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東京発新幹線下りの旅でウトウト夢見心地…こだま号と名代きしめんと

(約1500字)

こだまに乗りゆったりと西へ移動

週末、イベントで日曜日に上京後、都内に一泊して翌日の月曜に岡山に戻った。
途中、東京の帰り道に所用あり名古屋に立ち寄った。

東京駅から新幹線に乗るのに、自由席でどれにするか選択に迷った。
ホームには「のぞみ号」が次から次へとやってきていたのだが、どうも気乗りしない。
咄嗟に選んだのが、ホームの目の前に出発を控えて佇んでいた「こだま727号 新大阪行き」だった。13時前に出発。

のぞみに乗れば、名古屋に手っ取り早く着くし、その後の動きに余裕が出るメリットがあるのは明らかだったのだけど、なぜか身体がいうことをきかなかった。
とにかく、自由席に乗るにせよ、混み合っていない便でのんびりと各駅に停まる旅をしたかったのだ。

こだま車両に乗り込んだ私は、最前列の二人掛けシートの窓際に腰掛け、リクライニングを倒した。
お茶を飲んで、上京前に岡山で買った男梅のグミを口に入れて空腹をごまかした。

イヤホンしてスマホで音楽を聴いたり、知人宛てメッセージの続きを書き上げたりしているとうっすら眠気に襲われてウトウト…。目を覚まして作業を仕上げて送信した。

東京から名古屋までの間、各駅停車こだまで過ごすこの2時間半が、なんともぬくぬくホカホカして幸せだった。


名古屋で食べたきしめん

私が直感で飛び乗ったこだま号は、乗った後になって、名古屋駅の到着時刻が肝心の目的地に到着すべき時刻から逆算すると、かなりギリギリであることに気がついた。慌ててタクシーを手配した。結果から言って、目的地への到着に予定ほぼピッタリの時刻に間に合い、事なきを得た。
所用後、地元の岡山に戻るため再び名古屋駅に向かった。

ひとまず新幹線のホームまでたどり着いたが、空腹があまりにも激しい。
お昼ご飯を食べていなかったのだ。東京駅を出る時も人混みがすごくて食事するタイミングを逸していた。
時計は18時半をまわっていた。
岡山行きの名古屋発19:03発ひかり号に乗るまで、ちょうど数十分の空き時間がある。
名古屋駅ホームに到着した時に気になっていた立ち喰い「名代きしめん」の店に吸い寄せられるように入り、暖簾をくぐった。

お揚げが入ったきつねうどん的な「きつねきしめん」?を注文した。
出てきたホカホカのきしめんは、お揚げのほかにネギと一掴みのカツオ節が盛ってあった。

それがまた美味しいのなんのって!

ペッタリした平たいきしめんに、かつおだしベースの濃口醤油色の温かいおつゆがたっぷりと絡まり、ひと口すする毎に五臓六腑にしみわたる…。

こんなに美味しいんだ、きしめんって。
一杯500円とな?!
このお味このクオリティで…良心的すぎるお値段。

名古屋駅新幹線ホームの立ち喰い、名代きしめん。上にたっぷり豪快に鰹節がのっている

新幹線の待ち合い時間に手早く食べる「立ち喰い」スタイルなのに、まるでちょっとした温泉に立ったまま浸かっているような、ものすごく幸せな気持ちになった。

あまりに美味しくてお腹も心も満たされたので、ご馳走様の挨拶と共に、自ずと絶賛の言葉が口をついて出てきた。

「めーっちゃ美味しかったです!お昼からマトモに食べてなくてお腹空いてたから、ほんっとうに美味しかった!」

と、カウンターの内側のスタッフさんに向かってまくし立てて(ちょっとびっくりされてた様子。周りのお客も多分 笑)、お店を後にした。


いやほんとに、新幹線ホームの名代きしめん、美味しすぎた…
あれ、名古屋名物だったんだね。後で知った。
また名古屋に寄ることがあったら、きしめん食マストだ。

しかし、ホームに漂っていたあのかつおダシのおつゆの香りは、生半可じゃない本気度というか、職人の凄みを感じたな。日本食は粋だね!

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