オブリ研第3回 : "Just Friends"(1)
今回はジャムセッションでも頻出する曲"Just Friends"をとりあげます。
ちなみに、結婚式で演奏しちゃダメね失恋の曲だから。
Jay Jay Johnsonの神テイク
ただまあ、この曲については、トロンボーンにとってお手本になる神テイクがすでに存在しています。
ジャズトロンボーンの神様Jay Jay Johnsonの晩年のアルバム
"Standards"でのテイクです。
これ、私が若いころは当然のように流布していたもんですが、現代のトロンボーンっ子の皆さんはどうなんでしょうか?
(若いトロンボーンの知り合いがいないからわからん。ま、サブスクなどでたどり着くとは思います)
なつかしー。昔採譜したの20年以上前だわ。(とりなおしてます)
この譜面には、第二回の総論で述べたことがすべてキレイにはめこまれています。
1〜2段目は テーマメロディーのデッドなところにはめこまれていて、なおかつテーマが下行形にあわせて逆の上行で返している。
5〜6段目も同様ですが、1〜2段目より少しだけ形を変えていますね。メロディーがそうであるのと同様、モチーフをコード進行にそって展開させている。非常に整合性のあるフレーズ作りをしています。
一方3〜4段、7〜8段はスタイルがかわります。それまでは一小節ずつテーマとオブリがコール&レスポンスになっていましたが、ここでは、テーマと同居させ、重ねるような感じにしています。静と動という対比がうかがえますね。
4小節単位でゆったりとしたサイズのカウンターフレーズを吹いています。4段目は敢えて吹かない。
7段目も3段目と同様にゆったりしたフレージングです。
全体の構成として3段目と7段目にピークがくるように構成されています。そもそもテーマメロディがそうなのですが、オブリも、そこにむけて盛り上げる感じにしている。
ちなみに後テーマもおんなじような原則を保って、もうちょっとフレーズを足しています。前後テーマを聴くと、3・4・7・8段はほぼアドリブでカウンターメロディを吹いているみたいな感じです。
かなり適当に吹いているけど、結果的に構成が練られている。
匠の技といえましょう。
3,4段のカウンターメロについては、こう言っちゃなんですが、巨匠だからこその割り込みって感じは正直ありますけどね。テーマよりもだいぶ存在感がでちゃってますから。最後の逆循もトロンボーンでキュー出してるみたいだし、プロデューサーJJですからね、そもそも。
まあ、トロンボーン同士このオブリは有名なので、セッションでも、このAメロの入り吹く人結構います。トロンボーン同士だと、yeah! って言っちゃいますね。僕も時々吹きます。
そういう人は多いと思います!