ソレア&ジャクソン帰還!ブレーブスTDLまとめ!
どうも、ハーノです。今年もついにやってきました、TDLことトレードデッドライン。今年は日本時間7月31日午前7時に設定されており、各球団が各々の目的に向けてトレードを行います。
今回はブレーブスのTDLでの補強について、まとめていきたいと思います。
それでは、行きましょう!!!
※各種数字は日本時間7月30日試合終了時点のものです。
①現在のブレーブス
まずは現在のブレーブスについて簡単に見ていきたいと思います。ストライダーとアクーニャの今季終了という大変憂き目に遭い、そこに複数の主力の長期離脱や不振が重なり、ブレーブスは苦境に立たされています。
何とか貯金11で前半戦を終えたものの、後半戦は2戦目から2017年以来の6連敗を喫するなど大苦戦。TDLまでの後半戦10試合を3勝7敗で迎え、WC1位陥落も味わい、現在プレーオフ陥落ラインとなるWC4位も1ゲーム差に迫る状況。WC6位までのゲーム差も僅か2.5となっており、プレーオフに進めるかすら分からない、非常に苦しい状況となっています。
今季のブレーブスは貧打に悩んでおり、チーム出塁率はMLB25位の.302、チームOPSはMLB16位の.707、チーム得点数はMLB21位となっており、それを何とかMLB2位のチーム防御率3.51を誇る投手陣でカバーするという状況が続いています。後半戦は去年も起きた投手陣の一時的な倦怠期にも被っているようで、それも後半戦苦戦の要因でしょう。
フリードがオールスター明け早々に離脱したのもチームとしては痛手でした。フリードは次カードであるマーリンズ戦にも復帰できるということですが、不安は募ります。ハリスは60日の故障者リストに移行し、出場資格が与えられる8月15日の試合からの確実な復帰を目指しているようです。両者とも、復帰には自信を見せています。この2人の復帰は間違いなくチームに大きなプラスをもたらしてくれるはずです。
しかし、それでもまだまだ戦力は足りません。特に外野陣は悲惨な状態です。それをどう立て直すか、という面も注目のTDLとなりました。
②「英雄の帰還」ソレアとジャクソン
さて、例年以上にハイスピードでトレード市場が動く中、ブレーブスは出遅れ、TDLまで24時間を切っても一件もトレードしていないという状況に置かれていました。
しかし、そんなブレーブスがついに動きました。
ブレーブスはジャイアンツからホルヘ・ソレアとルーク・ジャクソンの2人の選手を獲得、対価としてタイラー・マツェックと球団内プロスぺクト17位のセイビン・セバージョスを放出しました。また、40人枠を空けるためにダリウス・バインズをDFAしました。
ブレーブスはソレアの3年42Mのうち、来季以降の2年26Mも全て負担し、その代わりマイナーの放出を最小限に抑えた形となりました。また、DHにはオズナがいるため、毎年一定の試合数は外野もこなしているソレアがコーナーを守ることになりそうです。
2021年のWS MVPのソレアと、『ナイトシフト』の一角を務めたジャクソンという世界一の立役者を連れ戻すことになりました。一方、ジャクソンとともにナイトシフトで活躍したマツェックが放出という寂しい別れもありました。
そして、これが今季のTDLでブレーブスが行った唯一の補強となっています。
2人のブレーブス復帰を祝うブレーブス公式、見出し画像はこちらから↓
それでは、それぞれの獲得選手に対する詳しい話と、ブレーブスの意図について考えていきたいと思います。
②-❶ホルヘ・ソレア獲得
まずはこの人でしょう。2019年の本塁打王で、2021年の伝説のTDLでブレーブスにやってくると、復活を遂げて地区優勝に貢献、WSではMVPに輝き、ブレーブスの世界一に大きく貢献しました。
昨年はマーリンズで36本塁打を放ち、マーリンズのプレーオフ進出に大きく貢献、オフにジャイアンツと3年42Mで契約しました。プロスペクトの放出を最小限に抑えるためとはいえ、残り2年26Mの契約も全額負担するという内容には賛否両論が巻き起こっていますが、まずはブレーブスの意図を考えていきたいと思います。
まず、先ほども書いたように、今季のブレーブスは貧打に苦しんでおり、特に外野陣は悲惨で、両翼を守るデュバル、ロサリオは打率1割台、OPS5割台と低迷(ただしデュバルは対左OPSは9割近い)しています。
