5年ぶりにフェスに帰った。フェスはおかえりって言ってた。

 こんばんは。あけましておめでとうございます。どうか本年も何卒。思えばnoteを始めて2年間が経ちそうです。飽き症の私がどうしてこうも続けられているのだろうと、私が1番不思議に思います。だけどね、たぶんだけど、読んでくれる人がいるからだと思う。私の言葉が誰かに届いているという実感が、私にnoteを開かせるんだなと。現実世界とはまた違った居場所なのかもしれないね。

 はのとです。初めまして。


 DOUNTDOWN JAPAN 2223。行ってきました。参加された皆さん、お疲れ。出演されたアーティストの皆さん、運営の皆さん、ありがとう。


 さて、私はとっても音楽が好きです。小学生の頃にももいろクローバーZを好きになって、中学生で邦ロックやネット音楽を好きになって、高校生で軽音楽部に入りキーボードを始めて、大学生で軽音楽部を続けてギターとボーカルも始めました。

 初めて好きになったバンドは、確かbacknumberだったかな。中1か中2の頃だから、2013年とかそこらへん。まだクリスマスソングはなかったんじゃないかな。分かんないや、覚えてない。

 それからKANA-BOONも好きだったな。こっちはたぶん、ないものねだりはもう出ていた。シルエットはどうだったかな。あとほら、flumpoolも。君に届けはとっくに出ていたような気がします。

 高校生になって、あるロックスターと出会います。ELLEGARDENのギタボ、細美武士さん。入口はMONOEYESでした。英語の授業で先生が流していたGet upがあまりにも好みドストライクでさ。家に帰ってすぐに調べて、アルバムを借りて聴いて、そのままエルレやthe HIATUSも好きになって。

 そこから細美さん周辺の音楽を好きになってさ。the pillowsとか、Nothing's Carved In Stoneとか、そこらへん。2000年代のロックバンドが、私が今もずっとずっと大好きな世代です。


 そして高校2年の冬。初めてフェスに行きました。COUNTDOWN JAPAN 1718。それも、年越しのある最終日、12月31日のチケットを取ることに成功し、地元の友人と3人でドキドキわくわくしながら当日を迎えました。本命はMONOEYES。他にも感エロやフォーリミ、ブルエンといった大好きなバンドたちがたくさん出ていて、ドロスで年を越したなって、今でも覚えています。

 その後も、翌年のVIVA LA ROCKに行ったり、いや、それが最後か? 受験生になり、ビバラが受験前最後のフェスだと心に決めたものの、大好きなエルレがまさかの復活を遂げほぼ脳死でチケットを申し込み、全部綺麗に外れたりなどして、結局ビバラを最後に、私のライブ生活は終わりました。

 それまではさ、たくさんのライブに行っていたの。大きいのも、小さいのも。色んなバンドを見て、好きなものが増えていくのって楽しいな、素敵だなって思いながら、趣味はライブに行くことです、みたいな生活をしていたの。


 でもね、大学生になって、あまりの多忙でライブに行く余裕がなくなりました。気持ち的にも、金銭的にも。

 ありがたくも、入部した軽音楽部は一生懸命部活をする人ばっかりの団体で、2か月に1回以上あるライブに向けていっぱい練習してライブを楽しむ、という活動内容だったので、音楽に飢えることはなかったです。それどころかインプットは増えたのかな。1回のライブで20バンド以上やるから。

 それで好きになったのがアジカン、ミッシェル、BUMPとか。まあ、結局世代は変わらないんだよね。今の30代くらいの人たちが青春時代を共にしたバンドたち。私はやっぱり、この辺がひどく好きらしい。

 ライブにはいけなくなったけど、好きな音楽は増えた。2年生とか、遅くても3年生ではきっと落ち着いているから、そうなったらライブにまた行こうって、そう思って大学生活最初の1年間を終えました。ところがさ。ね。


 2020年。私が大学2年生を迎える年。世間は音楽を、ライブを許しませんでした。各地で様々なライブが中止、延期になり、様々なライブハウスがクローズし、様々なアーティストが活動を終了させました。

