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【いざ未来へ!】中日ドラゴンズ、オフの動きと来季の展望
どうも、ハーノです。今回は久しぶりに中日ドラゴンズの記事を書くことになりました。外国人補強が終わってから書こうと考えていたので、この時期までずれ込むことになりました。
まず書いておくと、来季のドラゴンズは個人的には非常に楽しみであると考えています。
今オフは多くのことが起きましたし、悲喜交々、激動のオフになりましたが、そんなオフの動きや来季の展望について少しずつではありますが、書いていきたいと思います。
それでは、行きましょう!!!
①立浪監督退任、井上監督就任へ
昨シーズンの最終盤にて、立浪監督の退任が発表されました。最終的に2年連続最下位すら経験したことのなかったドラゴンズは、3年連続最下位に沈む結果となり、ファンとしても非常に厳しい3年間となりました。
特に昨シーズンは戦力だけで見れば他球団より優れているとは言わずとも、大きく見劣りしないチームへと成長していたこともあり、明らかに戦力以外の部分で多くが嚙み合わずに負けが増えていく様子は、ファンとしてもなおさらもどかしいものがあるシーズンでした。
後任選びに様々な噂や推測が起きましたが、ドラゴンズはある意味順当に、またある意味では(チームとしては)異例の、2軍監督を1軍監督に昇格させるという判断を下し、比較的早い段階で井上監督の就任が決定。
毎年下位争いが続き、23年には借金37、4位と19ゲーム差の最下位に沈んでいたドラゴンズ2軍を、昨年は2軍監督就任1年目で貯金25のチームへと成長させ、その手腕が高く評価された形になりました。
就任当初から、昨年なかなか出番が与えられなかった有力な若手たちに目を向け、高く評価する発言も多く、先発投手不足もしっかりと認識しており、ドラフトでは金丸投手を中心にしっかりと先発投手のプロスペクトを確保するなど、的確なコメントや動きが多い点も非常に好印象です。
また、コーチ編成も落合英二氏を2軍監督として慰留に成功、最後の三冠王経験者の松中信彦氏をコーチに抜擢、また「コーチの育成も必要」として野球理論への理解の深さに定評のある平田良介氏や、昨年まで現役で若手からの人望が厚い田島慎二氏ら30代の若いOBたちをコーチに招集するなど、将来のことまで見据えた編成も多くのファンから好感を集めています。
特に野手陣に関して、新首脳陣はこれまでのチーム方針を大きく転換し、しっかり振らせることを意識しているようです。現在2軍キャンプが行われていますが、すでにその成果は大きく出始めています。
2026年からバンデリンドームにホームランテラスが付くことが決まり、それに向けても準備は万端に見えます。
昨年はビジター、ホームともに本塁打数が被本塁打数を上回り、ビジター本塁打数はリーグ2位タイ、ビジターOPSはリーグ3位と、若手主体ながら確実にリーグでも上のレベルの打線になりつつあるなかで、それをさらに伸ばす指導は今後のドラゴンズを大いに助けることになるはずです。
2025年シーズンは、新首脳陣にも大きな期待ができるシーズンとなりそうですね。
②FA等々での流出と木下の残留
今オフは主にFAを中心に、流出の少なくないオフだったと言えるでしょう。
絶対的守護神であったライデル・マルティネスが、巨人に移籍することになりました。これは非常にショッキングなニュースです。ドラゴンズも4年40憶規模の契約を用意して慰留に努めたようですが、残留が叶うことはありませんでした。ただ、長期的にはリリーフ1人に年10憶というのは編成的にもかなり重いものとなってしまうことは確実で、長期的に見れば流出も致し方なしといったところでしょう。松山や清水ら後任のクローザー候補はすでに若手リリーフのなかに複数おり、リリーフ陣全体の層は厚いという点を鑑みても、やはり仕方なかったように思います。
また、4年連続規定投球回を達成していた小笠原慎之介もポスティングでナショナルズに。ポスティングを認めたこと自体にも賛否はありましたが、ともかく移籍という形になりました。確かに(バンデリンドームを本拠地としていることを考えても)防御率以上に厳しい部分もあり、ストレートの球速低下も気になるところではありますが、それでもイニングイーターとしての活躍は評価しないわけにはいきません。決して小さな穴ではないはずです。