ソレアは主にはDHではありますが、外野は2021年に96試合、22年は57試合、23年は32試合とある程度は守っており、オズナではなくソレアが両翼のどちらかを守ることになります。
【ブレーブス側のメリット】
今季のソレアは今季の12本塁打、OPS.749と、この数字だけを見ると寂しい内容ですが、6月は95打数で打率.284、3HR、OPS.845、7月は80打数、打率.275、3HR、OPS.877、特にオールスター明けは39打数で打率.359、2HR、OPS.1.090とどんどん調子を上げており、ブレーブスにとっては間違いなく打線の起爆剤になり得る存在です。
また、SFの本拠地であるオラクルパークは圧倒的に投手有利の環境であり、現在の数字でもwRC+は110をマークしていいます。ニュートラルパークであるトゥルイスト・パークを本拠地とするブレーブスであれば、その点でも成績の上昇が期待できるかもしれません。
そして、MLB25位とチームの課題である出塁率でソレアは.330をマークしており、これはブレーブス内ではオズナに次ぐ数値となっています。また、通算出塁率も.330であり、アクーニャ離脱以降苦労している1番打者の最適解にもなりそうです。特に6月は.361、7月は.389という数字をマークしています。
また、対左に強いため疲労の色が濃いケルニックを休ませることもできるようになりますし、対右投手相手にも現存戦力に比べればはるかにマシな数字であり、この2カ月はしっかりと打てているため、外野の編成上も非常に都合の良い存在です。
また、ブレーブスは毎年プレーオフで苦戦していますが、ソレアはプレーオフ通算73打数で6本塁打、OPS1.021という数字をマークしており、これもブレーブスにとっては道を切り拓く希望になりそうです。
とにもかくにも、元の外野陣の火力が低すぎるので、少なくとも攻撃力に関しては大幅なアップが期待できます。
【ブレーブスのデメリットとその他の事情】
ブレーブスのデメリットはやはり残り2年半の契約、特に来季以降残りの2年26Mの負担でしょう。高すぎるわけではありませんが、年13Mは決して安くはない数字です。その分、放出するのは今季11試合で防御率9.90のマツェックと傘下17位の選手で抑えることができている面はありますが、それでも全肯定するのは難しいものがあるでしょう。
ただし、ソレアは隔年傾向が強く、周期的には来季は好調期になります。また、ブレーブスの外野陣は来季もアクーニャがどれだけ稼働できるか、ハリスが1年間稼働できるか、相変わらずの『外野3枠目』の問題があり、それらを加味すると、来季以降も保有できる点はポジティブな見方もできます。また、ケルニックとのプラトーン起用という選択肢も生まれます。
しかし、結局のところ、そういった起用になる場合はお高めというのは否定できない感は否めないでしょう。
ハイリスクハイリターンという面は感じます。
【オズナの去就への影響】
来季15Mの球団OPを残すオズナの処遇への影響ですが、おそらく変わらないと思われます。上記の理由や今季の打撃不振など、来季に向けた打線の不安は少なくなく、アクーニャをはじめとして外野陣の稼働率と火力は未知数、オズナも年齢的にフル起用は難しく、あと1年ならば素直に球団OP行使が堅いと思われます。仮にどちらかを選ぶ形になったとしても、ブレーブスはソレアをトレードして(一部の金銭負担は覚悟になる可能性もありますが)オズナを選ぶと考える方が自然でしょう。
現時点ではブレーブスはオズナの球団OPを行使するつもりのようで、ソレアは来季以降も外野手の1人として起用される可能性が高いようです。
【ソレア獲得への総評】
一部では「過去の幻影を追っている」という評もありますが、今のソレアはブレーブスに欲しい要素を数多く有している選手だと言えます。アンソポロスGMも出塁率とパワーの両方を持ち合わせる選手を欲していたようで、その両面をカバーできる候補であることは間違いありません。
外野手市場に出遅れたことや、インパクトを残せる可能性が高い選手がそもそも市場に出回らなかったこと、現状の外野陣の火力の低さ、かなり売り手有利なトレード市場の状況に対してブレーブスとしてはできるだけマイナーを温存しておきたいという事情等々を考えると、このようにある程度金銭的なリスクを踏むムーブになることは「仕方ない面はある」という印象です。
成果が出ればかなり大きい賭けになるだけに、ソレアの活躍には期待したいです。
↑21年WS第6戦で世界一を手繰り寄せた場外3ランは伝説!
