10-FEETのことをもっと知りたくて、京都大作戦に行った。

 こんばんは。日焼けをしました。日焼けしたな~と実感したのは本当に10年ぶりくらいな気がします。中学頃からお外に出なくなり、高校も大学も涼しい場所でのんびり過ごしていました。日焼け止めもちゃんと塗り始めたのは昨年から。ウケるね。日焼け止め塗るのが下手すぎて、塗れていない部分だけ焼けました。最悪。

 はのとです。初めまして。


 小学生の頃からスラムダンクが好きで、2022年12月3日には、苦手な早起きをして家族みんなで最初の回を見に行った。リョータが動き出したところで鳥肌が立って、山王が階段から降りてきたところで苦しくなって泣いた。ずっと泣いてた。それから30回くらい見ました。あほですね。

 ずっと存在は知っていたけれど、なんならフェスで見たことあったけど、そこまで詳しくなかった10-FEETを初めて意識したのがスラムダンクでした。スラムダンクが私に10-FEETを教えてくれたんです。

 昔からずっと追っているファンの方にとっては、ミーハーがコノヤローって感じだと思うんですけど、本当に大好きだったのはスラムダンクだったのに、10-FEETに出会わせてくれたそれに感謝すらしています。スラムダンクがなかったら、映画にならなかったら、主題歌に起用されなかったら、今もなお名前は知っているけど曲は知らないバンドの1つだっただろうな~。


 高校生の頃からELLEGARDENが大好きで、いや、本当はMONOEYESがいちばんなんだけど、あんまり通じないからエルレって言ってる、っていうのを高校生から続けています。

 MONOEYESが出るフェスを選んで行って、前の方に行って屈強なおじさんたちに頭を踏みつけられると分かっていながらも最前の柵を陣取って、頭を抱えながら最高の音楽を浴びていた。最高のMCを浴びていた。

 そんなフェスで、いちばん大きなステージのトリを務めていたのが10-FEETでした。


 時は流れ2022年。スラムダンクをきっかけに10-FEETにドハマりし、ずっとずっと聴いていた。Replay2023は10-FEETが占拠していたくらい。アオと蜃気楼とヒトリセカイがとってもお気に入りで、イヤホンから流れるその音楽に涙することもありました。

 2022年に出会い、2023年に知り、そしてその年の末。私は彼らを見る機会を得ました。それが、COUNTDOWN JAPAN 2324。

 出演アーティストの毛色がちょっとずつ変わってきていて、私の好きなかっこいいおじさん枠がどんどん減ってしまっているなあと寂しく思っていたところに発表された10-FEETの出演。チケットを入手していたその日の出演にとっても歓喜したのを覚えています。

 CDJでは前方エリアっていうシステムがあって、抽選に当たると前の方の指定エリアで見ることができるんです。前、真ん中。人混みもなく快適。私は結構好きです。まあ、当選したらの場合ですけど。


 で、10-FEETが当選したんです。しかも2列目真ん中。まじ???? 新参者が、古参の兄さん姉さんたちに交じって目の前で10-FEETを見ることができる。浴びることができる。そんなこと、あっていいものか。

 2223のときに三半規管をやられたので予防のために買ったライブ用耳栓を付けていざ参戦。でも、今日はこれを聴きにきたんだ! の曲のときは思わず外しました。第ゼロ感。うぉーおおうぉーおー! これがやりたかったんだ、私は。

 でさ、そしたらさ、スラムダンクのことも相まって号泣ですわ。号泣。第ゼロ感で号泣。あほですね。しかもそのあとのLOVE ROCKETSでもっと大号泣。わんわんと泣き喚いていました。


 その年の大晦日。CDJから3日後の夜。彼らはNHKホールでその熱を魅せてくれました。the Birthdayのオマージュも入れて。私はそれに大号泣。嗚咽。チバを想って大号泣。ミッシェルも大好きだったんだ。で、その隣で母は公開が終了したスラムダンクの映像を見て号泣。嗚咽。母は50回くらい見て全部号泣してたんだ。もはや怖いね。

