で杉山晃基(創価大)、4位で大西広樹(大阪商業大)の各大卒右腕投手を獲得している。


•課題だらけの投手陣


 チーム防御率はダントツでリーグワーストの4.78。先発防御率5.05、救援防御率4.42もワーストで、何も良いところがない。

 先発陣を見てみると、右腕エース小川泰弘(30)は昨季26試合で159.2回を投げながらも5勝12敗、防御率4.57と不振。長年左腕エースとして活躍してきた石川雅規(40)は23試合8勝6敗、防御率3.84。124.1回を投げてはいるが、もう40歳になる為頼りきれない部分がある。ただ、開幕投手に指名されていることを考えると、先発陣の厳しさを物語っている。
 また、日本ハムから昨季加入した右腕高梨裕稔(29)は21試合5勝(7敗)、防御率6.23。右腕原樹里(27)は12試合3勝(7敗)、防御率4.86。左腕髙橋奎二(23)は20試合4勝(6敗)、防御率5.76。今季もこのあたりの投手が中心になるが、どうなるか。新加入のG.イノーア(27)、M.クック(30)の両右腕にも期待がかかる。

 救援陣では、クローザー右腕の石山泰稚(32)が34試合の登板にとどまった。代役として外国人右腕S.マクガフ(31)が65試合6勝(3敗)11S18H、防御率3.15と活躍した。また、セットアッパー右腕近藤一樹(37)は59試合3勝(3敗)19H、防御率3.57。セットアッパーとして飛躍した右腕梅野雄吾(21)は68試合2勝(3敗)4S26H。防御率は3.72の為、改善したい。百戦錬磨の中継ぎ右腕五十嵐亮太(41)もいる。その他の投手がどうなるかで変わってくるだろう。


•野手陣の入れ替わり


 大引啓次、畠山和洋、三輪正義が引退。W.バレンティンがソフトバンクに移籍し、中心選手が球団をさっている。その他、捕手の山川晃司が退団し、投手としてBCリーグ富山に入団している。

 新加入野手では、メジャー通算1437試合で1367安打、ゴールドクラブ賞経験のある名遊撃手、A.エスコバー(34)が加入。遊撃手の穴を埋める存在として期待される。
ドラフトでは、5位で長岡秀樹内野手(八千代松陰高)、6位で武岡龍世内野手(八戸学院光星高)を獲得している。


•破壊力はある「火ヤク庫」


 チーム打率はリーグワーストの.244ながら、リーグ2位の167本塁打、656得点と点は取れる。ただ、62盗塁はリーグ5位、96失策もリーグ5位。84犠打はリーグ4位タイと課題は多い。
 主砲W.バレンティンが今季ソフトバンクに移籍した中、山田哲人(28)は142試合35本塁打98打点、33盗塁。打率が.271だっただけに、今季はどうか。村上宗隆(20)は全試合出場で36本塁打96打点だが打率.231なだけに確実性が課題。ベテラン外野手青木宣親(38)は134試合16本塁打58打点、打率.297、同じくベテラン外野手の雄平(36)は131試合12本塁打56打点、打率.273。その他、パンチ力のある内野手廣岡大志(23)、ベテラン外野手坂口智隆(36)などがいるが、層は薄い。

 捕手では正捕手、中村悠平(30)に加え、楽天から嶋基宏(36)を獲得し、守備力向上を図っている状態だ。


•今季期待の若手選手


投手:市川悠太(19)
 明徳義塾高時代に甲子園出場経験のある右腕。昨季二軍で18試合で防御率2.79と中継ぎ適性を見せており、活躍が期待される。 
 ヤクルトの救援陣は層が薄い為に、期待したいところ。

野手:なし


•優勝への条件


 今期は再建期の為、優勝はほぼ絶望的とも言える。ただ、打線が活発な為、投打が噛み合えば怖い存在なのは確かである。投手陣で若手が活躍出来るかがポイントになるだろう。

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