また、福谷浩司もFAで日本ハムに移籍となりました。福谷はここ数年は苦しい投球が続いてはいましたが、Cランク選手ということもあり、市場では動向が注目されていました。また、中日球団側もあまり慰留には積極的な情報は少なく、そのまま日ハムへと移籍となってしまいました。
ここ数年は苦しんでいたとはいえ、先発不足の中日にとってはあまり良いとは言えない流出でしょう。
そして、今オフはビシエドも、多くのファンに惜しまれながら退団となってしまいました。ここ数年間はなかなか噛み合わず、打撃の下振れもあってなかなか思うような数字が残せず、年々出番を減らしていました。チームは残留オファーを出していたようですが、最終的には出番を求めたビシエドがFAを選ぶ形になりました。現状、ドラゴンズの野手陣は若手が次々に成長を見せており、ベテランの出番が減りつつあるのも確かです。出番を求めるならば、移籍の道を探るという判断は致し方ないものだったと言えるでしょう。
ドラゴンズファンとしても、9年間チームのために戦ってくれたビシエドには感謝しかありません。
そんな別れの報が続く中で、大きな残留の選択をしてくれた選手もいました。それが木下拓哉です。
FAイヤーだった今季は指標を見ると恐ろしいほどの下振れを引いたシーズンとなってしまいました。後半戦は揺り戻しもあってか好成績も残しましたが、なかなか出番が与えられなかったこともあって、シーズン成績を大きく揺り戻すことはできず、シーズンを終えました。
それでも、来季以降バウンスバックする可能性は非常に高く、FAでは甲斐や大城らが動くことも予想されたなかで、捕手市場が大きく動く可能性もありました。
木下もFA宣言をすることになり、ファンからも移籍の可能性について多くの不安の声が出ました。しかし、最終的には2年契約で残留を決意。捕手には石橋やルーキーの石伊ら若手や、宇佐見らがいるとはいえ、不安はぬぐえなかったなかで、この残留は非常に大きいと言えるでしょう。
この決断をしてくれた木下には感謝の言葉しかありません。来季はもうベテランの域に入りつつある捕手として、若手の見本になるような活躍を攻守に期待したいところです。
また、高橋周平もFA宣言の可能性がささやかれていましたが、最終的にはFA権を行使することなく残留。成長が著しい若手が多い中で、レギュラーを奪うのは並大抵のことではありませんが、ここは「自分らしさ」を取り戻してもう一花咲かせてもらいたいところです。
また、岩嵜翔も残留となりました。昨年は最終的には防御率5点台となりましたが、最速で158キロをマークするなど、2022年3月以来のマウンドとしては来季に期待ができる面もありました。この残留は来季のブルペンのデプスにしっかり厚みを持たせてくれるでしょう。
③外国人補強やその他の補強
続いては、新たにドラゴンズに加入した新戦力たちについてです。こちらはかなり本気度が垣間見えるオフになりました。
【外国人補強】
まずは外国人選手から見ていきたいと思います。今季のドラゴンズは4人(先発1人、リリーフ2人、野手1人)の外国人選手を支配下契約で獲得しました。
①カイル・マラー
まずはチームの課題である先発陣の穴を埋めるべくやってきた新外国人先発、カイル・マラーです。
そうです、私がMLBで応援していたブレーブスの元球団内プロスペクト1位(22年オフにトレードされるまで)、オールスター捕手マーフィーのトレード対価のメインピースの1人にもなり、2023年にはアスレチックスで開幕投手も務めたカイル・マラーです。
昨年はMLBで主にロングリリーフなどを務めた大型先発左腕で、高身長を活かしたピッチングが持ち味。昨年はMLBで49.1イニングを投げて防御率4.01、xERA4.05、FIP3.96、xFIP4.03、WARもプラスと近年NPBに来る助っ人としてはバウアーのような例外を除けば異例なレベルの選手です。
何と言っても2年前までは傘下1位のプロスペクトだったこともある投手。
彼にかかる期待は非常に大きいですし、ブレーブスファンとしても期待したいところです。
②ジェイソン・ボスラー
野手でも珍しく(?)正統派助っ人を連れてきました。昨年マリナーズの3Aで119試合、446打数で打率.303、31本塁打、110打点、OPS.944という成績を残したスラッガー、ボスラーです。
MLBでは思うような成果は残せていませんが、マイナーではかなり完成度が高いように見受けられます。
