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ソロを「もり上げる」方法とは(2)

ソロを「もりあげる」方法とは (1)
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ソロを「もりあげる」方法とは (3)
(cf). ファンクなど一発ものの吹き方

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(1)では How、つまりどうやってソロを盛り上げるか、を述べました。
(2)ではWhat、つまりソロの盛り上がりとはなにか、を考察します。

そもそも「盛り上がり」とはなんでしょうか?

「もりあがり」とはなにか

結論を言ってしまえば「盛り上がり」とはある種の「興奮」の表現。
もう少し正確に言えば「興奮」を示すことで聴衆を共感させて聴衆を興奮させること。これが音楽の「盛り上がり」の目的であると思われます。

ではそもそも「興奮」とはなんでしょうか?
今回は医学的な話になります。

自律神経系

自律神経系(ANS: Autonomic nervous system)は、末梢神経系のうち植物性機能を担う神経系であり、動物性機能を担う体性神経系に対比される。
自律神経系は内臓諸臓器の機能を調節する遠心性機序と内臓からの情報を中枢神経系に伝える求心性の機序、という2つの系からなる。
交感神経系と副交感神経系の2つの神経系で構成されている。

Wikipediaより

「交感神経」と「副交感神経」という2つで構成される自律神経系が興奮に関与しています。ものすごくざっくりまとめると「交感神経」=興奮、「副交感神経」=リラックスのモードです。

交感神経と副交感神経の2つの神経系からなり、双方がひとつの臓器を支配することも多く(二重支配)、またひとつの臓器に及ぼす両者の作用は一般に拮抗的に働く(相反支配)。
交感神経系の機能は、闘争か逃走か(fight or flight)と総称されるような、身体的活動や侵害刺激、恐怖といった広義のストレスの多い状況において重要となる。

Wikipedia

交感神経優位な状態は、たとえば敵と遭遇して戦うか逃げる状態。
状況に素早く反応して動く必要がある。
そのため心拍数は上昇し(血流を増やすため)、瞳孔は散大し(敵の動きを見逃さないため)、発汗します(運動の放熱のため)。
闘争及び逃走のモードですから、感情は攻撃的、もしくは反対に恐怖を感じる状態です。

反対に副交感優位な状態は、たとえば食事をした後休んでいる状態。
血流は手足の筋肉ではなく胃や腸の内蔵に多く回されます。

交感神経優位な状態はホルモン的にはアドレナリン優位(Adrenergic)で、副交感優位な状態はアセチルコリン優位(Cholinergic)な状態ともいいます。

「盛り上がり」はAdrenergicな状態そのものです。

ソロの要素

アドリブソロにはたくさんの要素(パラメーター)が含まれています。

  • フレーズの細かさ

  • フレーズの音列の複雑さ

  • フレーズの背後にあるコード進行の複雑さ

  • 音の大きさ

  • 音の高さ

  • 音色

  • ビブラートなどの音響情報

それぞれのパラメーターを考えてみましょう。
アドリブソロではこれらの要素がさまざまに変化します。
前述の通り「盛り上がり」をAdrenergicな状態、つまり交感神経が優位な状態とすれば、

  • 音は大きく音は高い(多くの楽器では高い音は力を入れると出る)

  • 音色は硬くなり(呼吸量が増えると息のスピードが上がる)

  • 心拍数の上昇にあわせてフレーズは速く細かくなる。

などがAdrenergicな変化といえるでしょう。

もりあがり

図はあくまでイメージですが、そうした色々な要素が複合的に組み合わさって「盛り上がり」が演出されるわけ。

まとめ

  • 「盛り上がり」はある種の「興奮」。交感神経優位な状態を演出する。

  • アドリブソロには様々な要素(パラメーター)があるが、交感神経優位な身体の状態が「盛り上がっている」状態に相当すると思われる

  • 複数のパラメーターが動きながらソロは「盛り上がり」をみせる


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半熟ドクター
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