 そんな感じで、私の2023年を埋め尽くしたのは完全に10-FEETでした。最高の音楽に触れられました。やっぱり、私はこの世代の音楽が大好きだって改めて気が付きました。

 で、その熱量が冷めないうちに、気づいたら京都大作戦に申し込んでいた。そのまま浮ついた気持ちで新幹線とホテルを申し込み、予約が取れてから値段の高さに引きました。ウケる。新幹線旅行に慣れていなすぎる。


 とにかく10-FEETが見たかった。もっともっと10-FEETのライブが見たかった。そして、もっともっと10-FEETを知りたくなった。大好きなドラクエIIIのエンディング「そして伝説へ…」が流れたと同時に前方エリアの人たちがタオルを高く掲げる。そういうバンドならではの慣習みたいなのを知って、もっともっと馴染みたいと思った。

 この曲ではここで飛ぶんだ、このコーラスを叫ぶんだ。そういうのも、全部知りたいと思った。フェスだから限られた時間の中でやるけど、ワンマンだったらどうなんだろうって思ったりもした。

 もっともっと、10-FEETのことが知りたかった。知りたくて知りたくて、京都大作戦に行くことに決めました。今度は1人で。CDJはまだ大学生だった恋人と行ったけど、新社会人に休みを取らせて京都に連れていくことはちょっとできなかった。


 そして来る前日金曜日。2時間だけ出勤して爆速で帰りました。帰り際に問題のにおいがしたけど、無視して帰りました。なぜなら私は休みをとっているから。もう勤務時間外だから。京都が私を待っているから。

 初めての一人旅ということもあり、相当テンションが上がっていたと思います。荷物の準備は結局当日の出発前までかかり、弟に駅まで送ってもらう。弟は大学生だから暇なんだ。羨ましい。

 電車に乗り、新幹線に乗る駅を目指す。お昼を食べていなかったので何を食べようか調べていたら、ちょうどインスタで美味しそうなつけ麺を見つけたので並んで食べました。美味しかった。

 余裕を持ってホームに向かい、初めて一人で新幹線に乗る。ウキウキする。ワクワクする。たった一人で遠くの地に向かう高揚感がすごい。ドキドキが止まらなくて、でも普通に途中で飽きました。遠いね。


 そして京都に到着。途中で隣に乗ってきたおじさんも一緒に京都で下車する。このおじさんも大作戦かな。違うな。スーツだもんな。自己啓発本みたいなの読んでたもんな。仕事だな。なんてどうでもいいことを考えながら、まずは駅でしこたまお土産を買いました。京都だもん。買うっしょ。

 夕飯用に駅弁も買ってホテルへ。駅から歩いて10分程度。そんなに遠くないけど、重たいキャリーと灼熱太陽の下では結構限界でした。ひーひー言いながらチェックインを済ませ、部屋で荷物を広げてから大浴場へ。部屋に戻りご飯を食べ、明日の朝食を買いにコンビニへ行き、明日の準備をすべて済ませ、眠りにつきました。


 翌朝7時。起床。遠足前の小学生過ぎて全然眠れなかったけど、シャトルバスで眠ればいいやと思い秒速で化粧を済ませていざ出発! ところがなんと、シャトルバスに乗るための行列が想像の700倍で、早々に心を折られそうになりました。なんとか耐えて1時間半近く並んだ。ウケる。

 開場にはもちろん間に合わず、11:00前に到着。まずはグッズの列に一通り並ぼうと思ったけど、10-FEETが行列過ぎて諦めたので本日第二のお目当てであるサンボと最近のお気に入りサバシスターの列に並び、可愛いラババンをゲットしました。いくらあってもいいですからね。

 灼熱に耐えきれないままなんとかグッズをゲットし、時間も時間なのでとりあえず昼食を済ますためにフードエリアへ。道すがらアイスモナカを無心で食べ、お昼はフェスでよく見るビフテキ丼を食べました。美味かった。


 いくらなんでも時間があったので、あまり知らなかったけどSaucy Dogを見にいきました。爽やかだね。ドラムの子が可愛いね。そんなことを思いながらも、途中でサークルが発生したのにびっくりして出てきちゃった。サウシーもサークルとかあるんだ。