 細美さんは、youtubeでエルレの配信ライブをしてくれました。完全無料なんだけど、投げ銭みたいなのがあって、それは音楽の復興に使われるものだった。やっぱり、世界が変わっても、私の好きな音楽は、細美武士は、変わらなかった。変わらず、温かく、優しく、そしてとっても強かった。私は、無意識に泣いていました。


 前置きがあまりにも長いよ。いい加減にして。


 そして先日。2022年12月29日、30日。私は、5年ぶりにフェスに、ライブに行きました。あの時のビバラ以来。行くつもりは自分の中ではなかったんだけど、恋人が誘ってくれて。ビーバー、アジカン、SHE'Sの前方エリアの抽選が当たった頃から、コロナの不安より楽しみの方が強くなっていって、ドキドキで当日を迎えました。

 会場までの道のり、会場の装飾、そしてステージの感じ。5年前のそれと一切何も変わらない。大きな音と激しい照明と響き渡る手拍子と、みんなの笑顔。変わったのは、サークルやモッシュがなくなったこと、観客の大きな声が聞こえないこと。

 だけどさ、そんなこと私には些細なことで。目の前でアーティストが演奏している、同じ空間に、同じ音楽を好きな人たちが、音楽に救われた人たちがたくさんいる。そんなことが本当に本当に嬉しくて、幸せで、なんかもう、まだ本命のバンドは見ていないのに、涙が何度も出そうになっては堪えていました。

 フェスに行くのは初めてだった1個下の恋人。フェスって楽しいね、と笑っているその表情を見て、なんだか誇らしい気持ちになって、「でしょ! フェスは最高なんだよ。」なんて笑い返した。

 1日目の大本命はSUPER BERVERだったんだけど、その前に見たbase ball bear。知っているし聴いたことはあるけど、メジャーな曲しか知らない。でも、気になるから、同じ会場で1個前でやってるSHE'S見るし、ついでに見たいと2人で一致したベボベ。ライブを見て、あ、好きかも、帰ったらいっぱい聴こう。そう思ったときにさ、思い出したんだよね。

 フェスってさ、好きなものが増える場所だった。そうだった。お目当てじゃないバンド、たまたま見たバンドを、すごく気に入って帰る。そして次にはそのバンドを目当てにフェスへ行く。そういうのだった。


 あ~~やっぱり素敵だ。フェスっていい。音楽っていい。ライブっていい。生音っていい。人がたくさんいて、みんなで同じ音楽に浸るっていい。すごく、心から、そう思いました。


 結局2日間でどれくらいのアーティストを見たんだろう。ほぼ何も知らないEveとか、5年前にも見たACIDMANとか、大学生になってから大好きになったアジカンとか、色々見たけど私の中の優勝はビーバー。渋谷龍太には泣かされた。大泣きした。嗚咽だった。前方エリア当選してさ、しかも2列目の真ん中でさ、ギターの指の動きとかも見える距離で、あの距離で熱い音楽を浴びて、私の涙腺は決壊。

 「あなたに」「あなたが」という主語や目的語を使って喋るMC。まるで私1人に届けられているみたい。心の奥の方にあった悲しい記憶、辛かった思い出、そういうの、忘れちゃうなんて、2022年に置いていっちゃうなんてもったいないって言うの。あなたしか知らない感情を大事に、って。そんなこと言わないでよ。泣いちゃうじゃん。

疑って 暴くよりも 嘘ついた人が気付いて
傷ついて 解る方が いいと思うんだ

信じ続けるしかないじゃないか
愛し続けるしかないじゃないか
身に覚えのある失敗を どうして指差せる?
受け止める以外はないじゃないか
愛し続けるしかないじゃないか
馬鹿だねって言われたって
カッコ悪い人にはなりたくないじゃないか
人として 人として
かっこよく生きていたいじゃないか

人として/SUPER BERVER

 そんなこと、まっすぐにこっちを見て歌わないでよ。後ろに歌詞を映さないでよ。汗を流しながら、声を振り絞りながら、一生懸命歌わないでよ。


 彼が、見たすべてのバンドが、会場全体が言っていた。私に向かって、確かに言っていました。


 おかえり。ここがあなたの居場所だ。

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