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読書感想文まとめ📕 通勤時間は読書の時間、社会人1年目は24冊読みました
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#読書感想文

【読書】続編は、新たな仲間たちにほっこり〜『成瀬は信じた道をいく』

【読書】続編は、新たな仲間たちにほっこり〜『成瀬は信じた道をいく』

前回投稿から1週間、早速続編も読みました。

今回は、続編の登場人物と、面白かった点をnoteします。

続編の構成1作目は成瀬の周りの同級生ばかりが語り手だったのが、成瀬が大学生となり、年代もバックグラウンドも異なる人たちが登場する。

①ゼゼカラが大好きで、成瀬にとんでもなく憧れる小4女児、②成瀬の父親、③成瀬がアルバイトするスーパーに通うクレーマー主婦、④成瀬と一緒に観光大使に選ばれた19歳

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【読書】異色の主人公に惹かれまくる〜成瀬は天下を取りに行く

【読書】異色の主人公に惹かれまくる〜成瀬は天下を取りに行く

デビュー作にして2024年本屋大賞、そして続編の『成瀬は信じた道を行く』も2025年本屋大賞ノミネート。

できれば文庫本で読みたかったからまだ購入を控えていたのだが、やはり読みたい気持ちが勝りこの度やっと購入した。

本日は、『成瀬は天下を取りに行く』の面白さを2点お伝えしたい。

あらすじ物語は、成瀬あかりという主人公の、中2の夏休みから始まる。成瀬は、コロナ禍前に閉店を控える西武大津店に夏休

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【読書】本がもっと好きになる本〜店長がバカすぎて

【読書】本がもっと好きになる本〜店長がバカすぎて

早見和真氏の『店長がバカすぎて』のネタバレなし感想です。

彼の作品では、これまで『イノセントデイズ』を読んだのみでした。死刑になった女性の過去を深掘りするストーリーであり、誰も報われない、とても悲しいストーリーが記憶に残っています。

そのストーリーのイメージがあったため、本書の帯の『誰もが明るくなれる本』という言葉に違和感を抱きながらも、ずっと書店に平積みされていたので気になって購入しました。

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【読書】香港に行きたくなる小説〜未必のマクベス

【読書】香港に行きたくなる小説〜未必のマクベス

先日、『未必のマクベス』という本を読んだ。
経済小説であり犯罪小説であり恋愛小説という帯に惹かれて手に取った。
ネタバレなしで、本作の面白さをnoteしたい。

面白さ①
シェイクスピアを知らない人にも

これは何とも不思議な小説だった。
本作は、その名の通りシェイクスピアの『マクベス』がストーリー進行のキーとなっている。
無理やり『マクベス』を引き込んでいるといった方がよいかもしれない。

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【読書】小さな世界の偏った価値観の中で必死な中学生〜オーダーメイド殺人クラブ

【読書】小さな世界の偏った価値観の中で必死な中学生〜オーダーメイド殺人クラブ

本屋で、タイトルに惹かれて手に取った、辻村深月の『オーダーメイド殺人クラブ』。

辻村氏の小説は大好きで、過去にも複数読書感想文を投稿しているのでぜひ覗いてみてください。

人間の奥底の感情を繊細に描かれる辻村氏、殺人事件が起きる作品は読んだことないが、本作は殺人事件を扱うミステリーなのか?と気になった。
(以降、ネタバレなしです。)

あらすじ極小な中学生の世界「リア充」「昆虫系」って分類し、「

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【読書】"事務"とは具体化していく作業〜生きのびるための事務

【読書】"事務"とは具体化していく作業〜生きのびるための事務

事務がしたかったのではない今の仕事

私は、金融機関で主に事務をしているが、事務員になりたかったわけではない。
「単なる事務とは異なる」「主体的に様々な業務を行える」と聞いていたものの、基盤となる業務は事務だった。
元々外交的で、人と話すことも好きな私は、自分らしさを感じられず、事務より営業がしたい!と新卒1年目転職をし内定獲得までした。
だが、諸々考慮し結局今の職場にとどまっている。
(「新卒1

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【読書】愛されて当然女になるべし〜恋愛マニュアル本

【読書】愛されて当然女になるべし〜恋愛マニュアル本

恋愛が全くうまくいかず、自己肯定感もかなり低かった時、ネットで見つけたのが、神崎メリ氏の恋愛マニュアル本。すぐに購入した。

カバー写真の2冊:①魔法の「メス力」、②大好きな人の「ど本命」になるLOVEルール、の2冊をこの度再度読んだ。

①魔法のメス力

著者は、男性に大切にされる振舞い方、女としてあるべき姿を「メス力」と名付けている。
復縁・片思いを成就させるためのメス力から、彼氏にとってど本

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【読書】『傲慢と善良』に出会って

【読書】『傲慢と善良』に出会って

本屋の文庫本コーナーに行けば、今や必ず目にする、大反響の『傲慢と善良』。今度映画化されるらしい。

私がこの本に出会ったのは、今から1年半前の大学4年の秋。
サークルも入らずバイト漬け、コロナ禍の学生生活。就活も終えあとは遊ぶのみでも、実家住まいでコロナを気にした両親からは県外禁止令継続中だった。不満ばかり、さらに失恋したばかりで、大袈裟でもなく、人生最大で病んでいた。

