【フライタイイング】水面直下の羽化するユスリカを模したドライフライ。ミッジ・エマージャーの作り方
前回に引き続き、ユスリカフライの別パターン、ミッジ・エマージャーを紹介します。今回再現するのは、ピューパ(サナギ)からさらに昆虫の変態が進み、羽化している段階です。
エマージャーは水面直下を狙ったドライフライ
エマージャーとは、英語のemerge(羽化する)という単語からきた、蛹(サナギ)から成虫に移行していく段階を模したフライのことを指します。
これは、ドライフライの一種ですが、完全に成虫へと変化しきる直前、まさに羽化している段階のユスリカを表現しています。
そのため、狙う層としても水面直下で捕食しているトラウトが見えやすいように、羽の部分は水面に浮かび、胴体の部分が水面直下に沈むように浮力と重みのバランスをとっています。
使用した素材
フック:AHREX カーブニンフフック #16(#16〜20)
スレッド:Danville フライマスター ワックススレッド 70 Denier(オリーブ)
ボディ:VENIARD ピーコックストリップドクイル
ウィング:Nature's Spirit CDC(ミディアムスレートダン)
ウィング:ディアヘア
ソラックス(胸部):Wapsi SLF パターン・ブレンド・ダビング(レッド・フォックス・スクオール)
なお、メーカーや素材が多少違っても同じように作ることができるので、似たような素材があれば代用可能です。
作り方
1. フックに糸を巻いていきます。
2. ピーコッククイルをフックシャンクの6割くらいまで巻いて固定します。
3. 糸をフックシャンクのアイの部分まで巻いていき、最後にハーフヒッチで固定します。
4. クイルをフックシャンクの6割くらいまで巻いていき、胴体になる部分をつくります。
5. クイルを巻いた部分にUVレジンをつけて、しっかりと固定します。
6. スタッカーで先端を揃えたディアヘアを巻き付けます。2回ルーズラップしたあとに、下方向に引っ張り、ディアヘアを羽のように広げます。
7. ディアヘアをしっかりと糸で固定したあとに、不要な部分をトリムします。
8. CDC1枚の先端を揃えるように手でちぎり、ディアヘアの上に巻き付けてから、不要な部分をトリムします。
9. 胸部をつくるためにダビング剤を使ってざっくりダビングします。
10. ダビングを巻き終えたらウィップフィニッシュし、最後に余分な毛をカットして全体を整えて完成です。
動画解説
動画では、ピーコッククイルの巻き方のコツや、ちょっとした豆知識も含めて雑談しています。ぜひタイイングしながら聞き流してみてください。