 本当はdust box見たかったんだけど、サウシー見たら疲れちゃったので休憩がてら先程諦めた10-FEETのグッズ列リベンジへ。一生進まない列に並びながら、水を飲む。わざわざこの日のために買ったfranc francのペットボトルホルダー。朝7時に積んできたペットボトルが昼過ぎてるのにまだキンキンに冷えていて感動しました。

 ここで私の体内の塩分がすべて切れ、めちゃくちゃ体調悪くなりました。気持ち悪い。でも熱中症には慣れているので、なんとか1時間後にグッズをゲットするまでは耐え、死に物狂いでバスケの試合をやっている体育館に向かいました。道中ポカリを買いました。

 買ったポカリは一瞬でなくなり、自分でも引いた。普段水をほとんど飲まない私が、昼過ぎの時点でペットボトル2本を空けている。すごい。試合を見ながら少し休憩して、サバシスターに間に合うように体育館を出ました。

 思っていたより小さいステージで、大きなおじさんたちが人の上をゴロゴロと転がっている様子を目の当たりにし、若干恐怖で足がすくむ。だけどサバシスターは前で見たい! ので前のバンドが終わった瞬間にぐいぐいと頑張って前に進みました。柵取れた。

 サバシスターにダイバーはいないだろうははーん、と高を括っていたのですが、始まる前に屈強な兄さん方が目の前にたくさん現れました。え、セキュリティーつくの? まじ? 上手ギターの目の前で足元のエフェクターまでよく見えてテンション爆上がりだったんだけど、びびり始めた。


 そして案の定、人が流れる流れる。ステージに立っているのは小さな可愛い少女たち。なんだこのギャップ。最高にロックじゃん。最高にかっこいいじゃん。少女たちの笑顔最強じゃん。心底楽しそうに演奏している姿を見て、私も最強の笑顔になる。最高の空間。語彙があほ。

 結成3年目のサバシスターが、京都大作戦に呼んでもらえた。そのことに対する感謝と高ぶる感情をMCで語ってくれたなち。私よりもたぶん年下なのに、目はすごく真っすぐで表情も明るくて、でもきっとその裏ですごくすごくたくさんの努力をして掴んだこのステージなんだろうな、というのが伝わりました。

 夢あるな~。だって、10-FEETから見たら娘くらいの年の子たちですよ。彼女たちから見たらお父さんみたいな年のおじさんたちですよ。そんな人たちが同じ空間で最強のライブをしている。そんなの、素敵に決まってるじゃんね。

 サバシスターから10-FEETへの愛がとってもとっても深く伝わってくる、リスペクト満載のステージでした。ちなみに私は途中で後退しました。体力がもうないね。


 続いてまた休憩してからKen Yokoyamaへ。そんなに曲知らないけど、かっこいいおじさんだから見にきた。真ん中の方でじっくり聴いて、でも途中で3本目のポカリが切れたのでエリア内にあるお店でポカリ補給。

 いちばんよかったのは、「俺がこのフェスを好きな理由は、みんな10-FEETが大好きだろ? で、10-FEETは俺のことが大好きなんだよ。」と笑ったところでした。いわゆるフェス曲じゃない曲をたくさんやる。新しいことを始める。ロックおじさんがやらないと。


 続いて、本日第二のお目当て、サンボマスター。Ken Yokoyama見た感じ、中央の凹の真ん中の部分の柵ならダイバー来てなかったから行ってみようかな、と少し前に攻める。運よくそこをゲットできて、待機。熱いバンドが好きです。サンボを見るのは初めてだったので、とっても楽しみにしていました。

 開始早々、なんの曲だったか忘れたけどすぐ泣いた。やっぱり熱いMC、叫びには泣くしかないです。めっちゃくちゃ覚えているのは「きみはいたほうがいいよ」の連呼で苦しくなったこと。ちょうど仕事で嫌なことが続いていてメンタル的にも厳しかった。そこにこの声は、沁みた。

