歯科矯正47週目‐2

柿を食べたいがために百均で包丁買って柿食べた。美味しかった。種なし柿最高。

夏ノ鎖の感想書いていくか……以下ざっくりネタバレあり。

美月ちゃんの印象
…正真正銘強い女。育ちの良い子というか、大人っぽい子というか、夢を実現できる子というのは確固たる自分だけの聖域を持っていて、そこが犯されない限り何があっても大丈夫だし、立ち直れるし、強く美しくあれるのだなあと思いました。これ大人でも持ってる人あんまりいないですよ、聖域。
美月の聖域は言うまでもなくバイオリンですが、多分「バイオリンを弾く」だけではだめなのでしょう。家族と暮らしながら研鑽し上達し、様々な評価を受けつつ職業にして生計を立てて生きていく……そんな「生活」そのもの、その未来こそが美月の聖域なので、晋二のように地下室の狭い世界こそが本物とか言って生きていくのは無理だったのでしょう。
劣悪な地下室に閉じ込められながらも肌艶・髪艶を失わない完璧美少女。いや、紫外線が絶対に当たらないからこそ肌艶・髪艶が保たれていたのか？
脇毛がちゃんと伸びてる描写には感動した。でも脇毛が伸びるなら腕毛や脛毛、眉毛も伸びる描写がないのは不自然……って言っても脇毛が伸びる描写は美月を辱めるためだから、それ以外の毛に言及するのは余計だものね。分かっていますとも。
生理を貞操帯？で塞き止められていたけど、経血って塞き止められ続けたらどうなっちゃうんだろう？後でchatGDPに聞いてみますね。

晋二の印象
…結構共感を覚えるところが多い少年。地下室だけが真の世界だとか言ったり、いじめられているわけでも虐待されているわけでもないのに、やたらクラスメイトや家族を見下している心理描写だったり、他責志向だったり、考えがころころ変わったり、すぐパニックになったり、（ルートによっては受験成功させているから）潜在能力はあるはずなのにあまり興味が持てない故に何事にも努力できなかったり。
つまり晋二はよくいるタイプの暗い子供なのだが、運悪く誘拐を成功させてしまったがために自殺したり、逮捕されたり、近い将来破滅しそうな状況に置かれたり（妊娠させちゃうルートと完璧なご主人様になるルート）するわけなんですね。
晋二の家ってお母さんが専業主婦だし、おじいちゃんの遺産あるし、結構太いよなって思う。トゥルーエンドではおじいちゃんの伝手で就職の世話までしてくれるし、晋二の心情はどうあれ、見る人から見たら羨ましがられる環境にいるんだろうな。恵まれた環境に気付かない晋二、愚か。
死にたがりの太宰治の家も金持ちだったし、生活が充足していると本来生物が感じる必要のない虚無とか生きる意味とか、余計なことを考えてしまうのだろう。青春を楽しんだり、趣味に勤しんだり、美月みたいに将来も目標を持てれば良かったんだろうけど、そうじゃないからああなってしまったと。

個人的に一番好きなのは逮捕エンドですね。
映画一本見た後の満足感がある。逮捕エンドのストーリー、一冊の小説にしてほしい。（自分でPDFで書き起こすか？）

一番地獄なのは美月ぶっ壊れ・妊娠エンドかな。
自信をつけて美月とともに外へ出て行った完璧なご主人様エンドとも逮捕エンドとも自殺エンドとも違って、逃げ場のない地下室に引きこもって、なぜか本人は全能感に支配されているけど、袋小路なのに。近い将来両親か警察に乗り込まれて美月のことは白日の下に晒され、事故で死んだと思われていた娘は心身ともに酷いことになっていて逮捕エンドの美月のように立ち直れそうもないし、晋二も妙な自信つけちゃってるから何があっても反省とか絶対にしなさそうだし。
自殺エンドと違って登場人物生きたまま全員不幸になりそう。やば。

夏ノ鎖、総合的な感想……楽しめた。買ってよかった。
実はエロゲというものを買ったのはこれが初めて。
次「Erewhon」ってやつやってみたいですね。