見出し画像

この日、私はチャリサーファーを撮れなかった|茅ヶ崎

2025年2月下旬、茅ヶ崎へ。
散歩で出会った風景をご紹介します。



散歩写真


辻堂と茅ヶ崎を結ぶ桜道
チャリサーファーさん全然いない
点々と
砂浜で遊ぶ人々、沖を行く釣り船
この植物は何だろう
砂浜で力強く成長してる
波打ち際でそれぞれ。
水面に遠く雲の影と船影
釣り船たち
さざなみのキラキラ
えぼし岩=茅ヶ崎のシンボル
戦後米軍射撃練習の的にされて先端が丸くなった
ハシブトガラス
さっきまでトビと喧嘩してた
茅ヶ崎漁港の駐車場
釣り人や観光客でいっぱいだけど静か
駐車場の小径
いい風景だと思うのに言葉では説明できない
漁港駐車場の出口
背景に江の島を配して
茅ヶ崎漁港
ひなびた雰囲気を逆光で
海を望む建物たち
流れる雲
テトラポットぽつん
西浜海岸は人影少なめ
イソヒヨドリ(メス)
背景に停泊する船を
この日は波が小さかった
街でサーファーを見かけない理由
海辺のサイクリングロード
道の曲線と相模湾の水平線
人けのないボードウォーク
大島が遠くに
海を眺めるベンチ
えぼし岩が見える




この日、私はチャリサーファーを撮れなかった


休日の朝10時、茅ヶ崎を撮り歩こうと家を出た。自転車にサーフボードを積み、海へと向かうチャリサーファーたちに、街で出会うことを楽しみにしていた。

ところが、辻堂から桜道、サザン通りを2時間かけて歩いても、期待したチャリサーファーの姿には出会えなかった。茅ヶ崎海岸に着き、サーファーが一人もいない海を見て、ようやく波が無い日だったのか、と気づいた。


力が抜けて、腹も減ってきたので、海岸を一望できる店に入った。

窓からは、浜辺を歩く人々や沖を行き交う釣り船たち、そしてえぼし岩が見えた。窓越しにその風景を眺めていると、心が安らいでいくのを感じた。


食事を終えて海岸へ出ると、気持ちを切り替え、目の前にある風景をどう切り取ろうか、と考えた。

一見何でもない風景を、そんな風に切り取るのか、と感心されるような構図で撮ってみたいものだけど、撮りたいと思った風景を前に、私はいつも迷ってしまう。

空の広さをどれだけ取り込むべきか、あるいは、別の要素を強調すべきか。ファインダーを覗く前から勝負は始まっているのに、ファインダーを覗いてからも、迷い続けている。

それでも、茅ヶ崎の開けた地形が生み出す開放感や、漁港の素朴な雰囲気を写真に込めたいと思いながら、シャッターを切り続けた。気づけば70枚もの写真を撮っており、私は満足して撮影を終えた。


心地よい疲労感と共に、茅ヶ崎駅前の店でハイボールを一杯飲んで帰ることにした。飲みながら、きっといい写真が撮れているはずだと思ったが、すぐに、いや浮かれてはいけない、と我に返った。

「勝って兜の緒を締めよって言うだろ?」

そう思ったが、別に何かに勝ったわけでもない。間違ってるよ、と自分につっこんで笑った。


ところが、この日はそれで終わりではなかった。店を出て家に帰る途中、思いもよらぬ光景に出会った。

茜色に染まる街の中で、初老のチャリサーファーがひとり、目の前を横切っていったのだ。私は反射的にカメラを取り出そうとした。

・・が、そこで自身に課した鉄の掟を思い出した。

飲んだら撮るな、撮るなら飲むな

思い出して、カメラに伸ばした手を静かに引き戻した。

この日、ついに私はチャリサーファーを撮れなかった。せめて、彼が少しでも波を楽しめていたらいい。

そう思って、彼の背中を見送るしかなかった。




ご覧いただき、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!