言葉と心
表立った音楽活動を休止し、舞台に全てを賭けた1ヶ月半。
精神的な面からくる不調というか突発的な不安と闘いながら過ごした日々は正直とてつもなく辛かったし苦しかった。
”人と会いたくない、関わりたくない”とまで思っていたあの頃と丁度重なった稽古期間。
実は一度だけメンタルがキツすぎて稽古に行くか迷って意を決して重い足をなんとか引きずって稽古場に行った日があった。
その日はこれまで溜めてしまっていたストレスが職場でバンっと爆発してしまった時で、このままでは仕事は無理だと半休をもらってしまうほどの苦しさで病院にも行ったほどだった。
”こんな状態で稽古なんてできない、帰りたい”
そう思っていた私にいつもと変わらない雰囲気で接してくれたキャストの仲間達。
その日の稽古で特に忘れられないのが稽古終わりの動画を撮ったときのこと。
顔も死んでいて喋れないよオーラをめっちゃ出していたのに指名されてどうしたらいいのか分からなくなっていた。
ずっとモジモジしていた私に”そんなこと言ってられないでしょ。やらなきゃダメだ。”とピシャッと言ってくれた人がいた。
動画で何を話したかは正直覚えていないけど、その動画の最後に”やればできる子!”と言ってくれたことだけは今でも鮮明に覚えている。
たった一言、何気ない言葉に救われた。ストレスが爆発してしまうくらい苦しかったのが嘘だったかのように心が軽くなっていくのが自分でも分かった。
もしあの時稽古に行かない選択をしていたらどうなっていたのだろう。
きっと心が苦しいまま前を向くこともできずに余計病んでしまっていただろうなと今思い返してみるとそう思う。
人付き合いが苦手でうまくコミュニケーションが取れずに身を引いてしまう自分。
そんな自分と向き合うきっかけをこの言葉が作ってくれた。
今、舞台を終えて気持ちはとっても明るいしやっと人前に出ても大丈夫なメンタルにまで調子が戻った。
沢山の人に支えてもらって助けてもらったからこそ、人前に立つことも人とお話しすることも少しずつ出来るようになった。
先月メイン出演をお休みしたたりほんフェスも今月は参加することに決めてやっと一歩前に踏み出せた。
きっとこれからも不安な気持ちに陥ってしまうことは多々あるとは思うけど、その時はこの言葉を思い出して踏ん張ろうと思う。