MITがフィルターを使わずにボタン1つで海水を飲み水に変える装置を開発!
「飲み水を確保する」ことは生きていくためには欠かせへん。でも、インフラが整備されていない地方や、災害が発生した場合には、飲み水を確保するのは難しくなってまう。
そんな時に重宝するのが「淡水化技術」。特に携帯型のシステムなら、それを持って海に行けば、手軽に飲み水が手に入るってわけ。実際、フィルターで塩分や不純物を取り除く携帯型淡水化システムは既に多く市場に出回っている。
しかし、市販の携帯型淡水化システムは、フィルター越しに水を押し出す必要があるため、比較的大型の高圧ポンプが必要になる上、フィルター交換などこまめなメンテナンスも必要になる。そのため、デバイスのエネルギー効率を損なうことなく小型化するのは難しく、遠隔地や災害現場で安全性の高い飲料水を提供するには課題があった。
そこで、MITは2010年に発表されたイオン濃度分極(ICP)という技術を応用することで、フィルターや高圧ポンプを必要とせずに、透明で綺麗な飲料水を生成する携帯型淡水化装置を開発しはった!
ICPプロセスでは、海水をろ過するんやなくて、水路の上下に配置された膜から電場を発生させ、帯電した粒子(塩分子やバクテリア)が通過するときにそれらをはじく。これによって、溶質と浮遊物質の両方が除去され、きれいな淡水が出来上がる。そのため、ICPシステムはフィルターがいらんくて高圧ポンプも必要ないため、フィルター型に比べて消費エネルギーが少なく、メンテナンスの手間も大幅に削減されるの!
ただし、ICPは水路の側面付近の塩分は取り除けても、中央の塩分も完璧に除去できるとは限らへん。そこで、研究者たちは、残っている塩イオンを水路の端に移動させる「電気透析」という透析プロセスを取り入れはった。そして、機械学習を用いて、エネルギー使用量が最小限に抑えられるICPと電気透析モジュールの理想的な組み合わせを見つけはった。
それから、ICPと電気透析モジュールの縮小化を行い、それらを積み重ねてスーツケース程度の大きさに収めることができ、デバイスの重量も約10kgに抑えることができた。
肝心の淡水化性能のついては、1Lあたり20Wの電力しか消費せずに、0.3L/hの速度で飲料水を生成することができるらしい。さらに、生成された水は世界保健機関(WHO)の品質ガイドラインを満たしているという。
そして、このデバイスには、ボタンを1つ押すだけで簡単に水が作れるよう、ユーザーフレンドリーなUIが実装されている。さらに、デバイスをワイヤレスで制御し、電力消費量と水の塩分濃度に関するリアルタイムデータを報告してくれるアプリも作成済みらしい。
これから研究者たちは、この技術を商業化するために、スタートアップを立ち上げる予定らしい。そこで、デバイスをより使いやすくし、エネルギー効率と生産率を向上させたいって考えてはる。さらに、民間にもこの装置を買ってもらえるように、より安い材料で同様のシステムを作れないか検討していくんやって。
幸いなことに日本はいつでも安全な水が安価で手に入れることができる。でも、世界に目を向けると、高いお金を払わんと水が買えん、水道が使えへん、汚染された水を飲むしかない、そんな問題に苦しんでいる人々も大勢いる。彼らにこの技術が届けられることを切に願う。
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.est.1c08466