守備は一塁や外野を任される事になりそうです。対左投手が課題になりそうですが、ドラゴンズには一塁/外野ならば左に強いカリステや、一塁には右打者の中田もおり、ある程度併用等々でもカバーできそうなのも強みでしょう。
来季はボスラーがさらに打線の厚みを作ってくれるかもしれません。
③ジュニオル・マルテ
こちらはリリーフを支えるべくやってきたリリーフ右腕です。MLBでも平均で97マイル前後を叩き出す剛腕であり、マリナーズとマイナー契約していたのを1.9憶+出来高で獲得。マリナーズに譲渡金も支払われる予定で、補強への本気度がうかがえます。
ゴロ率が高く、バレル率もMLBで平均レベルと、あと1年現状のバンデリンドームで戦うドラゴンズとしては、球場との相性も悪くない投手です。来季の活躍のカギとしては、昨年から投げ始めたスプリットを物にできるかというところでしょうか。
MLB通算102登板とはいえ防御率は5点台半ばと決して芳しいものではありませんが、活躍するポテンシャルは秘めた選手であり、来季のピッチングには期待がかかるところです。
④ナッシュ・ウォルターズ
最後に紹介する助っ人はナッシュ・ウォルターズです。マイナー通算で195試合、299.1イニングを投げて349奪三振というポテンシャルを持つリリーフ右腕。マイナーでは昨年2Aで13試合16イニングを投げて無失点という見事な投球を見せたものの3Aでは打たれています。
しかし、オフにドライブラインでのトレーニングにより大幅にパワーアップの兆しを見せ、そこに目を付けたドラゴンズが獲得する形となりました。
キャンプイン初日から最速155キロをマークし、オフの進化が決して偶然ではないことを示したウォルターズ。来季のドラゴンズのブルペンでは、彼がワイルドカードになるかもしれません。
【その他の補強】
さて、続いては外国人助っ人以外の補強についてです。こちらでは、ドラゴンズは戦力外から1人、現役ドラフトから1人選手を獲得する形になりました。
①三浦瑞樹
まずは戦力外から獲得した選手、三浦です。今季オフの戦力外選手のなかでは最大の注目選手だったと言えるでしょう。昨年は先発として92.2イニングを投げて防御率1.60をマークし、ウエスタンリーグの最優秀防御率のタイトルを獲得。1軍でもデビューを果たすと、5試合にリリーフして5イニングを投げ無失点という成果を挙げました。しかし、そんな中でまさかの戦力外通告。そして最終的にはドラゴンズとの育成契約を選びました。
確かにファームでも5~6点台の奪三振率は気になるところですが、それでも1軍2軍ともに結果を出している選手の加入は非常に心強いものだと言えるでしょう。
先発が1つのチームの課題となっているドラゴンズにとって、彼の来季の活躍も1つ重要になってくるかもしれません。
②伊藤茉央
2人目は現役ドラフトで獲得した伊藤です。ファームでは昨年44.1イニングを投げて防御率2.64を記録したリリーフ右腕です。特徴としては、シンカーが武器の右サイドという投手のようです。
2軍では2年連続で好投し、今季は課題だった低すぎる奪三振率もイニング数と変わりない数を取ることに成功。ただ、1軍でもまずまずの投球をした23年とは違い、1軍では打ち込まれてしまいました。
制球難がひとつの大きな過大になっているようで、来季の活躍にはここの成長が大きなポイントになるでしょう。奪三振率は昨年大きく改善しただけに、制球も改善して来季こそは、現役ドラフトで惜しまれつつもロッテに移籍した石垣選手ともども飛躍のシーズンにしてほしいところです。
④100満点中200点のドラフト
今季オフ、ドラゴンズファンが一番盛り上がった瞬間はおそらくこのタイミングでしょう。今オフのドラフトでは、ドラゴンズは近年稀に見る見事なドラフト指名を見せてくれたと言えるでしょう。
ドラフト1位では関西大学の金丸夢斗を4球団競合の末に指名。ドラフト前から来季の新人王筆頭候補に挙げられていた先発左腕を獲得しました。最速154キロの速球と強力な変化球を武器にリーグ戦で72イニング連続自責点0をマークした逸材の加入は、先発不足に苦しむドラゴンズに大きな希望をもたらしました。
さらにドラフト2位でも即戦力左腕として注目されていた西濃運輸の吉田聖弥を指名。3位では桐光学園高校にて通算48本塁打を放ったスラッガー内野手の森駿太を、4位では守備力に定評がある即戦力捕手として指名が有力視されていた日本生命の石伊雄太をしっかり確保。5位6位ではそれぞれ北照高校の高橋幸佑、聖カタリナ学園高校の有馬恵斗と、非常にポテンシャルの高い注目の高校生先発投手2人を獲得しました。