 王道の「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」とか「できっこないをやらなくちゃ」とか、ほんと、そういうのでいいのよ。そういうのでいい。「いつかこの日のことを思い出して笑っちまう呪いをかけてやるよ」だってさ。泣いちゃうよ。でもそしたら「泣いてんじゃねーよ! 笑えよ! 笑え!!」って言うんだもん。ぐっちゃぐちゃのまま、私はなんとか笑って両手を挙げた。

 そういう時間だった。私の傷ついた心を全部癒して、上げられなかった顔を上げてくれた。そういう時間だった。そういう人たちだった。そういう音楽だった。


 そしていよいよ大トリ10-FEET。ずっと晴れていた空がちょっとだけ曇り出して、手を挙げると上の方の空気は少しだけ涼しい。なんとなく終わりを感じて寂しくなる。だけどどんどんメインステージに人が集まってきて、会場のボルテージは上がっていく。降りそうな雨を吹っ飛ばすくらいの熱気が、確かにそこにはありました。

 いよいよ始まる。年末に聴いた「そして伝説へ…」が響き渡る。そのときは持っていなかったタオル、今日はある。私は周りの兄さん姉さんたちと一緒に、タオルを高く掲げる。前の方にいる私にとっても、それは圧巻の光景でした。

 全員が同じ方向を向いている。全員の気持ちが一つになっている。誰一人他のことを考えている人なんていなくて、みんながみんな、このあと出てくる10-FEETを心待ちにしている。そんな空間がとっても不思議で、尊くて、すでに涙が溢れそうでした。

 ここからはもう、爆走だった。「お前ら全員着いてこいよ。絶対置いてくから。」いたずらっ子のように無邪気に笑ったと思ったら、今度はギターをおもちゃみたいに使って私たち客で楽しそうに遊んでいるように見えた。ダイバーが来ないと思って最前で見てた私の上を人間が流れていくのを見て、楽しそうに笑ってた。


   会場の熱気は、1日中ずっと最高潮だった。だけど、このときばかりは今までよりもっともっと、みんなの気持ちが1つになっていた。そんなふうに思います。気づくと本編が終わっていて、私は呆気にとられていました。

   1つ後悔があるとすれば、ダイバーに潰されて体調悪くなってしまったことですね。最後の方には後ろまで下がって見てました。そっちのほうがいいや。本人たちの姿は全く見えないけど、周りの人たちと一緒にぴょんぴょん飛び跳ねているのが楽しかった。そういうのがライブだよね。


   何はともあれ、最高の1日でした。10-FEETをもっともっと知ることができました。10-FEETがめちゃくちゃ色んな人に愛されていて、多くの人間がそんな10-FEETに惹かれて、あの場では10-FEETが世界のすべてでした。みんな10-FEETに救われた過去があるんだろうな。そんなことを感じました。

   行ってよかった。ほぼノリと勢いで申し込んでしまったフェスだけど、本当に行ってよかった。最近好きだったフェスのタイテが好みから外れてきてしまって、どこへ行けばいいのかな〜と迷っていた私に、正解の、好み100点満点のフェスを見せてくれた。

   それに、大好きな空間がそこにありました。みんながとにかく音楽が大好きで、音楽を愛していて、フェスが大好きで、お祭りが大好きで、みんなが同じ方向を向いているあの空間。幸せです。幸せでした。


   10-FEETを知りたいと思って京都大作戦に行きました。10-FEETをたくさん知ることができたし、その周りの人たちのことも知ることができたし、大好きな空間を幸せに楽しむことができました。おまけに京都旅行もついてきたし。ふふふ。

   大好きだったな〜。でももう二度と行かないという気持ちにもなっている。私にはあの環境は無理だ。酷暑。体力がないし運動もできないしてないし水分補給も苦手だし、私に夏フェスは無理だとずっと思っていたけど、実感してしまった。冬にならないかな、京都大作戦。

   今年も色んなフェスに行って、色んなバンドに触れて、大好きを更新していきたいな。音楽っていいね。


   久しぶりにバンドやりたくなった。そう思ってベースを弾いて左手の人差し指に水脹れができました。熱いね。

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