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ジャズ成長のOODAとは?

私ジャズ独学で30年くらいやっているんです。
幸い、ジャズの修練は「これ以上は無駄」とかなくて、やればやっただけ、伸びはある。
もちろん、昔のアドベンチャーゲームみたいにコマンド選択肢がなくなり、堂々巡りのような「足踏み」の時期はありますが、腐らずに続けてたら、ふっと道が開けて上達する時もあります。

成長や発展のプロセスモデルとして、ビジネス界ではPDCA・OODAというフレームワークがあります。今日はそれとジャズ独習を絡めて考えてみます。

OODAとは?

  • Observe (観察)

  • Orient(目標)

  • Decide (決断)

  • Act (実行)

の四段階を指します。

PDCAとは?

少し前はPDCAサイクルが盛んに喧伝されてました。私にはこっちの方が馴染み深くはあります(ちょいおじさんなので)。

  • Plan (計画)

  • Do (実行)

  • Check (確認・評価)

  • Action (改善)

の4項目です。

PDCAなの?OODAなの?

我々はビジネスや教育の専門家ではありません。PDCAとOODAどっちが優劣かの議論に意味はない。これを遵守することさえ意味はないです。
勝てば官軍。うまくなれば勝ち。

ただ、両者に共通するのは「サイクルを回す」という概念です。
大事なのは「まわすこと」。
PDCAならActionのあと最初の「Plan」に戻る。
OODAもActから最初のObserveに戻る。
どんどんサイクルを繰り返し、フィードバックをとりいれて、柔軟に目標や練習メニューを進化させることが、この概念の本質です。

イメージは「螺旋状に成長してゆく」こと。

感動と成長


OODAにしろPDCAにしろ、ジャズマンの成長の軸として「感動」と「練習」の2つが重要です。つきつめればこの二つがサイクルの原動力になる。
「感動」と「練習」。
それに「インプット」と「アウトプット」を考えて、自分を育ててゆきましょう。

感動

素晴らしいプロフェッショナルの演奏に我々は感動します。しますよね?
CDやレコードの音源でも感動しますが、やはりライブは情報量が桁違い。
ライブを観に行くことが、もっともよい感動の引き金になります。

私は自分のジャズ人生に後悔はありませんが、もし過去に戻れるなら学生時代にもっとプロのライブを観ておけばよかったと思ってます。

「うまい人と共演する」も、もちろん感動です。
ただ共演は必須条件ではないと思う。共演しなくても吸収できる。
もちろん憧れのミュージシャンと同じ舞台に立つ経験は測りしれない効用がある。が、聴いている方が気づきが多いのも事実。
「ライブ&セッション」しか行かない、のはちょっとさもしいというか、アレですよ。

すばらしい演奏は「感動」ではある反面、綺麗事抜きにしていえば「絶望」もします。その演奏を「自分事」として眺めると、自分の至らなさもはっきりわかるから。(プレイヤーたるもの、それくらいの身の程知らずの気概と自意識は持ちましょう)

練習

いくら優れた音源を聴いて感動しても、では練習しないと成長しません。
演奏者の視点で、ライブを観る。
見た感動を心に熾火のように抱えて練習する。
これが重要です。

全く楽器をしなくてもライブで感動できます。
でもリスナーとしてライブに10年通いつめたとしても、演奏はうまくならないです(耳はそれなりに肥えるとは思いますが)。
大事なのは演奏者としての自分に課題を抱えた状態で聴くことです。

感動→感動→感動→、練習→練習→練習、では意味がない。
感動→練習→感動→練習→の繰り返し。これがキモだね。
PDCAもOODAだろうが結局この2つが、サイクルの軸です。

OODAなら、こういう視点で自分を客観視しながら(Obsereve)、問題点を言語化しつつ(Orient)、課題を自分に課す(Decide)。そして練習をする(Act)。
PDCAであれば、自分の問題点を評価し、練習計画を立て(Plan)、練習する(Do)、それを実戦で確認し(Check)、修正する(Action)。
PDCAだろうがOODAだろうが、別に構わないと思います。
手に馴染んだフレームワークを使ってください。
ぐるぐるまわしていればなんとかなります。短期間でそのサイクルを展開させてゆく。これが上達への道だと思います。

ジャズ・プレイヤーは、螺旋状に成長してゆくものです。
楽器を演奏するすべての要素(音色・フレーズ・タンギング・ピッチなど)、音楽を演奏するすべての要素(メロディメイク、コードとハーモニー、リズム・グルーブ、共演者の意図をキャッチする能力)は、渾然と上達してゆくもの。
プロを目指すのであれば、プロのとば口に至るまでに要求される能力のハードルはあり、それをクリアする年が若いほどデビュー後のプロモーションの予算額が大きくなる傾向はあると思います。これは締切のある話であり、モチベーション云々ではなく、到達すべきゴールに向かって邁進しなければならぬ。ゆっくり冒険している暇はない。OODA OODA言ってないでやるべきことをさっさとやりましょう(オヤジギャグ)。

アマチュアは必ずしも焦る必要はない。
攻略本なしで冒険に出てもいい。
客観的に観て自分に足りない部分を伸ばしてゆきましょう。
時間的制約も、達成すべきハードルもアマチュアにはない。上手くなるかは自分にかかっています。

でもある種プロよりハードルがない分厳しいのかもしれないですよ。

まとめ:

  • 「感動」がなかったら、多分上達するモチベーションが湧きません

  • でも「感動」しても練習しないとうまくなりません。

  • 「練習」なしで本番をこなすだけでは限界があります。インプットなきアウトプットは煮詰まります。

  • アウトプットなきインプットは、やはり長く続けるモチベーションが減殺されてしまいます。

  • 「感動」と「練習」のバランス、インプットとアウトプットのバランスをとりながら、もりもりジャズに触れていきましょう!


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