うえとかわき

飢えることも、渇くことも日常では滅多なことじゃありえない。
私は、飢えても渇いてもいない。
なにも困らない、なにも困らないことがは別に悪いことではないだろうと思う。
実際幸せなことじゃないですか?

でもいつの間にか、その満たされた感覚の中で私は牙も爪も丸くなっている。
私のにとっての牙は、些細なことに疑問を感じてそれにかみつくときに使う。
私にとっての爪は、それを言葉や文章にして刻み付けるために使う。

私の創作意欲も、伝えたいと思う気持ちも、どうやら、飢えと渇きの中から出てきていたらしい。
これがないのは、むしろ怖い。
自分の在り方を乱してしまう。
きっと切る、また刻んでしまう。
結局これはやめられない。


私の在り方は、何かを伝えるために在っていたい。


声を上げろ、闘え。
鏡の中の自分に噛みつけ。

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