宅建士試験で40点取って合格するための最も簡単な方法はこのライトノベル小説を読むことです 権利関係編1-23

「ただ、相続の放棄をした場合でも、後は知ーらないって、放り出すことはできないのよ」
「んっ? どういうこと? 」
「他の相続人が、遺産を引き継ぐまでは、相続人が遺産を管理しなければならないのよ」
「ああ。注意義務のことね」
 
民法
(相続の放棄をした者による管理)
第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。
 
「『自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。』ってことだね。この注意義務ってしょっちゅう出てくるよな? 」
「そうね。ちなみに、『自己の財産に対するのと同一の注意』ってどういう意味か分かるかしら? 」
「ああ。分かるよ。要するに、自分の財産だと思って管理しなさいってことだろ。それと反対の注意義務が、『善管注意義務』。つまり、プロとして求められているレベルの注意義務を以て財産を管理するべしということだよな」
「正解よ。よく分かっているわね。で、『自己の財産に対するのと同一の注意』っていうのは他にも出てくるわね。ざっと思い出せるかしら? 」
「ええっと……」
 
民法
(無報酬の受寄者の注意義務)
第六百五十九条 無報酬の受寄者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、寄託物を保管する義務を負う。
 
(財産の管理における注意義務)
第八百二十七条 親権を行う者は、自己のためにするのと同一の注意をもって、その管理権を行わなければならない。
 
(相続人による管理)
第九百十八条 相続人は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産を管理しなければならない。ただし、相続の承認又は放棄をしたときは、この限りでない。
 
「無償寄託の場合は、無償――報酬をもらわないから、無償受寄者の注意義務を軽減しているんだよな。それから、親権者の注意義務は、管理するべきことが広範だから、注意義務が軽減されている。相続財産の管理に関しては、相続放棄と同じだね。『その固有財産におけるのと同一の注意』という変わった表現だけど、意味はほとんど同じだ」

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※権利関係編は完結しています。今年の合格を目指す方は、先に読み進めてくださいね。

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