育成指名でも宮崎商業高校の内野手、中村奈一輝と、鹿児島実業高校の投手、井上剣也の2人を指名。どちらも荒削りながら天井は高く、非常に楽しみな選手です。
総合的に見ますと、チームの課題だった先発投手にドラフト1位2位で即戦力投手、それもトップクラスの逸材を指名。
3位ではスラッガータイプの野手プロスペクトを確保しつつ、4位では第2の補強ポイントだった即戦力捕手もしっかり補強。
5位以下ではポテンシャル面で注目度の高い投手3人と野手1人を指名して、主に投手のプロスペクトにしっかり厚みを持たせました。
来季の課題に着手しつつ、将来的にも必要になるプロスペクトの層をしっかり厚くできたのは、これ以上ない成果です。
これで野手はプロスペクトが多いものの、先発投手プロスペクトは薄かったドラゴンズは、将来野手陣が成長したタイミングでともに戦う未来の先発投手たちをしっかり確保できた事は間違いありません。
間違いなく、近年稀に見る素晴らしいドラフトになったと言えるでしょう。
将来のドラゴンズへの期待もさらに高まるドラフトになりました。
⑤来季の展望
さて、多くの出来事が起きたオフですが、来季の展望を見ていきたいと思います。
来季のドラゴンズの戦いにおいて、重要になるのは次の2点ではないでしょうか。
❶起用・編成での采配
❷先発ローテ
まずは❶についてですが、これは多くを語る気はありません。ただこれまで、この点で噛み合わずに勝ち星を伸ばせなかった面もあります。
ファンとしても、適切な選手が、適切な起用法で、適切に使われる事を望みます。これだけで大きく変わる事は間違いありません。
それだけでも、かなりチームの勝利は近付いてくるはずです。
新首脳陣は、さまざまな面でこれまでとは全く違う方針を打ち出しています。ほんの1例を挙げてみますと、例えば打撃はコンタクトよりもまずは(空振りしたとしても)しっかり振らせることを意識付けているようです。
またフロントも、外国人補強やオフの人事を見ると、データ面を積極的に取り入れていこうという姿勢が感じられます。
こうしたチームの方向転換が、必ずドラゴンズを強くしてくれるはずです。
そして❷に関してですが、これはもうそのままです。
野手陣は若手中心の成長段階ながら、①でも書いたように昨年はビジター、ホームともに本塁打数が被本塁打数を上回り、ビジター本塁打数はリーグ2位タイ、ビジターOPSはリーグ3位をマークするなど、既に実力をつけてきています。
リリーフ陣も、ライデルが抜けたとはいえ、補強や若手の活躍を考えれば他球団には決して見劣りしない戦力になっています。
結局のところ、先発陣がドラゴンズの躍進のラストピースです。高橋宏斗という絶対的なエースはすでにいます。あとは若手の成長と、ベテランの踏ん張りがあれば、必ず上位進出も見えてくるはずです。
プロスペクトは豊富で、バウンスバック候補も多いので、上がり目は少なくないはずですし、選手たちの活躍に期待したいですね。
⑥終わりに&開幕予想
いかがだったでしょうか。個人的に、やはり来季のドラゴンズは非常に楽しみです。
最近ふと気付いたのですが、4月から中日が最後にCSに出た2012年生まれの子どもたちは中学生になります。
つまり、4月からは小学生以下は中日がCSに出たのを1度も見たことがないという事になります。これは非常に悲しい事です。
若いファンのためにも、勝利の喜びを分かち合う機会が、来季こそは与えられる事を期待しています。
来季は最低でもCS進出、目指してほしいです。不可能な戦力だとは全く思いません。勝算は十分あるはずです。
さて、最後に開幕スタメン予想と開幕ローテ予想を載せておきたいと思います。かなりガチ予想なので、個人の希望というよりは、首脳陣の感じを見ながら考えてみました。でも的中率は信用しないでください。
【開幕スタメン予想】
①中…岡林
②遊…村松
③二…福永
④右…細川
⑤三…石川
⑥左…ボスラー
⑦一…中田/カリステ
⑧捕…木下
⑨投…高橋宏斗
【開幕ローテ予想】
①高橋宏斗
②柳
③マラー
④梅津
⑤涌井
⑥松葉
こんな感じでしょうか。これを書いているのが2月14日なので、まだまだ未知数ですが、今後どうなっていくのか注目です。
それでは、また!来季こそは、頑張れ!ドラゴンズ!!!!!!!
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