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段階別セッションの目標

以前「ジャズ研換算」を書きました。

学年別のジャムセッションにおける目標はなんでしょうか?

セッション初級者に必要なのは、勇気!
セッション中級者に必要なのは、引き算!
セッション上級者に必要なのは、熱意!

いきなり結論ですみません。説明させてください。


セッション初心者=ジャズ研1年

「ジャムセッション行ってみようかなー…でも怖いなー」という感じの初心者。最初はみんな怖い。
物怖じする場合は、まずは楽器持たずに下見にいくという最終手段もあります。

初心者の方へ。注意点。

  1. まずできる曲を1曲か2曲決めましょう。定番の曲がよろしい(先輩に聞いてください)

  2. 最低限必要なのはテーマが吹ける状態です。

  3. セッションホストに「初心者なのでこれしかできません」と伝えましょう。

  4. アドリブは、書き譜や、以前作った譜面でかまわない。もし譜面を出さずに吹けるならそうしてください。

  5. 始めるときに「よろしくお願いします」演奏が終わって「ありがとうございました」。挨拶大事。

  6. ハンドサインを知り、メロディー、1コーラスのサイズ理解しましょう。

  7. 自分の思惑からそれた時のリカバリーを学習しましょう(Plan Bへの切り替え)

まずは定番曲で曲の最初から最後までやり遂げることを目標にしましょう。

初心者に必要なのは、勇気、勇気、勇気!
へこたれない心です。
へこんだ時には漫画『Blue Giant』での大のセリフ『へでもねえや』が大変有効です。もしセッションで凹んだらBlue Giantを読みましょう。

これより最悪な経験はなかなかないのでは?

セッション中級者=ジャズ研2年

少しセッションに慣れてくると、いろんな曲を経験し、うまくいくこともいかないこともあります。大事なこと。うまくいかなかった経験は失敗ではなく、未来のあなたの糧だということです。

サウンドをコントロールする

まずはセッションの演奏を壊さないこと。参加し自分の「仕事」をきっちりこなす。自分のことだけじゃなく、バンドサウンド全体を見る力。
少し広い視点をもって演奏し、バンドサウンドに貢献しましょう。

他の人の曲に乗っかる

初心者は、例えば「Autumn Leavesしかできません」とできる曲を指定して参加します。しかしできる曲が増えて「未熟な人」から脱すると、他の人がコールした曲に参加することになります。これは難易度あがりますよね。
解決法は二つ。
1:定番のセッション曲をこなし知らない曲を減らす。
2:初めての曲でも譜面みてすぐ演奏できる対応力をつける。
1,2はどっちも練習すれば身につきます。しこしこがんばろう。

全体を見渡す

初心者だと、フロント奏者なら興味はテーマの部分と自分のソロに限定される。リズムセクションも、バッキングと自分のソロに必死なもんです。
しかし、ジャズも他の音楽と同じで全体での調和が大事。全体のサウンドやバランスに注意し、曲の起承転結を意識してください。

「やりたい盛り」から脱する

初心者を脱し、できる曲がだんだん増えてきます。
最初はそれが喜びで、いろんな曲に首を突っ込みます。やれる曲は全部参加したい。僕にもそういう時期はありました。
……でも、気がつくと、ほとんどの曲が「できる曲」じゃないですか?

周りのバランスを見て、参加する曲を取捨選択し、自信をもって「この曲はやらない」と引き算を取れるのが、中級者としての完成といえそうです。
実際、アドリブのフレージングでも押せ押せ一辺倒ではなく、引き算し、余白を活かしたフレージングが求められます。

セッション上級者=3年4年

セッションに慣れてきた上回生。この段階の目標はなんでしょう?

流れを見る、流れをコントロールする

中級者には、自分の演奏だけではなく曲全体を見ましょう、と言いました。
さらに視野を広げ、一曲単位ではなくセットリスト全体、お店全体を見渡してみましょう。
戦術から戦略へ。

演奏者同士の組み合わせ、セットリストの流れ。
スタイルも退屈にならないよう、おなじテンポのフォービートばかりにならないように。
ボサノバ、歌物、メジャー/マイナー、一発もの、ファンク系、ワルツ・変拍子……さまざまな要素を組み合わせ、できるだけセットリストがカラフルになるように。
演奏者だけでなく聴いている人も退屈させないように。
この辺りはセッションではなくライブの選曲、配曲にも共通する話です。
演奏する側ではなく聴いてる側の視点を持つ。
もちろん、そういう風にサウンドをいじることは参加する人にとっては不確定要素になります。
参加者の実力を見極めて、ちょうどいい塩梅で。

広い視野と狭い視野を切り替える

前述の全体を見渡す「広い視野」を持ちつつ、しかし決して冷めない。
プロとアマチュアの差、一流のプロとそうでないプロの差は、結構このあたりのような気がします。
「仕切っている上回生」的な立場は、演奏者として引っ込んで自分では演奏せずみたいになりがち。これ、案外カッコ悪いもんです。
プロの方々は、力を抜いたリラックスモードから、臨戦モードまでがおそろしく早い。全体の視野を持ちつつ、個人の演奏者としての立場を切り替えてためらわずアクセルを踏める。

やる気のないふりして、いざステージに上がったらばっちり温まっている。この辺りのモードチェンジの速さ、切り替えの速さができたらいいですね。

まとめ

  • セッション初級者:まずは自分の演奏している部分をきちんとやりましょう。流れを止めてしまわないように。そして、必要なのは、勇気!(びびってんじゃねえ)

  • セッション中級者:一曲全体に注意を払い曲の流れを見極めましょう。 やりすぎてしまわないように。必要なのは、引き算!(そこはお前だけのステージじゃねえ)

  • セッション上級者:曲単位ではなく会場やセットリスト全体の流れに注意を払いましょう。そして、必要なのは、熱意!(スカしてんじゃねえ)

それでは、エンジョイ!


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半熟ドクター
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