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日本語読解理論(発展)#1 論理記号で整理する国語読解
文章読解において、論理的な関係を正確に把握することは重要です。そのためには、数学で用いられる論理記号を活用すると、文章の意味構造がより明確になります。今回は、論理記号を使って国語読解における主要な論理関係を整理し、具体例とともに解説します。
今回の解説では、国語読解における主要な論理関係を網羅し、さらに分かりやすい具体的な事例も取り上げております。4,000字を超える記事となったため、有料記事とさせていただきました。
論理記号を使用した論理関係整理の実践手順
国語読解では、文章内の主張や根拠、結論を形式化することで、論理構造が明確になります。以下の手順で取り組むと効果的です。
文章を分解: 論理的な単位(主張、根拠、例、など)に分解します。
関係を特定: 原因と結果、対比、条件などの関係を特定します。
論理記号で表現: 分解した要素を論理記号で整理します。
論理記号を使って表現できる論理関係や論理記号の事例は、次の通りです。
1. 定義 / 同義 / 類義 / 否定
文章中で言葉の意味を示す際、以下のような論理関係が用いられます。
(1) 定義:「AとはBである」
1. A=B
2. A↔B
「直角三角形とは、1つの角が90度である三角形である。」
A(直角三角形)とB(1つの角が90度の三角形)は厳密に同じ意味。
⚠定義は、"="や"↔”を用いて表すことが出来ます。一般的に、左右が等しいことを示すためには"="が広く用いられていますが、記号論理学においては、論理演算子として"↔"が用いられます。これらはいずれも、左右の項が等しい関係であることを示しています。
(2) 同義:「AはBである」
1. A=B
2. A↔B
「この問題は簡単だ。つまり、解くのに時間がかからない。」
前後の文が同じ意味を表す。
⚠同義は、定義と同様に"="や"↔”を用いて表すことが出来ます。これらは左右の項が等しい関係であることを示しています。
(3) 類義:「AとBは同様である」
1. A≒B
2. A≈B
「彼の行動は勇敢というより大胆だった。」
A(勇敢)とB(大胆)は似ているが、完全には一致しない、と解釈した場合。
⚠類義は、"≒"や"≈”が用いて表すことが出来ます。これらは左右の項がおおむね等しい関係であることを示しています。
(4) 否定:「AはBではない」
1. A≠B
2. ¬(A↔B)
「私が昨日東京にいたことは事実ではない。」
A(私が昨日東京にいたこと)とB(事実)は異なる。
⚠否定は、"≠"や"¬”を用いることが出来ます。"≠"は左右の項が等しくないことを、"¬"は記号論理学において用いられる論理演算子です。これは直後の項を否定する「~でない」を示すために用いられます。
2. 並列・並立 / 選択 / 添加
文章が複数の要素を並べる場合、それぞれの論理的な関係は次のように整理できます。
(1) 並列・並立:「AかつB」「AそしてB」「AでもありBでもある」
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