1971.11.1 政府印刷事業100年記念
先日図書館で切手に関する本を何冊か借りてきた中に、以前NHKの「美の壷」で放送されていた内容をまとめたものがありました。奥付を見ると案内人が亡くなられた谷啓さんの頃で、2009年6月25日に出版されており、逓信総合博物館(旧称ていぱーく)は千代田区大手町の、お札と切手の博物館は新宿区市谷本村町の住所が記載されていました。
壱のツボが大胆なレイアウト、弐のツボが凹版印刷、参のツボが色彩をテーマとして、それぞれ具体例をもとにわかりやすい解説で切手の魅力を紹介していました。また、単片切手やシートの写真がいくつも掲載されており、特に切手趣味週間や国際文通週間は同じ図柄が縦横に並ぶと迫力があります。これまで切手シートには(値段も高いので)余り興味がなく主に単片で買っていたのですが、これを見るとシートまるごと購入したくなるような内容でした。
本の中でも紹介されている昭和46年11月1日発行の政府印刷事業100年記念は、菱田春草の師橋本雅邦の「竜虎図屏風」が原画にあたります。階調凹版というグラビアと凹版を掛け合わせた独自の開発技術で、深みのある色調と立体感を十分に表現しています。