②-❷ルーク・ジャクソン獲得
続いてはこの人、2021年の世界一の立役者、ルーク・ジャクソンです。
2021年にはレギュラーシーズンでは71試合に投げて防御率1.98をマーク、プレーオフでは『ナイトシフト』をミンター、マツェック、スミスとともに形成しました。
しかし翌年はTJ手術で1年間離脱、23年からSFと2年契約を結びました。来季には7Mの球団OPがあり、バイアウトは2Mです。
昨年は33試合に投げて防御率2.97をマークしていましたが、今季は36試合で防御率5.40と苦戦しています。
しかし、今季も完全にさっぱりと言う訳ではありません。5月は14試合登板、14.1イニングを投げて防御率3.14、18奪三振、whip1.12をマーク、7月には8試合登板、9.0イニング、防御率3.00、13奪三振、whip0.78をマークしています。
調子に波があるものの、はまればしっかりと活躍が見込めます。こちらは色々な意味でおまけという感じで、ローリスクローリターンに賭けるという形になると思われます。
ただ、現状のリリーフ陣は既に補強不要なほど強固なため、良いポジションを彼が掴むにはかなりのハードルがあるのは確かでしょう。
勿論、完全復活してくれれば非常に大きい戦力になりますし、期待はしたいですね。
③寂しい別れ、さらばマツェック
再会があれば別れもあります。ブレーブスがこのトレードで放出したマツェックは、2021年の世界一に大きく貢献したリリーフ左腕です。
特にWS進出に王手をかけたNICS第6戦では、2点リードながらノーアウト2、3塁という7回表の大ピンチの場面でマウンドに上がると、三者連続三振に抑え、チームのWS進出を一気に手繰り寄せました。
2023年はTJ手術で全休、今季は11試合に投げるも防御率9.90と苦戦を強いられていました。
2020年からの4年半、共に戦った選手でもあるだけにとても寂しいものがありますが、彼の今後の成功を祈りたいです。
これまでの雄姿はブレーブスの歴史のなかに永遠に刻まれることでしょう。
ブレーブス公式も別れを惜しむ↓
④トレードの総合評価
最後に、このTDL,つまりこのトレードに対する個人的な評価を書いていきたいと思います。
まず、ソレアについてですが、②-❶で挙げたように今のチームのあらゆる補強ポイントに対する最適解になり得る選手であることは事実で、打線の現状打破に向けて期待できるのは確かだと思います。また、成功した時のリターンは他の補強候補と比較しても大きいです。
また、リリーフ陣は既に強力とはいえ、リリーフ市場が極度の高騰をするなかで、未知数な面は大きいものの、復活すれば一定のリターンが見込める、そしてその兆しを見せているジャクソンを獲得したという点は悪くないと思います。
ただ、ソレアの来季以降の2年26Mの年棒負担の問題はかなり厄介なものになるため、そのあたりをどう処理していくかという今後の課題を生んでしまった面も否定はできません。また、ソレアにどこまで外野を守らせるのか、という問題もあります。勿論、彼が活躍すればそういった問題はあまり考える必要もなくなるわけですが、ここをどう処理していくかで今後のフロント陣の手腕が試されることになるでしょう。
その代わり、今季のような立ち回りが難しいシーズンで、ファームシステムの消費を傘下17位のプロスペクトのみでこの補強をまとめることができたのはプラスなポイントであると思います。
また、開幕前から不安視されていた贅沢税の第3段階到達は回避しているようで、この点もチームとしては大きいでしょう。
正直なところ、手放しに誉めることができるトレードでもないことは確かです。もっと早く動いていれば、リターンは多少少なくても、ローリスクな補強案もあったのではないかとも思います。これは相応のリスクを背負ったうえでのトレード補強となり、失敗すれば大きなマイナスを背負いかねません。ハイリスクハイリターン、という言葉が良く似合う補強かと思います。
この賭けがどう転ぶか、今後は注目していきたいと思います。
⑤終わりに
いかがだったでしょうか。今回はブレーブスがTDLで行ったトレード補強についてまとめてみました。
ソレアとジャクソンにはぜひとも頑張ってもらいたいですね。そしてマツェックの新天地での活躍を祈ります。
諦めずにプレーオフ進出、そして世界一へ。
頑張れ!!!ブレーブス!!!!!!!
それでは、また!!!
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