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万葉集より

万葉集は現存最古の歌集で4500首もの歌が収録されています。歌人は天皇から農民まで、東北から九州までと、これほどまでに網羅的な歌集は成立から1200年が過ぎた今世でも類がありません。『万葉集』の「葉」とはどのような意味があるのでしょうか。万の言葉を収録したとする説、葉=世とし、万の世を収録したとする説など、どれも正解といっていいでしょう。すこし深堀して、「葉=裂片」という説をここで提言したいと思います。例えば脳の葉(前頭葉)や、胚葉などは、それを構成する小さなヒトヒラの集合体が無限の創造をうみだします。『列子・天瑞』には「其葉為胡蝶(葉、散也)」とあり、こちらは裂片が散る様子であると説いています。作者層も、詠まれた土地も津々浦々とまさに裂片の集合が、無限の創造を生んだと定義することができるかもしれません。

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