宅建士試験で40点取って合格するための最も簡単な方法はこのライトノベル小説を読むことです 権利関係編1-24
「正解よ。あと、受領遅滞とかもあるけど、細かい話だから今は知らなくていいわ」
「でもさあ、相続放棄するような事例だと他の相続人だって、相続放棄するよな。そうなると、相続人がいなくなるってことにならないか? 」
「大抵はそうなるでしょうね。その場合は、どういう状態になるか分かるかしら? 」
「国庫に帰属するんだろ。要するに国が勝手に持っていくわけだ」
「最終的にはそうなるけど、それに至るまでの流れがあるでしょ。条文を追って、細かく説明してみなさい」
「まずは……。相続人不存在という状態になって、『相続財産法人』が設立される。相続財産それ自体を清算しつつ、相続人が現れることを待つ法人ってことだよな」
「そうね。条文は? 」
「民法の第九百……」
民法
(相続財産法人の成立)
第九百五十一条 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。
(相続財産の清算人の選任)
第九百五十二条 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。
2 前項の規定により相続財産の清算人を選任したときは、家庭裁判所は、遅滞なく、その旨及び相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、六箇月を下ることができない。
「その条文ね。相続財産の清算人というのは大抵は弁護士が選ばれるわね。相続財産の清算人の弁護士は、相続財産の清算をやる傍ら、相続人を探すことになるわ。相続人がいるなら名乗り出てくださいという公告を行うわけね。そして、相続人が現れたら、その時点で、相続財産法人は解散して、相続人に財産を委ねることになる」
民法
(相続財産法人の不成立)
第九百五十五条 相続人のあることが明らかになったときは、相続財産法人は、成立しなかったものとみなす。ただし、相続財産の清算人がその権限内でした行為の効力を妨げない。
(相続財産の清算人の代理権の消滅)
第九百五十六条 相続財産の清算人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に消滅する。
2 前項の場合には、相続財産の清算人は、遅滞なく相続人に対して清算に係る計算をしなければならない。
「それから、相続債権者と受遺者に対しても公告することになるわ。相続債権者と受遺者の意味は分かるかしら? 」
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※権利関係編は完結しています。今年の合格を目指す方は、先に読み進めてくださいね。