そんなとき、「人生で1番

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【読書】美術×半沢直樹の中にも人間ドラマ~アルルカンと道化師

【読書】美術×半沢直樹の中にも人間ドラマ~アルルカンと道化師

久々に半沢直樹を読んだ。「アルルカンと道化師」である。※ネタバレなしなのであらすじのみです。

ほかの池井戸作品同様、私利私欲にまみれた銀行組織の思惑に巻き込まれる半沢直樹だが、いつも通り堂々立ち向かっていく彼。これまでの作品を読んでいる分、「必ず何とかしてくれる」と安心感を持ってみてしまい、もはやスリルが少なく少々物足りない。(笑)

それでも、やっぱり半沢直樹は面白いと思ったし、どんでん返しは

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【読書】会食初心者の道標になってくれる本〜ビジネス会食攻略マニュアル

【読書】会食初心者の道標になってくれる本〜ビジネス会食攻略マニュアル

本屋で在庫切れになるほどの売れ行きの、ビジネス会食完全攻略マニュアル。

本書を購入したのは、先方社長以下、当方役員以下の会食に最若手として参戦するのを控えた数日前だ。

突貫工事で流し読みした本書の概要と感想をお伝えしたい。ちなみに、当方23歳2年目女だ。

会食ノウハウを網羅した本会食にて達成したい目的を明確にすること、相手の好みを反映した店選び、日程調整の仕方、手土産・タクシー手配の有無など

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【読書】3部作全て読んでこそ面白い~自由研究には向かない殺人

【読書】3部作全て読んでこそ面白い~自由研究には向かない殺人

先日来読み進めていた、翻訳小説。いくつかの本屋のランキングコーナーで翻訳小説部門1位で飾られており、ご存知の方も多いかもしれない。
ホリージャクソン著の全3作のミステリーで、イギリスの翻訳小説だ。
1.自由研究には向かない殺人
2.優等生は探偵に向かない
3.卒業生には向かない真実

シリーズ3作全てを読んだからこその面白さを、ネタバレなしでお伝えしたい。
(’’翻訳小説’’自体の面白さについては

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【読書】私の個性は、スコシ・フンガイ?~辻村深月の世界でドラえもんを

【読書】私の個性は、スコシ・フンガイ?~辻村深月の世界でドラえもんを

今年度4冊目は『凍りのくじら』。知人に「読後じんわりしてすごいよかった」と勧められ読み始めた。

実際、すごく良かった。
章ごとに1つのドラえもんの道具をテーマに、ドラえもんが大好きな主人公が、ドラえもんのエピソードとともに元彼について振り返り、自分を見つめ直す。

不二子先生のSF(スコシ・フシギ)になぞらえて他人に個性をつける主人公

不二子先生の描くドラえもんのSFの世界は、Science

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【読書】東野圭吾作品は幅が広すぎてやっぱり面白い

【読書】東野圭吾作品は幅が広すぎてやっぱり面白い

先日、東野圭吾の「ブラックショーマンと名もなき殺人」を読み、やはり東野圭吾の作品は面白いと思った。

ミステリーと一言で言っても、テーマの幅が広く、1冊で様々な楽しみ方ができる。東野作品のタイプや良さをネタバレなしで書きたいと思う。

「ブラックショーマンと…」なら

これもどうやらシリーズものらしい。最新作(2作目)は最近やっと文庫化された。

今回読んだ1作目は、元手品師の叔父と、父親を殺した

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【読書】恩師お勧め本を10年来に読んだ〜夜は短し歩けよ乙女

【読書】恩師お勧め本を10年来に読んだ〜夜は短し歩けよ乙女

今週は、「夜は短し、歩けよ乙女」を読んだ。

中学生の頃、私は大尊敬していた先生と交換ノートをしていた。
その交換ノート内で、恩師がお勧めしてきたのが、この本だった。

あれからほぼ10年…
10年越しにやっとこの本を読んだ。

率直に言えば、難しい本だった。

古文を読んでるようで、スッと文章が頭に入ってこない。単語や言い回し、比喩表現が独特だった。

また、2-3ページごとに節が区切られている

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