ソロを「もりあげる」方法とは(1)
以前に書いた文の中で「起承転結」「盛り上がり」といいました。
今回は「盛り上がり」について考察してみようと思います。
後半に盛り上がりを作る。では、どうやって盛り上げたらいいのか?
後半に向けてもりあがる方法
結論は簡単です。
後半でアクセルを踏むには、前半でアクセルを入れなければいい。
マックス10として、それを15にすることは無理です。
でも前半を5にして、後半10にすればいい。
もし仮に自分に楽器のテクニックがなくて10出せない、せいぜい5としても、前半を3として、3→5とすればいい。
もりあがりは相対的なものですから。
大事なのは、俯瞰した視点でソロをコントロールする意思です。
コントロールの小賢しさ
「盛り上がり」を感じること。
これはそう難しくはない。
しかし盛り上がりを演奏で表現するのは結構難しい。ふつうは。
感性でなんとなく上手くやっちゃう人はいるとは思う。
そういうのに長けてない場合、理性でコントロールしないといけない。
でも作為的に盛り上がる(フリをする)のをよしとしない一派もいます。
理性で盛り上がるのか、感性で盛り上がるのか。
インプロヴィゼーション(即興演奏)ならではの「感性」による盛り上がりは、確かに貴重です。それこそがジャズの即興性の本質ではある。
しかし、クラシックにしろポップスにしろ再現芸術のほとんどは、譜面に記した、つまり理性的に配置された「盛り上がりの演出」にそって演奏する。我々が耳にするほとんどの音楽は「理性」で盛り上がっている。
ジャズのアドリブソロは、結局どうあるべきなのか?
ある程度理性で盛り上げる訓練をしつつ、本番では周りのサウンドの出す即興性にも対応して、感性で盛り上げる。
つまり盛り上がりは理性と感性のハイブリッドで作り上げることが正解ではないかと思う。
出し切る練習
普段の練習で、マックス10をさらに超え、本番でさらにギアを上げる姿勢も大事だとは思う。その「本気さ」というのは、真の盛り上がりにつながる道の一つだと思う。
漫画「Blue Giant」で雪祈に対して宮本大がさせようとしたのも多分それ。
もちろん、全身全霊の力をだしても10は10.5に届くのがやっと。
でもその 0.5が、小さいようで多分大きな意味をもつのだと思う。
まとめ:
後半にむけて盛り上がるには前半をぬく
理性と感性の両面でソロをコントロールしましょう