宅建士試験で40点取って合格するための最も簡単な方法はこのライトノベル小説を読むことです 権利関係編1-30
「では、桜咲先生も建太郎さんも宅本健一・春子夫妻の事故死のことは何も知らないということですか? 」
「何度も言っているでしょ。たった今、ニュースで知ったばかりなのよ! 」
胡桃が憤然と二人の刑事――赤城龍太と天木虎夫に抗議した。
「誰かを雇って、宅本健一・春子夫妻を殺したんじゃないだろうな? 」
「とんでもない言いがかりだわ! 」
「俺たちのことを調べるよりも、従兄たちが、次から次へと不審な死に方をしたことについて調べるべきだろ。今、生き残っているのは誰か? 警察だって把握しているだろう? 」
建太郎も抗議の声をあげると、赤城刑事が答えた。
「宅本健一の子供たちが次から次へと不審な死に方をして、最終的に次男が生き残ったことは分かっている。だがそいつは、廃除されているから相続人にはなれない」
「子供がいれば、相続人になれるじゃないか」
「今のところ、そのような子供がいることは確認されていない。そもそも結婚していない」
「内縁関係にある妻や恋人がいることもありうるわ。それに認知した子供がいるかもしれない。その辺りのことは調べたの? 」
胡桃の指摘に二人の刑事は黙り込んだ。そこまで調べていないのだろう。
「ねえ、建太郎。宅本健一さんの次男って、何をしている人だっけ? 」
「今は弁護士をやっているはずだ。本名は宅本保志。普段は渡世名を名乗っているはずだよ。ヤクザと付き合いがあるらしいから」
「そう。弁護士よね。ということは、廃除されようとも、法の穴をついて合法的に宅本健一の遺産を受け継ぐ方法を考え付くはずだわ」
「例えば、どういう方法が考えられる? 」
赤城刑事が真剣な眼差しを胡桃に向けた。天木刑事も息を飲んで、胡桃の言葉を待った。
「簡単よ。まず、母子家庭の子供を引っ張ってきて、自分の子供として認知する。もちろん、子供は誰からも認知されていないことが条件よ」
「自分の子供でもない子を認知するのか? 」
「そのとおりよ。ヤクザと付き合いがあるんだから、恵まれない母子家庭の子供を引っ張るのは容易いでしょ。そうすれば、宅本健一さんの遺産をその子に相続させることができる」
「赤の他人に相続させてどうするんだ? 」
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※権利関係編は完結しています。今年の合格を目指す方は、先に読み進めてくださいね。