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湘南の本|『湘南 海光る窓』城山三郎


湘南が舞台となっている本を読むのが好きです

備忘録も兼ねて簡単にご紹介します



本の紹介


『湘南 海光る窓』 城山三郎
文春文庫 1997年(単行本 1989年)

「海の見える家に住みたい」と湘南の茅ヶ崎に住みついて三十年。年ごとに変わりゆく湘南の海と住人と風俗を見つめる珠玉エッセイ

https://books.bunshun.jp/




感想など


三十代の頃、城山さんの本をいくつか読んで、人生観に影響を受けた

あれから二十年以上が経過し、もう一度読みたくなって古い文庫本を入手した


この本は、文藝春秋が発行していた月刊誌『諸君!』に昭和59年から63年まで連載されたエッセイを単行本化したもの

城山さんが住んでいた茅ヶ崎やその周辺(湘南)にかかわる話題を、城山さんの視点で、優しく厳しく描いている

湘南電車(東海道線)、烏帽子岩、南湖院、松下政経塾、相模線、江の島、江ノ電など、当時の湘南の様子を窺わせる話題がたくさん出てきて面白い



今回改めて読んでみて「湘南人種」の話が気になった

城山さんによると、気候の良い湘南で長く暮らすと、闘争心が薄れ根性もなくなり人は良くなるが、その一方で、調子が良くプライドだけは高くなるという


確かに、のんびりした人が多いのは現在でも同じだ

多いのではなく、目立つだけなのかもしれないが

海辺を歩くと平日の昼間からぶらぶらしてる人がたくさんいる

私と同年代ばかりでなく、若い人も少なくない

彼らと話をすると、働いてない人が多いことに驚く

背中に大きく「働きたくない」と書いたTシャツを着た人を見たこともある


ビジネスの世界で戦う男たちを描いてきた城山さんが、このような「湘南人種」が育つ土地を好み、長く暮らしていたというのがまた面白い

そして、この話は次のように締めくくられている

さて一億が総「湘南人種」化したとき、日本が生き残っていけるかどうかは、また別問題である。

「湘南人種」城山三郎

ほんと、それ(笑)




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